ホラーだけどホラーじゃない。ほらね?
連載の投稿を始めました。
一応、ジャンルはローファンタジーです。
しかしジャンル設定はかなり迷いました。
当初はホラーで投稿しようと思っていたのですが……。
ホラー要素はあるのです。でも、ホラージャンルの定義って「怖がらせることを目的とした物語」となっていました。
……怖くはないのです。たぶん。じゃないな。確実に。
じゃあ、ヒューマンドラマって……要素はあるけど、微妙に違う気がする。
ちょっとグロい描写があって、ヒューマンドラマだと思って読んだら、なんじゃこりゃー!? と、お叱りを受ける気がします(ヒューマンドラマってなんとなくほのぼのとした作品のイメージがあるんです。実際はそうじゃないと思うのですが)。
やっぱりローファン? ローファンなのか?
ああっ!! わからないっ!!
新しいジャンルを創れるのならば、ローファンタジー枠ヒューマンドラマ系ホラー風味現実恋愛?
もう、なんじゃそりゃ。
描いてる冬野でも訳がわかりません。
そして……。
思い切ってローファンタジーに投稿したものの、ランキングを見てビックリです。
溢れるダンジョン、ゲーム、ⅤTuberの文字。
あれ? もしや、ローファン枠は場違いだったかも……?
……もうなにがなんだかわかりません。完全にジャンル迷子のようです。
しかし、もともと短編から中編の文字数を予定していたので、このまま突き進みます。
途中でジャンルを変更していたら、察してくださいませm(__)m
さてさて。
ホラーの話がでたところで、季節ハズレの怖いおハナシなどを。
とはいっても痛い系のお話です。
大丈夫ですね?
それでは。
十数年前の話です。
冬野は歯医者に行きました。
左右の下顎の奥に疼くような違和感があったのです。
レントゲンを撮った結果、左右とも歯茎の中に横になって親知らずが生えているとのこと。
横? 縦じゃなくて横に生えるの?
そんなこともあるのかと驚きです。
歯医者さん曰く、太い神経や血管が通っている近くだから、万が一このまま虫歯になると、血管にバイ菌が入ってアブナイよ、と。今のうちに抜いておいたほうがいいよ、と。
しかし。
「うちでは抜けないな。紹介状書くから」
そう言われて、某医大の口腔外科へ行きました。
そこで医大の先生に診察されて、「じゃあ、抜きましょう」となりました。
手術台のように平行にされた歯医者さんの椅子に寝かされます。
あれ? 歯を抜くときに普通はこんな風に横にはならないよね?
看護師さん? 歯科助手さん? (不明なので看護師さんで統一)が冬野の顔に布をかけます。
口の場所だけが丸く空いた布です。色は忘れました。
ちょっと待て。
これ、ドラマの手術シーンでよく見るアレだよね?
え? これ、もしかして手術?
冬野の疑問と不安をよそに、先生は「はーい、麻酔するから口開けて」
先生、これ、もしかして手術?
町の歯医者さんで出来ないって、そうゆうこと?
心の準備が全然できてないんですがっ!?
しかし、小心者の冬野はなにも言えずに口を開けてしまいました。
きゅうと何本もの麻酔を歯茎に打たれます。
麻酔のくせに注射が痛い。
何分か待たされて麻酔が効いたのを確かめると、看護師さんが歯茎と頬の間に綿を詰めていきます。「じゃあ、はじめますね。太い神経の側だから多少痛いと思うけど。痛かったら手を挙げてね」と、先生。
冬野は麻酔の効いている口で「ふあい」と間抜けな返事をしました。
しかし。心の中は恐怖で震えています。
なんで麻酔したのに痛いとか言うのでしょう?
恐いんですけど。
しかも顔にかけられた布のせいで、なにも見えなくて余計に怖い!
「はい、大きく口を開けて」
もう、気分はまな板の上の鯉です。
口を開けるしかありません。
歯茎にメスのようなものが入った感触がありました。
はい。
ここからは痛いのが苦手な方はご注意ください。
大丈夫ですか?
いきますよ?
冬野の下顎に衝撃が走りました。
ハンマーで殴られたようなガーンだとか、ドーンだとか、そういった重い衝撃です。
!!!???
なに!!?? なにされてるの!!??
それもそのはず。
本当にハンマーだかトンカチみたいなもので、棒のようなものを歯茎の中の親知らずに当てて、歯を砕こうとしているのです。
その衝撃もスゴイものでしたが、直後に襲った痛みが半端ない!!
激痛を遥かに越えた激激激痛です!
「んぐぐぅ~!!!!!」
口を開けたままなので間抜けに唸ります。
すかさず、手を挙げました。
「うん。ちょっと我慢してね~」
はっ!?
さっき痛かったら手を挙げてって言ったじゃん!?
その間も先生の手は止まらずに、ガンガンガンガン歯を砕こうとしています。
冗談じゃ済まされない程の激激激痛が襲います。
さっき麻酔したよね!? なんで!?
こんなに、痛いのは産まれて初めてなんだけどっ!!!!!
「うぐっ!!うぐ~っ!!!」
耐えられません。本当に耐えられません!!
あまりの痛みに、唸り声がもれます。
黙って我慢なんて絶対にムリです!
身体もじっとしていられません。
自然と動いてしまい、痛みから逃れようとします。
口も開けてなんかいられないっ!
「はい! お願い!」
先生が声をかけると、看護師さんが冬野の身体をがばっと固定しにかかりました。
二人くらいでしょうか? なにしろ顔に布がかかっているので見えません。
動かないように一人は頭を固定し、もう一人は足を押さえます。
先生!? 痛かったら手を挙げてって、このためなの!?
「口閉じないで! 大きく開けて!」
そんなこと言われたって!?
しかし、冬野は律儀なのです。なるべく口を開けようと頑張りました。
襲い来る激痛!
しかし、こうなった以上は、早く抜いてもらうしかこの痛みから逃れる術はないのです。
ガンガンガンとトンカチの音が響く中、冬野の「うぐうぐ」という唸り声と、押さえつけられていてもなお、足や腕をばたばたと暴れさせる音がありました。
悪夢。
まさに悪夢としかいいようがない。
どれくらいの時間が経ったことでしょう。
ぐりぐりと歯茎の中をほじくられ、なにかを取り出される感覚がありました。
「やっと抜けたよ」
先生の声で一気に脱力です。
この処置室には数台の処置台がありました。
少し距離があるとはいえ、両隣の処置台とはカーテンで区切られているだけなのです。
冬野の苦しむ声は、ほかの処置待ちの患者さんに丸聞こえでした。
「起きて、口ゆすいでね」
椅子を起こされて、脇にある銀色のコップで口をゆすぎます。
麻酔が効いているので、閉じられない口の端から水がぷしゅっと飛び出しました。
ああ、やっぱり麻酔はちゃんと効いていたんだ……。
それであの激痛……。
そんなことを考えてしばし放心状態でいると、隣の処置台のカーテンを少し開けて、こちらを覗いている娘さんに気が付きました。
冬野より歳は下のようですが、可愛らしい顔にありありと不安の色を浮かべています。
彼女にはこれから、あの地獄のような処置が行われるのかもしれません。おそらく。
ああ、不安にさせてはいかん、いかん(いや、もう遅い)。
冬野は目が合った彼女に、大丈夫だよ(なにがだ?)という意味合いを込めて、にこりと微笑みました。
これぞ年上の配慮と思いやりです。
そのとき冬野の手の甲に、なにかがぽたりと落ちました。
隣の彼女はさっとカーテンの陰に引っ込んでしまいました。
どうしたのかな?
なんて思いながらふと、冬野の手の見ると。
真っ赤な雫が垂れておりました。
……。
そうです。
麻酔でマヒした唇から、たらーっと血が滴り落ちているのです。
うん……。そりゃあ、怖いよね。
口から血を流した女が自分に向かって笑いかけたら……。
その後、先生に処置をしてもらい帰宅しました。
この親知らず、あともう一本残っているのです(その時点でのことです)。
じんじんと痛み、だんだんと腫れてくる頬。
帰りには降り出していた雪が、道路に降り積もっておりました。
天気予報は雪が降るなんて言ってなかったじゃん……。
車はノーマルタイヤです。
くわえて冬野の運転は……。
いや、帰り道が怖かった、怖かった。
タイヤはツルツル滑るし。坂ではブレーキが効かないし。道路を走っている車は全車ノロノロ運転です。
40分ほどの道のりを軽く3倍以上の時間をかけて帰りましたとさ。
あーっ、ほんっっとに無事に帰れてよかった!
ホラーといいながらも心霊系の話でなくてスミマセン。
そっち系は金縛りと、怖くないのを見た、聞いたくらいしかないんですよね。
金縛りはたぶん生理的な金縛りです。寝不足続きのときによくかかるので。
見た、聞いたのは寝ぼけてたのかな?
よくわかりません。
でも、幽霊はいたらいいなと思っている派です。
歯医者さんって力がいりますよね。
先生はかなりの力を込めてトンカチ(?)で叩いてたし、ペンチで引っ張ってました。
大変だったと思います。冬野暴れるし( ;∀;)
その節はありがとうございましたm(__)m
現在ローファンタジーで『憑いてます』を連載しています。
よかったら読んでいただけると嬉しいです♪
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