特技はなんですか?
履歴書を記入するときに、困ることがあります。
「趣味・特技」
この欄。
趣味は迷うことなく「読書」と書けますが、特技?
特技。
特技……。
特技ねぇ……。
ペンを持つ手が止まります。
なにを書いたらいいのか分からない。というか、書けることがない。
初めて履歴書を書いたのは高校生のとき。
アルバイトに応募するためでした。
特技欄には、なんと書いたのか、なにも書かなかったのか。
それは忘れてしまいましたが、ずっとペンを握ったまま悩んでいたことは憶えています。
「ピアノ」と書けたら、なんかステキ。
だけど冬野は弾けません。
「スポーツ」
運動神経は存在していません。
「料理」
レシピに大さじ何杯、小さじ何杯と記入があっても、だいたい目分量。
人様に振る舞うことなどは、やめておいた方が無難でしょう。
のんべんだらりと日々を過ごしてきた冬野には、「私はこれが得意です!」と、堂々と胸を張って言えるものはないのです。
履歴書を書くときには本当に困ります。
皆さまは、どんな特技を記入しているのでしょう?
今さらながらに「特技」を検索してみました。
「特技」とはスキル(能力、技能)とのこと。
冬野の能力、技能。
やっぱり思い浮かばない。
「特技」の探し方も検索してみました。
すると「掃除」、「洗濯」、「早起き」などの日常生活系でも「特技」としていいみたいです。
なるほど。
それならなんとか書けるかも。
冬野は眠くなると、どれだけテレビの音量が大きかろうが、煌々と明かりが灯っていようが、爆睡することができます。
何度、寝落ちしたことか。
地球の環境にも、家計にも優しくありません。
ごめんなさい。
でも、これは特技なんじゃ?
特技 : 眠くなると、どんな状況でも眠れます。
うん。
書ける。
書けるけど……。
あんまり書きたくないな。
っていうか、眠くなったら皆、そうかも?
あとは、資格から遡って考える。
運転免許は持っています。
ゴールド免許です。
交通ルールやマナーを遵守していますから!
と、言いたいところですが。
ここ数年はペーパードライバーなので、当然の結果です。
それに運転は苦手。
初めて走る道路は怖い。
三叉路、五叉路などは、どこの信号を見たらいいのかが分からない。
自分の車が信号待ちの先頭にならないことを祈るのみ。びくびくしながら運転します。
高速道路は高速教習のトラウマがあるので、走りたくはありません。
いや、こんなんでよく免許とれたな!
本当にそう思います。
車のハンドルは握らない方が世のため、人のため、自分のためです。
ほかの資格はといえば……。
あれ? これ、履歴書に書けるんだっけ? という程度。
学生時代には、文学少女を拗らせました。
拗らせた末に、サブカルや映画に傾倒し、「世の中のマジョリティとは違うの」的な、黒い歴史を積み上げました。
そんな黒い沼に嵌まっている場合ではなかったのに!
(まあ、それはそれで後に役には立ちました。たぶん)
勉強して、資格をとればよかった(切実)。
なにしろ、持っていたらいつか役に立つじゃん! という資格取得のチャンスを、「土曜日に学校に行くのダルい。いつかなら、役に立たないかもしれないし~」という理由で棒に振ったおバカです。
立つんだよ! その資格を持っていたら、役に立ったんだよぉ!
当時はまったく解っていませんでしたが、今ではそのチャンスや、勉強をすることができる時間の貴重さがよく解ります。
学校の理科実験室に忍び込んだら、ラベンダーの香りでもしないでしょうか?
タイムリープして戻りたい!
タイムマシンにお願いして、当時の冬野の甘えた頭を張り倒してやりたい!
でも、後悔先に立たず。
おバカな過去を悔やんでいても仕方がありません。
興味のあることを探して、資格を取ることができれば最善です。
特技の欄も埋まることでしょう。
しかし、時間、体力、頭脳、金銭的に……無理難題。
特に頭脳。
新しいことを憶えられる気がまったくしません。
それでもいつか自分なりに、なにかを極めて「これが特技です」と、胸を張って言えるようになりたいな。
特技。
特技。
特技とあまりに考えすぎて、特技のゲシュタルト崩壊を起こしそうです。
皆さんの特技はなんですか?
連載物を書き溜めていると、無性にほかのものが書きたくなります。
エッセイや短編の方が筆が進む……。
困ったものです(*ノωノ)