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49.いざダンジョンへ

ダンジョンへ入る予定でしたが次回に持ち越しとなりました…。

 ノワールの機嫌が戻り当初予定していた準備運動をすることにした。ただしテントの外に出てまた面倒なことに巻き込まれるのは御免被るのでテント内で行う。広くはなく真剣を振るうのは危ないため、木剣を使い素振りなどをして体を温めた。


 サフィはアイテムボックスから取り出したソファに座って優雅に紅茶を飲んでいる。メイド服でなかったらどこかの貴婦人に見える。


 一方ノワールは散々愚痴を溢し、お腹が満たされたのか横になって寝ている。愚痴り疲れたのかも知れないので大人しく寝させておく。起きた頃には元気なノワールに戻っていることを願う。


 各々が別々のことをしていると外からマーサさんの声が聞こえた。どうやら攻略時間が近づいた様で、マーサさんにすぐに出ると伝える。サフィは残っていた紅茶を飲み干し、俺は汗を拭い寝ているノワールを起こす。


「おはようノワール。これからダンジョン攻略だが問題ないな?」

「うん!寝てスッキリしたっ!」


 寝たおかげで気持ちがいい方向に切り替わりホッとした。ダンジョン制覇にはノワールの力も必要で、機嫌が悪かろうが強引にでも外に連れ出す所だった。


「外でマーサが待っている故早く行くぞ」

「俺はテント内の物を片付けるから、サフィは外でマーサさんと待っていてくれ」

「うむ、承知した。ノワールは寝癖を直してから来るのだぞ」

「はぁ~い」


 手早く布団やソファ、カップなどをアイテムボックスに片付ける傍らに、ノワールのために櫛と水を用意しておく。1分もかからず終わり、ノワールも直ったみたいだ。


「それじゃあ行こうか」

「その前に元気を注入してほしいな~?」

「???」


 見た感じ元気に見てるけど、多分そういう意味でないことは分かるけど分からん。


「もぉ~いつも鈍いんだから!早くしないと怪しまれるよ」

「そうは言ってもな…」

「はぁ…仕方ない。本当はご主人様からして欲しかったけど、時間がないからそこ動かないでね」

「一体何を――っん!?」


 不意打ち気味に唇を奪われた。元気注入ってそういうこと!?触れるだけのそれは何度しても顔が火照る。する時は事前に言ってくれないと心の準備ができないよ。


「ふふふ、今度はご主人様からしてね!」

「あぁ…」


 そそくさとノワールは外に行ってしまい、慌てて後を追う。ノワールは平気そうな顔をしているけど、俺はまだ赤いままだろうと思う。


「主よ顔が赤いが大丈夫か?」

「だ、大丈夫だ」

「ふぅーん」


 やっぱりすぐに平常心に戻ることは出来ずサフィに勘ぐられてしまった。空返事をした俺でなくノワールに視線を移す。ノワールは言い逃れできないと思ったのか、舌を出して(おど)けた仕草をしているけどそれはほぼほぼ白状しているのと同じだ。現にサフィはムッとしている。


「あのー時間が迫ってますのでそろそろよろしいですか?」

「すみません」

『今夜にでもじっくり聞かせてもらうぞ』

『…お手柔らかにお願いします』


 マーサさんに声をかけられ目的を思い出す。サフィも時間がないことを理解しているためか今は見逃してくれたけど、あとで埋め合わせをしないとな。

 彼女の後に着いていくとニンヘルダンジョン前の入口に両国が一列に並んでいる。人数を見る限り俺たちが最後の様で申し訳ない気持ちになり、やや駆け足で王国側の方に並ぶ。マーサさんは両国の間を進み入口前の手前で反転をした。


「全員揃いましたので、ダンジョン攻略における最終確認を致します。ダンジョン制覇の証である魔石を手に入れた側がニンヘルダンジョンの所有権が得られます。そして現在並ばれているこのメンバーがダンジョン攻略に選ばれた方々となります。制覇されるまで交代や追加のメンバーがダンジョンへ入ることは禁止されます」


 ちょうど最後尾の方に並んでいるため帝国側のメンバーを見ることができる。こちらは13人だけど、どうやら帝国は定員である15名いるみたいで恐らく恰好からして全員騎士だろう。入口の方、つまり先頭にはあのいけ好かない公爵家の男がいた。


 他に気になる点は、全員が男であることと、糞野郎(ブルラリオ)の隣にいる騎士の足元には狼がいい子にお座りをしている。ノワールに比べて小さく、精々腰くらいまでの体長だろう。黒ではなく緑色の毛で、ダンジョン内でも見たことのある”フォレストウルフ”だと思う。名前の通り森に暮らしている狼で、低級ダンジョンの上層あたりでも見かけるためお世辞にも強い魔物とは言えない。しかし狭い入口を思えばちょうどいいサイズの魔物だろう。


「ダンジョン内での怪我及び生死については両国は一切責任を負いません。但し故意に襲うようなことは禁止され、もしそれが発覚した場合は行った側の攻略が以後禁止となります。ダンジョンについての情報は好きなようにして構いませんが、脅迫・恐喝など非人道的に他者から得ることは禁止です。これも発覚次第同様の処分が下されます」


 つまりは正々堂々行おうってことだな。


「ダンジョン内で入手した魔石やマジックアイテムなどは両国が調べさせて頂きます。特にマジックアイテムは入念に調べ、危険と判断された場合は処分することになります。ダンジョンから帰還する度に入口に立っている者が確認を行いますので、誤魔化しの無い様にお願い致します。不正が発覚次第それ相応の処罰が科されます。また制覇の証である魔石は手に入れた側の国が強制買取となります」


 事前に聞いていた内容なので今更どうこう言うこともない。


「以上が両国で取り決められたルールとなります。何かご質問はございますか?――――ないようですので、これより攻略を開始致します!まずはダンジョンを発見した王国側から一人がダンジョンへと入り、その後は両国が交互に一人ずつ入ります」


 ついに攻略が始まった。どうやら先頭から順に入るみたいで俺たちは最後の方だが、まぁ誤差みたいなものだ。俺だけ先に入ってもサフィとノワールが来るまで待つことになるのだからな。

 ルミアにスキルを使って、行ってくると言いダンジョンへと足を踏み入れる。

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