「なろう」テンプレについて考えてみた
あくまで冬野の考えです。いろいろな考え方があると思います。
最近ですね、今さらながらテンプレについて考えたことがありまして……。
「なろう」におけるテンプレと云えば。イセコイ、ハイファンジャンルだと『悪役令嬢』『婚約破棄』『白い結婚』『お前を愛することはない』『乙女ゲーム』『異世界転生/転移』『追放』『チート』『無自覚』『俺TUEEE』『ざまあ』『もう遅い』あたりでしょうか。
余談ですが、現実恋愛のランキングに『NTR』を見つけたときには、衝撃で思わず二度見をしてしまいました。だって……『NTR』。大丈夫?! 意味わかってる!? って思って……(-_-; )
閑話休題。
「なろう」にたどり着いたきっかけは、とある書籍化作家さまの作品を読むためでした。その方の作品が大好きでハマりまして。ほぼ読ませていただきました。作品は検索すれば出てくるのですが、今はランキングには反映されないようになっています。
それからは、ランキングをたどって作品を読んでいました。描き手になるといろいろと思うところはありますが、読み手からするとやっぱりランキングは便利なのですよね。流行りのテンプレが楽に探せますし。
だけど……だんだんと飽きてくるのです。いくら美味しいご馳走でも、毎日のように同じものを食べていたら……違うものを食べたくなるのと同じです。
そのうちに物語の内容も登場人物も、すべて同じように感じはじめました。
当時はまだID登録をしていなかったので、ブクマはできません。途中で読むのをやめると、次に読むときにはもう、なにを読んでいたのかさえわからなくなっていました。ヒロインの名前も憶えていないのだから、さらにタイトルなんか長くて覚えていられるわけがないのです(´`;) ああ、トリアタマ。
ということで、勝手ながら「なろう」テンプレに拒否感を覚えることとなりました。本当に勝手ですね(´꒳`;) そしてそれが数年の間、続きます。
それなのに。ふと去年あたりからでしょうか。めっちゃ「なろう」テンプレが描きたくなりました。
なぜか?
「なろう」テンプレお腹いっぱい! → ムリムリ! もう受け付けない →→→ とりあえず時間が経ってお腹も消化。ふうっ。 → (天の邪鬼発動)テンプレ描きたい!
分析した結果、おそらくこういった流れではないかと思います。天の邪鬼気質の発動が原因ですね。
そこでテンプレを描くにあたって、【「なろう」テンプレとは何か】ということについて改めて考えてみたのです。まあ、今さらですが。
そもそも、「なろう」テンプレと呼ばれているものとは……。
不幸な生い立ちや、恵まれない境遇にある主人公が(異世界転生/転移したりもあり)その逆境を乗り越え、あるいは助けられ、幸せになったり仇を討ったり(いわゆるざまあ)する物語。
物語を盛り上げるスパイスとして付いてくるのは、溺愛だったりハーレムだったりチートな能力だったり?
簡単にいうとこんな感じが「なろう」テンプレでしょうか。よく見る王道ですよね。
付随するものを除いて、おおまかな本筋だけを考えると……。あれ? そういえば……これって昔からあるパターンでは?
例えば『シンデレラ』『白雪姫』『赤ずきんちゃん』『キャンディキャンディ』『ハリー・ポッター』『小公女』『かちかちやま』『さるかに合戦』『舌切り雀』『おむすびころりん』『花咲かじいさん』『忠臣蔵』『水戸黄門』『必殺シリーズ』? もしかしたら『源氏物語』(位が高い人が失脚して都から流される、貴種流離譚もある意味ではテンプレ)も? もっとあるとは思いますが、ぱっと考えただけでもこれだけ出てくる(異論は認めます)。
なんだ……。昔から親しまれていた物語たちじゃないですか! よく「テンプレがー」「テンプレなんかー」ということを耳にしますが(以前の冬野です(^_^;)えへ)、実はめっちゃ伝統的な物語! (私たちが知る現在のグリム童話は、子ども向けに読みやすくされています)
これらの物語は、流れがわかりやすいので安心して読めますよね。安心は大事です。よくいえば勧善懲悪で、悪くいえばワンパターンといえるのかな。
主人公は最初は不幸でも最後には報われます。そして、悪役が断罪されることによって、主人公が虐げられていたために読み手に溜まったストレスがラストで一気に解放される。それが気持ちいい。よく云われるカタルシス効果ということなのでしょうね。
Web小説の特徴は、手軽に空いた時間で無料で読めること。すなわち、すっと物語に入ることができる「わかりやすい」流れが重要。ということは……複雑な背景、入り組んだ設定、難しい文章は読まれにくい。個人の好みの問題ですので、すべての方がそうではないと思います。あえてそれを好む方もいらっしゃるでしょう。ですが、Web小説ではそれが多数派。多数派だからPVが伸び、ポイントが入り、ランキングに表示される仕組みです。かわいいは正義! と同じ理屈?
考えられるほかの理由は。
【1】描き手の知名度。
長年描いていたり、人気があったり、プロの方だったり。そこでの差がありますよね。
【2】タグにテンプレ要素があるか。
『ざまあ』『追放』『溺愛』『悪役令嬢』などなどのパワーワードが入るだけで、PVは桁が変わります。
【3】タイトルやあらすじから内容が解るようになっているか。
忙しい現代人にはタイパは重要……。
ほかにもあると思いますが、冬野の頭ではこれが限界です。
ポイント差というのは、どちらの作品が優れているかということではなく、どちらが好まれて読まれたか。多数派か少数派かの問題も大きいと思います。
そもそもテンプレではない作品はWeb小説の特徴には合いません。必然的に読まれにくい。PVが伸びないので読まれない作品には応援ポイントは入りづらい。
もちろん文章や内容が破綻していたら……。それはそれでまた、別問題で複雑。
描き手としては、テンプレかテンプレではないか、ではなく描きたい物語で応援してもらえることが嬉しいですよね。
言語学者のソシュールも言っています。「話し言葉は時代によって変化する」。ならば物語もさもありなん。伝統的かつ王道の物語の進化形態のひとつが「なろうのテンプレ」なのかもしれません。
いやぁ。今さらながらに気がつきました。遅いですよね。
というわけで、そのうちにテンプレを投稿します。新着欄にあったら覗いてくださると嬉しいです(๓´͈꒳`͈๓).
テンプレは描きたいのですが、過度な『ざまあ』『追放』『虐待』などは描けませんし、読めません。
とある書籍化作家さまの作品はエンタメ性の高いイセコイでした。『ざまあ』系ではないです。コミカライズもされていて、購入しました♡
それと。「なろう」小説と一般文芸は違うと思っています。無料で読むことができるWeb小説が書籍化しても、売れなくて打ち切りになってしまうという話をよく目にします。なぜか。無料だから読んでいたからです。逆に考えると、それでもヒットする作品というのは本当に面白いのだと思います。
さまざまなジャンルの例を詳しくまとめたエッセイ作品を見つけました。面白かったのでご紹介しますね♪
【作者】 気まぐれ屋さん 様
【作品名】『テンプレ展開をひたすら箇条書きにしてみた』
https://ncode.syosetu.com/n2548er/
夏にホラーが出したいといいつつ、すでに夏。今、10話まで書き貯め中。物語はこれから佳境なはず。だからあと少し……! だよね? ね?




