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50.ニンヘルダンジョン①

攻略時間を30分から2時間に変更しました。

 聞いていた通りダンジョンの入口は狭く中腰でやっと入れるほどだ。横幅も狭く鎧の装飾が派手過ぎると入れない可能性がある。幸いとは言えないけど帝国騎士の鎧はシンプルで、問題なく入れている。


 中へ入るとこれまた聞いていた通りの荒野だ。荒れた土地で地面はごつごつとしていて、遠目には砂埃が舞っているのが見える。そして建物らしいものは見当たらずただただ広い。


 先に入っていた人たちは既にパーティーごとで集まっている。帝国側は見た感じ五人一組で動く様だ。

 サフィとノワールも順に入り、荒野を見て驚いている。ノワールなんかは、ほぇ~と気の抜けた感想を漏らしている。


「俺たちも遅れずに攻略へと動きますか」

「妾が空から見てこようか?」

「うーん…どんな魔物がいるか分からないし、荒野に慣れる意味も含めて取り敢えずはなしでいいかな。下へ続く階段が全く見つからない時はお願いするよ」


 砂埃は舞っているものの視界は結構クリアに見える。そのため魔物の発見はしやすく、次階層への階段はどのダンジョンでも四角い建物の中にある。洞窟階層は少し異なるが、同じ造りをしているので荒野や草原みたいな何もない場所では見つけやすい。何たってほとんど階段があるだけなのに見た目丈夫そうなな建物だから、そんな物が荒野のど真ん中にポツンとあれば嫌でも目立つ。


「ならばノワールに乗って行くのか?」

「あぁそのつもりだ。ノワールには負担をかけるが頼むな」

「ふふん、任せてっ!」


 元気を注入した―――させられたおかげもあっていつも以上に体調は良さそうだ。このダンジョンが例外でなければ10階層までは1階層と同じ荒野が続くため、ノワールには頑張ってもらうことになる。


 エーガは真ん中、キースは左側から攻略を開始したみたいだ。獣人の勘か直感でそう決めたのかは分からないが、どうせなら俺たちは右側から行こうと思う。1階層を全部マッピングつるつもりはないけど、せっかくバラバラに別れているのでこのダンジョンの特徴を調べる意味も含めてそう決めた。


「荒野だけど罠の類いがあるかもしれないし、地中から魔物が襲ってくるかもしれないからいつもよりゆっくり目で行こうか」

「はぁ~い!もうスキルは解いてもいい?」

「あぁいいぞ。隠したい気持ちもあるけど、荒野だからすぐにばれると思うしな」


 ノワールの本当の姿を見れば俺たちが有利なのは一目で分かってしまう。今までのことを(かえり)みると、何かしらの妨害をしてくる可能性が高い。ダンジョン内では故意に襲うことは禁止されているけど、証拠がなければ言い逃れはいくらでも可能性だ。極力隠したい気持ちはあるから、最後まで入口付近に残っていた。

 いつもの光が目に飛び込んできて収まると黒狼が現れる。


『右から行けばいいんだよね?』

「そうだ。いつもの如く俺とサフィは周囲の警戒な。特に後方にも注意を向けてくれ」

「ふむ、承知した」


 ノワールへと乗り俺は紙とペンを取り出す。勿論警戒もするけど同時にマッピングも行う。目印になるものがほとんどないため書き込めることは少ないけど、出現する魔物や宝箱なんかの情報を書き込んでいくつもりだ。






 体感2時間くらいは過ぎただろうか、意気込んで攻略を開始したものの1階層ってこともあってか未だ罠や魔物とは遭遇していない。ついでに他の攻略者にも会っていない。

 と思っていたら前方に宝箱を発見!荒野の真ん中に堂々と置かれていてそれが偽物や罠とかでない限り、この道はまだ誰も通っていないことになる。


「距離を開けて止まってくれ」

『わかった!』


 約5mの間隔をとり宝箱の側面へとまわる。俺に罠解除のスキルはないため長槍を持ち、まずは一度突く。ミミックと呼ばれる宝箱に擬態した魔物かと警戒したけど違ったようだ。長槍を使い蓋をあけるが、矢がとんできたり、毒ガスが噴射されることはなく罠の類い無かった。中を覗き込むと拳大の丸くて黒い宝石があった。宝石類には詳しくないためどれ程の価値があるかは不明だけど、いいものが見つかった。これが偽物でない限り宝石には一定の価値があるため売ればお金にはなるからな。


「…これはオニキスかの?」

『わぁ~綺麗だね!私と同じで真っ黒だよ!』


 二人も中を覗くがサフィは考える素振りを見せた後、心当たりがあったみたいでこの宝石はオニキスという名前らしい。ノワールは目を輝かせていつ――――もしかして宝石に興味があるのかな?

 稀に宝箱に宝石で装飾された物もありその場合は宝箱自体にも価値がうまれるけど、今回のはどうみても木の宝箱だ。でも何かの役に立つかもしれないからアイテムボックスの中にしまっておく。


「罠のない宝箱が置き捨てられていったってことはまだここは誰も通っていないみたいだな」

「そうじゃな。もしかしたらここを進んでも階段が見つからないはずれか、このまま行けば見つかって妾たちが2階層に一番乗りする当たりかのどちらかじゃな」

「ゆっくり進んだけど歩きの人に負ける程遅くはなかったから、私たちが一番だよ!」


 どちらも正しそうに思えるから一先ずはここのまま進むことにしよう。再びノワールに乗って走り出すも全然建物が見えてこない。この階層は相当広いのか階段のある方向とは真逆に進んでいるのか―――地図がないと不安になってくる。コンパスを使いながらマッピングもしているけど、果たしてこの地図?はどこまで信用していいのやら。自分で書いているけど自信がない。


「どうやら妾たちは正解の道を進んでいたようじゃ。多分あれが階段ではないか?」

「ん?薄っすらと建物みたいなのは見えるけど、まだ判断がつかんな」

『私も見えてきたよっ!』


 俺の視力は悪くないから相当二人は視力がいいのだろう。あれが何にせよ行ってみればわかることだ。




「…本当に俺たちが一番乗りかもしれないな」


 サフィの言う通りこの建物の中には下の階層に続く階段が見つかった。まだ1階層なので当然ながら転移ポイントはなかった。先を急ぐ攻略なのでこのまま2階層へと踏み入れる。

果たしてどんなダンジョンで何階層まであるのかは作者にも分かりません……

大雑把な構成は考えていますが、思い通りに進んでくれることを願うばかりです。

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