魅惑のスープ
とある金曜日の夕方のことです。
夕飯をどうしよう?
冷蔵庫を開けてみると、中身は解凍したとりのむね肉、卵と冷やご飯。調味料など。
週の後半には冷蔵庫の中身は寂しくなります。なぜかというと買い物は週に一回、土日のどちらかに買い出し派だから。
ううん~。
ケチャップはまだあるし……よし。
オムライスにしよう。
野菜はあったっけ?
野菜室には紫キャベツ。じゃがいもが一袋。
じゃあ、キャベツとじゃがいものポトフもどきのスープも作ろう。
水を入れたお鍋に、コンソメ、ジャガイモを投入します。スープが煮えるまでに、チキンライスの用意をしておきましょう。
細かく切ったむね肉を塩胡椒でちゃっちゃと炒め、火が通ったところで冷やご飯とケチャップを入れて煽りながらよく炒めます。ケチャップは先に入れておいたほうが水分が飛んで旨味が残るそう。ついでに白ワインを振りかけると風味が格段によくなるのですが、残念。今回はありませんでした。確か、飲んじゃったような記憶が……。
ジャガイモが煮えたころに、スープに紫キャベツを入れます。
いつもほとんど味見はしません。
だいたいなんとかなっているので、まあ、いいかと。雑なだけとも云えますね。
たまにどうにもならないときには、旨味調味料と気合いで乗り切ります。
味見をしない姿勢がデフォルトなのですが、そのときは、ふと、スープの味はどうかな? と、お玉でくるっと具材をかき混ぜてスープを掬い、白い小皿に移し入れたのです……。
!!??
勘のよい方は、おわかりでしょうか?
スープに投入した具材は紫キャベツ。
そうです。
なんと、紫色のスープになっていたのです。
映画版では頼りがいのある漢気満載のキャラに変身するという、あの彼がつくる料理(*)のように……!
(* → 説明不要かもしれませんが、ご存じない方のために補足です。国民的人気の青いタn……じゃなかった。ロボットが登場する大人気漫画の名バイプレイヤーがつくる、紫色のどろどろした煮込み料理(的なにか)。漫画ではシチューでしたが、冬野が作ったのはスープ。ちなみに、シチューのお味は……食べさせられた主人公たちの反応をみると、この世のものとは思えないようです。セミの抜け殻とか入っていたような。それ……食べ物なの?)
考えてみれば紫キャベツはその名のとおり見た目も紫色。
紫キャベツを買うことはほとんどないので、めったに料理に使うことはありません。たまたま野菜室にあった紫キャベツは、いただいたものでした。
お鍋の内側が黒色だったので、煮ている最中にはスープの色にはまったく気がつきませんでした。こんなに色素が溶け出すなんて……!
まあ……色はともかくとして。
肝心のお味はどうなのでしょうか。
……うん。
普通に美味しいです。味はまったく問題なし。コンソメを入れたのでそれが味のベースになり、そこに野菜の出汁も加わっているみたい。
気になることといえば、ジャガイモが紫色に染まりかけていること。切った縁が紫色。
ジャガイモは黄色味がかった暖色系のイメージがあります。ホクホクとして美味しそうな色のアレです。
紫色だとそのイメージがまったくない。笑
これはちょっと、食欲に影響……あるかも?
味は問題なしですが、美味しそうには見えないのが難点でしょうか。
青色は食欲を抑える色だそうです。
ダイエットをするときには、青色のお皿が効果があるとか。
すべてのお皿を青色にすれば、ダイエット成功間違いなしですね?
スープ全体が薄い紫色なので、白い器に盛るとキレイに映えます。
食卓の彩りに花を添えそうです。
写真に撮っておけばよかったな。
アントシアニンは目に優しいらしいです♪
目が疲れたとき、目を労りたいときなどにいかがでしょう?
紅採苔も茹でるとアントシアニンが溶けだして茎が緑色になり、茹で汁が紫色になりました。中国野菜らしいので、中華炒めにすればアントシアニンも溶けださないのかな?
*アントシアニン。水溶性で熱に強い。効果には即効性があるようです。
最近、また視力が下がったようなので、アントシアニンのタブレットを摂取しています。効果があると……いいなぁ。
*紅採苔。茎が紅い中国野菜。菜の花に似ていますが、苦味なし。甘味があって美味しい(主観です)。
スープはきれいな紫色でした(*´`*)
レモン汁を落とせば赤紫色とかに変わる……のですよね?




