住宅街の蛍
住宅街の蛍(なんか小説のタイトルによさそう?)とはいっても、ホタル族のことでもないし、冬野のことでもありません。
蛍のイメージ。
どのようなイメージをお待ちですか?
冬野の持っている蛍のイメージは、緑が豊富な土地を流れる静かな清流に棲み、川辺をちらちらと飛び回っている……でした。
もちろん自然のとってもとっても豊かな環境の中ですよ。
映像などでは光って飛んでいる蛍を見たことはありますが、実物を生で見たことはなかったのです。
いつかは見たいなぁとは思っていました。
自然の豊かな里に旅行に行けば見られるかな? そんなことを漠然と考えていたのですが……。
数年前のことです。
ついに蛍を実際に見ることができるチャンスがやってきました。
なんと、わりと近場の住宅街で蛍が見られるというのです。
住宅街で? うそだぁ?
その話を聞いたときにはそう思いました。
場所は冬野の住んでいる地域よりも開発されている地域です。
トカイナカ……じゃなかった、カタイナカなこちらでも見ることはない蛍なのに、本当に見られるの?
半信半疑です。
でも。まあ、見られなくても話のネタにはなるよね。
そんな気持ちで行ってみると……。
すぐ隣には住宅が建ち並ぶ、小高い丘のようになっている林の中を、ふわり、ちらり、ゆるゆる~、ぽわっと。
緑色の小さな燐光が飛ぶ……というか揺蕩っているのです!
本当にいた!
その場所には冬野たちしかいません。
ほかは誰も見にきていないのです。
住宅街の住人さんにとっては珍しくもないことなのでしょうね。
振り返れば後ろはアスファルトの道と住宅街。
目の前には鬱蒼と木が繁った暗い林。
その林の中を緑がかった黄色い光がふわり、ふわり、ぽわんと飛ぶ光景は、まさに幽玄の世界。
とてもきれいでした。
林の中には細い用水路が流れていたのですが、その水がきれいだったから蛍が育ったのでしょうか。
それとも誰かが育てた幼虫を放していたのか。
あの美しく幻想的な光景は忘れられません。
環境が保全されていつまでも見られるといいなぁ。
蛍。
光っているのを遠目で眺めるだけならオススメですが、画像検索はしないほうがいいかもです。
特に虫が苦手な方は……。幻想的なイメージでも、やっぱり昆虫ですからね( ฅдฅ。)
清少納言は『枕草子』の夏の一節のなかで蛍のことを書いていますよね。平安時代の人々も同じ景色を見ていたのかと思うと……。ロマンがあります*.(๓´꒳`๓).*
空気のきれいな場所に行って天の川も見てみたい。
プラネタリウムでは高確率で熟睡してしまうので……๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐
オススメスポットがあったら教えてくださいませ。




