第五話 妹と店と冒険準備
この作品をお選びいただきありがとうございます。
今回は旅の準備編です。
旅をするなら準備が必要ですよねそんな中の雑談会ですぜひ読んでいただけるとありがたいです。
妹とのとんでもないやり取りをした数十分後響は店屋を訪れていた。
「すいませ〜ん。」
「いらっしゃいませ。」
女性の店番が笑顔で対応する。
「あら、リリナちゃんじゃないこんにちは。」
「えへへ、どもです。」
二人は顔馴染みらしい生まれの村だから当然か。
女性がこちらの顔を見る。
「もしかしてこの人が…?」
「そう、私にとってかっこいいお兄ちゃん。」
自分は人が嘘を言っているかどうか何となく分かるが妹のこの顔は心の底から言っている、だからこそ逆に恥ずかしい。
「やめてリリナ、本当に恥ずかしいから。」
「んふふ〜、お兄ちゃんのかっこよさは色んな人に知ってもらうべき何です。」
「お兄さんの話はリリナさんから聞いてますよ。そんなにかっこいいなら私狙っちゃおうかな?」
これは冗談を言っていることが流石に分かるしかし、妹はそうではないらしい。
「ダメです!!お兄ちゃんは渡せませんお兄ちゃんは私の何です。」
妹は俺の右腕にしがみつき女性に向かって頬を膨らませる。
「いつからお前のになった。」
コツンと妹のおでこにチョップする。
「ひゃうっ。」
「うふふ、本当に仲が良いのですね。」
「ええ、大事な妹ですので…。」
顔を左にそらす。
「お兄ちゃん照れてる?」
図星ではあるが恥ずかしいので咳払いで誤魔化す。
「んんっ。ところで買い物したいんですが。」
「ああ、すっかり話し込んでしまいましたね何をお求めでしょうか。」
そこで動植物図鑑や野営セットを買う。
買い終わってから妹ふと思ったことを聞くことにした。
「そういえばリリナは冒険に出る予定あるんだよなちゃんと準備してるか?」
「うーん用意しようと思ったけどお兄ちゃんが買っちゃったから一緒にすれば良いしな〜。」
あれまたとんでもないこと聞こえたぞ?
「リリナ一緒に来る気なの?」
「駄目なの?」
「旅は危ないし、守りきる自信ないぞ。」
「私だって優秀な魔法使いなんだから自分の身は自分で守れるもん。それに…」
「それに?」
「お兄ちゃんと一緒に行けないと勇者のパーティに入らないと行けなくなる。」
「ええ〜あの勇者ですか。それは最悪ですね。」
再び女性が会話に参加する。
「そうなんですか?」
「さっきお兄ちゃんが止めてくれた人違いだよ。」
「そういや勇者って言ってたか。」
「あの人、名をヴィークスというんですけどね勇者の家系何ですよ。さらに夢で天啓を聞いたって言ってましてね自分には勇者としての才があるって好き勝手し始めたんですよ。」
「ああ、だからあんな剣の扱い方だったのか…。」
「戦ったんですか?」
女性の質問に何故か妹が興奮気味に答える。
「そうなんですよ!!かっこよかったんですよお兄ちゃん。無理やり連れてかれそうになった私をお兄ちゃんが庇ってくれて斬りかかってきたヴィークスを簡単に転ばせちゃったんですよ!!」
「へえ〜確かにそれはかっこいいですね。」
会話がそれていくので戻すことにする。
「ところで、俺が断ったら勇者のパーティに入らないと行けないって言うのは?」
「村の決まりなの、女性一人の旅は行けない女性だけなら三人もしくは男性が一人はいること。」
「まあ妥当な所だけど…他に冒険者いないの?」
「うん、今年は運が悪いことに勇者以外冒険出る気が無いみたいなの。しかも、誘いも何もする事が無いなら断れないの。」
「う〜ん確かにあんなやつの所に置いとくのも危ないしな…」
さらに女性が重要な情報を伝えてくれる。
「勇者パーティ何ていってますけど要は自分の下心満たしたいだけのハーレム作る気ですからねあいつ。」
「どうしてそう思うんですか?」
「あいつ女性にしか声をかけないんですよ。そんな危ないやつの所に大事な妹ちゃん送れますか?」
「…そうですね。じゃあリリナ一緒に行くか。」
「うん。ありがとうお兄ちゃん。」
色々決まったので店を出て旅立つことにする。
「たくさんの情報ありがとうございました。」
女性は笑顔で返事をする。
「こちらこそリリナちゃんを助けてくれてありがとうございました。お二人の良い旅路を期待しております。」
そして、今日兄妹の旅が始まる。
お読みいただきありがとうございました。
いや勇者の株がどんどん下がるし妹のブラコン係数高いしそんなはちゃめちゃな会でしたね。
次回からようやく冒険です二人はいったいどんな旅をするのでしょうか。