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忘れっぽいので  作者: 冬野ほたる


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17/31

ホラーだけどホラーじゃない。ほらね?

 連載の投稿を始めました。

 一応、ジャンルはローファンタジーです。


 しかしジャンル設定はかなり迷いました。

 当初はホラーで投稿しようと思っていたのですが……。

 ホラー要素はあるのです。でも、ホラージャンルの定義って「怖がらせることを目的とした物語」となっていました。

 ……怖くはないのです。たぶん。じゃないな。確実に。


 じゃあ、ヒューマンドラマって……要素はあるけど、微妙に違う気がする。

 ちょっとグロい描写があって、ヒューマンドラマだと思って読んだら、なんじゃこりゃー!? と、お叱りを受ける気がします(ヒューマンドラマってなんとなくほのぼのとした作品のイメージがあるんです。実際はそうじゃないと思うのですが)。


 やっぱりローファン? ローファンなのか?

 ああっ!! わからないっ!! 

 

 新しいジャンルを創れるのならば、ローファンタジー枠ヒューマンドラマ系ホラー風味現実恋愛?

 もう、なんじゃそりゃ。

 描いてる冬野でも訳がわかりません。



 そして……。

 思い切ってローファンタジーに投稿したものの、ランキングを見てビックリです。

 溢れるダンジョン、ゲーム、ⅤTuberの文字。

  

 あれ? もしや、ローファン枠は場違いだったかも……?

 ……もうなにがなんだかわかりません。完全にジャンル迷子のようです。

 しかし、もともと短編から中編の文字数を予定していたので、このまま突き進みます。

 途中でジャンルを変更していたら、察してくださいませm(__)m

 

 


 さてさて。

 ホラーの話がでたところで、季節ハズレの怖いおハナシなどを。

 とはいっても痛い系のお話です。







 大丈夫ですね?

 それでは。



 十数年前の話です。

 冬野は歯医者に行きました。

 左右の下顎の奥に疼くような違和感があったのです。


 レントゲンを撮った結果、左右とも歯茎の中に横になって親知らずが生えているとのこと。


 横? 縦じゃなくて横に生えるの?

 そんなこともあるのかと驚きです。


 歯医者さん曰く、太い神経や血管が通っている近くだから、万が一このまま虫歯になると、血管にバイ菌が入ってアブナイよ、と。今のうちに抜いておいたほうがいいよ、と。

 しかし。

 「うちでは抜けないな。紹介状書くから」 

 そう言われて、某医大の口腔外科へ行きました。

 そこで医大の先生に診察されて、「じゃあ、抜きましょう」となりました。


 手術台のように平行にされた歯医者さんの椅子に寝かされます。


 あれ? 歯を抜くときに普通はこんな風に横にはならないよね?


 看護師さん? 歯科助手さん? (不明なので看護師さんで統一)が冬野の顔に布をかけます。

 口の場所だけが丸く空いた布です。色は忘れました。


 ちょっと待て。

 これ、ドラマの手術シーンでよく見るアレだよね? 

 え? これ、もしかして手術?


 冬野の疑問と不安をよそに、先生は「はーい、麻酔するから口開けて」


 先生、これ、もしかして手術? 

 町の歯医者さんで出来ないって、そうゆうこと?

 心の準備が全然できてないんですがっ!?


 しかし、小心者の冬野はなにも言えずに口を開けてしまいました。

 きゅうと何本もの麻酔を歯茎に打たれます。

 麻酔のくせに注射が痛い。


 何分か待たされて麻酔が効いたのを確かめると、看護師さんが歯茎と頬の間に綿を詰めていきます。「じゃあ、はじめますね。太い神経の側だから多少痛いと思うけど。痛かったら手を挙げてね」と、先生。

 冬野は麻酔の効いている口で「ふあい」と間抜けな返事をしました。


 しかし。心の中は恐怖で震えています。


 なんで麻酔したのに痛いとか言うのでしょう?

 恐いんですけど。

 しかも顔にかけられた布のせいで、なにも見えなくて余計に怖い!


 「はい、大きく口を開けて」 

 もう、気分はまな板の上の鯉です。

 口を開けるしかありません。

 歯茎にメスのようなものが入った感触がありました。


 はい。

 ここからは痛いのが苦手な方はご注意ください。











 大丈夫ですか?

 いきますよ?



 冬野の下顎に衝撃が走りました。

 ハンマーで殴られたようなガーンだとか、ドーンだとか、そういった重い衝撃です。


 !!!???

 なに!!?? なにされてるの!!??


 それもそのはず。

 本当にハンマーだかトンカチみたいなもので、棒のようなものを歯茎の中の親知らずに当てて、歯を砕こうとしているのです。

 

 その衝撃もスゴイものでしたが、直後に襲った痛みが半端ない!!

 激痛を遥かに越えた激激激痛です!


 「んぐぐぅ~!!!!!」

 口を開けたままなので間抜けに唸ります。

 すかさず、手を挙げました。

 「うん。ちょっと我慢してね~」


 はっ!?

 さっき痛かったら手を挙げてって言ったじゃん!?


 その間も先生の手は止まらずに、ガンガンガンガン歯を砕こうとしています。

 冗談じゃ済まされない程の激激激痛が襲います。


 さっき麻酔したよね!? なんで!?

 こんなに、痛いのは産まれて初めてなんだけどっ!!!!!

 「うぐっ!!うぐ~っ!!!」

 耐えられません。本当に耐えられません!!


 あまりの痛みに、唸り声がもれます。

 黙って我慢なんて絶対にムリです!

 身体もじっとしていられません。

 自然と動いてしまい、痛みから逃れようとします。

 口も開けてなんかいられないっ!

 「はい! お願い!」

 先生が声をかけると、看護師さんが冬野の身体をがばっと固定しにかかりました。

 二人くらいでしょうか? なにしろ顔に布がかかっているので見えません。

 動かないように一人は頭を固定し、もう一人は足を押さえます。

 先生!? 痛かったら手を挙げてって、このためなの!? 


 「口閉じないで! 大きく開けて!」

 そんなこと言われたって!?

 しかし、冬野は律儀なのです。なるべく口を開けようと頑張りました。

 襲い来る激痛! 

 しかし、こうなった以上は、早く抜いてもらうしかこの痛みから逃れる術はないのです。

 ガンガンガンとトンカチの音が響く中、冬野の「うぐうぐ」という唸り声と、押さえつけられていてもなお、足や腕をばたばたと暴れさせる音がありました。


 悪夢。

 まさに悪夢としかいいようがない。


 どれくらいの時間が経ったことでしょう。

 ぐりぐりと歯茎の中をほじくられ、なにかを取り出される感覚がありました。

 「やっと抜けたよ」

 先生の声で一気に脱力です。

 


 この処置室には数台の処置台がありました。

 少し距離があるとはいえ、両隣の処置台とはカーテンで区切られているだけなのです。

 冬野の苦しむ声は、ほかの処置待ちの患者さんに丸聞こえでした。

 「起きて、口ゆすいでね」

 椅子を起こされて、脇にある銀色のコップで口をゆすぎます。

 麻酔が効いているので、閉じられない口の端から水がぷしゅっと飛び出しました。


 ああ、やっぱり麻酔はちゃんと効いていたんだ……。

 それであの激痛……。


 そんなことを考えてしばし放心状態でいると、隣の処置台のカーテンを少し開けて、こちらを覗いている娘さんに気が付きました。

 冬野より歳は下のようですが、可愛らしい顔にありありと不安の色を浮かべています。

 彼女にはこれから、あの地獄のような処置が行われるのかもしれません。おそらく。


 ああ、不安にさせてはいかん、いかん(いや、もう遅い)。

 

 冬野は目が合った彼女に、大丈夫だよ(なにがだ?)という意味合いを込めて、にこりと微笑みました。

 これぞ年上の配慮と思いやりです。

 そのとき冬野の手の甲に、なにかがぽたりと落ちました。

 隣の彼女はさっとカーテンの陰に引っ込んでしまいました。


 どうしたのかな? 

 

 なんて思いながらふと、冬野の手の見ると。

 真っ赤な雫が垂れておりました。

 

 ……。


 そうです。

 麻酔でマヒした唇から、たらーっと血が滴り落ちているのです。


 うん……。そりゃあ、怖いよね。

 口から血を流した女が自分に向かって笑いかけたら……。

 


 その後、先生に処置をしてもらい帰宅しました。

 この親知らず、あともう一本残っているのです(その時点でのことです)。



 じんじんと痛み、だんだんと腫れてくる頬。

 帰りには降り出していた雪が、道路に降り積もっておりました。


 天気予報は雪が降るなんて言ってなかったじゃん……。


 車はノーマルタイヤです。 

 くわえて冬野の運転は……。


 いや、帰り道が怖かった、怖かった。

 タイヤはツルツル滑るし。坂ではブレーキが効かないし。道路を走っている車は全車ノロノロ運転です。

 40分ほどの道のりを軽く3倍以上の時間をかけて帰りましたとさ。

 あーっ、ほんっっとに無事に帰れてよかった!




 ホラーといいながらも心霊系の話でなくてスミマセン。

 そっち系は金縛りと、怖くないのを見た、聞いたくらいしかないんですよね。

 金縛りはたぶん生理的な金縛りです。寝不足続きのときによくかかるので。

 見た、聞いたのは寝ぼけてたのかな?

 よくわかりません。


 でも、幽霊はいたらいいなと思っている派です。

 

 


 

 

 


 

歯医者さんって力がいりますよね。

先生はかなりの力を込めてトンカチ(?)で叩いてたし、ペンチで引っ張ってました。

大変だったと思います。冬野暴れるし( ;∀;)

その節はありがとうございましたm(__)m



現在ローファンタジーで『憑いてます』を連載しています。

よかったら読んでいただけると嬉しいです♪

https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n4375hw/

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― 新着の感想 ―
[良い点] ホラーが苦手なのですが、大丈夫でした! 私も抜歯ではなく、手術とも呼ばないのですが、 これどうみても手術だろ、って感じなことありましたので、 臨場感ありました。 [一言] 私は、親知らず、…
[一言]  私も抜いたけど、そこまで、大がかりではなかった。  糸を結んで、えいっ! って(それはさすがに嘘)
[一言]  しばらく前の話なのでしょうけど。  お疲れ様でした……。  それならもう全身麻酔でやっちゃってほしいですよね…。  ジャンル、迷いますよね。  迷いまくってその他にしたり。  でもそのジ…
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