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忘れっぽいので  作者: 冬野ほたる


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19/31

「描く」 後編

 さてさて、精神面のことですね。


 連載中は、襲いくる闇のメンタルとの闘いでした。これは実に厄介な敵です。

 気がつかないうちに忍び寄ってきます。




 初投稿作品には、キーワードに「悪役令嬢」「ざまあ」「婚約破棄」「異世界転移」または「異世界転生」「チート」「最強」「俺TUEEE」は、一切入っておりません(今の連載作品には「?」付きで入っているものもあります)。


 物語に出てこないから、入れようもないですね。もし入れたら、キーワード詐欺になっちゃう。


 「なろう」投稿チョー初心者が、完結する保証もない、エタるかもしれない、読み手の心をくすぐる大人気のキーワードも入っていない、そんな連載作品を超激戦区の異世界恋愛にポチっとな、と、投稿してみました。 

 

 もちろん、エタらせる気はありません。完結させる気満々です。


 作者様は皆、最初はそうだと思います。


 ストックを放出中は、それなりにPVがつきました(それでも微々たるものですが)。

 その時点では、「投稿しちゃった」「読んでもらっている」という高揚感も手伝って、わくわくドキドキとする気持ちが大きかったのです。

 

 数日後。

 さあ、ストックは尽きました。


 連載は毎日更新がよいとされています。

 しかし、もともと毎日更新は考えていませんでした。毎日はムリでも、週1でならなんとかなるかも? 

 そう考えていたのです。しかし、それは甘い考えだったことに、すぐに気がつきます。

 

 前編で描いたような理由のため、冬野は遅筆なのです。隔週更新がやっとです。

 隔週とはいっても、正確に隔週でもありません。


 PVは日を追うごとに減っていきました。

 最新話を投稿しても、ユニーク数は1桁だったり。


 あれ?

 なんか、つらい。


 睡眠時間を削って描いていたこともありました。

 物語を紡ぐこと、描くことは楽しいのです。

 描いて、投稿することが楽しかったはずなのです。

 

 だけど。

 ブクマも増えない。PVも伸びない。感想もない。ポイントは冒頭数話でいただくことができたのみ(ありがとうございます!)。


 これ、本当に読んでもらえているのだろうか? もしかしたら、冬野ごときが投稿なんてするべきじゃなかったのかも……。

 


 お待たせいたしました。

 いよいよ闇のメンタルの登場です。

 

 そうです。 

 チョー初心者冬野は、まだなにも知りませんでした。


 真の闘いはこれからだった!


 心の隙間に忍び込む闇メンタルは、非常に狡猾な相手です。エタらせようと、いつも手ぐすねをひいています。


 その証拠に、ブクマが一つでも増えると作品の存在価値を認めてもらえたような気がして喜び、剥がれると、読む価値もないと言われたようでガックリと落ち込む。

 ただでさえ遅筆なのに、物語の続きを書く気力がなかなか湧いてこない……。

 パソコンの電源を入れる気にもならない。

 更新がさらに遅れます。


 闇メンタルの()み攻撃です。

  

 冬野はここで書いていてもいいのだろうか?

 読まれないのは場違いだからなのでは?

 読まれない作品を上げることに、なにか意味があるのだろうか?


 更新をするごとに、闇の触手が迫ります。


 PVが伸びると安心する。

 ああ、まだ書いてもいいんだ。


 伸びないと、ああ、やっぱりダメなんだ……。

 なんで投稿なんてしちゃったんだろう。


 こんなのを一日に何度も繰り返します。

 精神的にとても疲れますよね。


 はい。

 闇メンタルのせいで、きっちりと病みました。

 



 冷静に考えるとわかることですが……。


 目的がいつの間にか、すり替わっていたのです。

 書くことが楽しい! 投稿してみたい! から、もっと読まれたい! 評価してほしい! へと。


 承認欲求が「次」へと移行しちゃったのですね。


 最初の欲求は「投稿」したことで叶えられた。


 冬野は自分でも気がつかないうちに、「次の承認」を求めていたと思われます。つまりPV、ブクマ、ポイント、感想、いいね、です。

 これが満たされないから、つらく感じる。


 そう。

 いつの間にか、価値を「他者の評価」に依存していたのです。

 

 病んでいるときは、出口のない迷路をウロウロと徘徊しているようなものでした。


 でも、ポイント、ブクマなどは「ください」などと言えるものではない。

 規約でも禁止されています。「よければ」「気にいったら」「押してください」と書くのがギリギリ?

 

 そうは書いてみても、読み手側の随意なんです。つけたければ、つける自由。つけたくなければ、つけない自由。


 ね?


 そういった評価は他者からの評価です。


 冬野はそもそもが、なぜ投稿したのか?


 パソコンのキーボードを打つ手が震えた、あの日のことを思い出します。


 書くことが楽しい! せっかくだから、勇気を出して投稿してみようか? 誰かに読んでもらえるかも。


 これだったはず。


 ポイントやブクマのためではなかったはず(書籍化なんかしちゃったりして? なんて、全然思ってなんかないんだからね! ……まあウソですよね。ここに投稿している皆様は冬野も含めて全員、できたらラッキー☆って思っていると思います(*`艸´))


 「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」


 あの名台詞ですよ。これだったのですよ。


 そして。


 初心、忘れるべからず。

 

 これにつきます。


 心の中の重いもやもやが晴れたような気がしました。


 冬野は「初心忘れるべからず」を、なにかにつけて唱えている!

 強敵の闇のメンタルにダメージを与えた!

 闇のメンタルを退けた!


 ということで、描きたい物語を完結させることができました。格言TUEEE。



 もともとは冬野は「読み専」でした。

 そのときに、気に入った作品に感想をつけた? ポイント入れた? ブクマした?


 一切しておりません。

 あらららら。

 

 なぜしていなかったかといえば。 

 一言でまとめると「敷居が高かった」。


 なにしろ、読むだけなら登録をしなくてもいい。感想など恐れ多くてとても、とても。見当違いな感想など送ってしまったら失礼だし、作者様の気分を害してしまうかもしれない。それは、怖い(書き手になってみると、感想をいただけるのは一言でも嬉しいです)。


 それが理由です。


 ブクマ、ポイント、感想、いいね、などは、つけていただけたならラッキー☆くらいの考えが丁度よかったのだと思います。

 

 まあ、冬野の作品がブクマ、ポイントをつけるに値しないからだ、と云われればそれまでの話です。


 でも、冬野は自分の作品を「面白い」と思っています。冬野は作者でもあり、自分の作品の読者でもあります。

 

 「面白い」の価値感は千差万別。

 もちろん「つまらない」と思われる方もいるでしょう。それも当然のことです。

 同じように「面白い」と思ってくれる方もいるはずです。


 大事なことですが。

 闇のメンタルに病まされていた冬野は、「ない」ものを「見て」いたのです。「ある」ものが「見えなく」なっていました。

 

 それは、読んでいただいている読者様の存在です。

 

 PVだって0ではなかった。

 応援して、読んでくれる読者様はいたのです。


 おかげさまで完結させることができました。

 この場を借りて改めてお礼を申し上げます。

 ありがとうございます!



 完結後にはささやかながら、PVが伸びました。嬉しいことです。


 闇のメンタルに敗北していたら、それもありませんでした。

 

 初心忘れるべからず。

 

 けっこう強力な魔法の呪文だと思っています。


 ただし、病みの大魔王である闇メンタルは退けただけです。討伐はしておりません。

 弱った隙をついて、きっとまた、魔の手を伸ばしてくることでしょう。


 そんなときは魔法の呪文を唱えながら、同じ思いを綴られたなろうの諸先輩方のエッセイを拝読して、勇気をたくさんいただきたいと思っています。



 今はこうやって開き直り、好きなことを書き散らかしております。


 泣いても笑っても人生は一回です。普通の人は異世界には転生しません。たぶん。

 自分が楽しいと思えることを、楽しくやりたい(当たり前ですが、人様に迷惑をかけることや、傷つけることはダメですよね)。


 潜伏期間何十年で、花開いたお笑いの方もいらっしゃいます。


 継続は力なり。です。 

 

 「諦めないやつには誰も勝てない」

 

 野球の神様、ベーブ・ルースはかく語りき。


 力の続く限りは、肩の力を抜いて描いていこうと思います。


 


まだまだ未熟者ですが、これからもよろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
[一言] 心折れずに書き続けるには 初心忘れるべからず 心に刻みます。
[一言]  私、そこはもとから、諦めていますので(笑)  仲良くなった先生がたに、「こいつ、ちょっと面白いやつ(笑)」って思っていただければ、くらいです。  日陰者。
[良い点] 闇メンタル……まさしく今の自分の状況に当てはまり過ぎて、共感し過ぎてしまいました。 自分の書いた物を人に読んでもらうなんて、大それたことをしているんじゃないか。特になろうでは読者様のニーズ…
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