第六話 冒険はまだ始まらない。
この作品をお選びいただきありがとうございます。
今回は村の外へ出ます。
いったいどんな旅路になるのでしょうか。
「お兄ちゃ〜ん。これいつまで続けるの〜?」
後ろから妹の声が聞こえてくる。
「疲れてなら休んでていいぞ。」
妹に一声だけかけて自分は黙々と作業を続ける。
…薬草採取を。
「それにしてもこの辺薬草や毒に効く植物が凄いあるのに誰も採取しないのな。」
「皆、薬草などはお店で購入しちゃいますから、それに薬草系の見分けをつけるの難しいから。」
「そうなんだ。」
「そういうお兄ちゃんは種類分かるの?」
「まあ植物図鑑を見ながら採取をしてるからな。」
「あ、さっきお兄ちゃんの買ってたやつ。」
「これ凄い使えるのよ。」
「そうなんだ。私にも後で読ませて〜。ひゃっ。」
妹の声に振り返る。
「どうした!?」
「気にしないでちょっとスライムが出てきただけだから。今から倒しちゃうから。」
目の前に大きめスライム2匹小さめスライム2匹の合計4匹のスライムがいた。
「待て。」
スライム達を見る。
「やめてやれ、スライム達に敵意は無いよ。」
「分かるの?」
「何となくな。」
「でも魔獣は倒さないと。」
「おかしいだろ。敵意が無いのに攻撃して良い理由があるはずが無い。」
よく見ると小さいスライムの一匹が怪我をしている様だった。
そのスライムを抱え上げる。
大きいスライム達が子を守りたいがために足に攻撃してくる。
「お兄ちゃん攻撃されてるよ。」
「そりゃ子供を守りたい親なら命を賭して攻撃してくるだろ。」
大きいスライムに優しい顔を向ける。
「待ってね。この子に薬草を塗って布で傷を覆ってあげてっと。」
適切に処置して下ろしてあげる。
親スライムが子スライムを心配し近寄る。
「良かったね。お兄ちゃん。」
「おう…。さて、これ以上スライム達の邪魔するのもあれだしそろそろ行くか。」
去ろうとしたら子スライムが跳ね寄ってきた。
鈴音と一匹ずつ撫でてあげる。
「どうだ鈴音?こう触れ合っていると魔獣も可愛いもんだろ?」
「うん。私も少し考えを改めることにするよ。」
その日二人は一日中スライムと触れ合っていた。
結局その日は村に戻ることになる。
この作品をお読みいただきありがとうございました。投稿遅れて申し訳ございません。
出来れば一定ペースを続けられるようにしたいと思います。
補足モンスター図鑑
子スライム 無害 サイズ手のひらに乗るくらい
親スライム 無害 両手で持ち上げるくらい。