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46.攻略の再確認

投稿が遅れて申し訳ないです。

 マーサさんに案内された部屋は3階にある普段は使われてない部屋だった。国境のため他国から、または他国へ行く際にお偉いさんが立ち寄ることがあるそうだが、その際はもっと質のいい部屋に通されるそうだ。ここは従者や護衛騎士が泊まるために用意されている部屋を俺たちが今回使わせてもらえる。男女別で泊まれる部屋数はあるみたいだけど俺たちには関係なく、マーサさんの視線は気にしない。俺も慣れたもんだよ。


 昼過ぎに国境へ着き、先程軽食を摘まんだためお腹は空いていない。初日の夕食は全員で取ることとなり、時間になったらマーサさんが呼びにくるそうだ。


「もっと質素な部屋かと思ったけど、普通の宿屋並みのグレードはあるな」

「そうじゃな。攻略が開始されるまで英気を養うかの」

「話では仮説テントで寝泊まりじゃなかった?」

「ここからダンジョンまでは少し離れているからな」


 ここへ来る途中に見た国境を隔たる壁は、ここから馬車で一時間程行った所で壊れている。ダンジョンは国境を跨いで出現したため、当然その境になる壁は邪魔となり押し退ける様な形で入口が出来たため壁は壊されたのだ。毎日警備隊の人が異変がないかの確認のため一定の場所まで馬で行き来をしているらしく、その時に壁が壊されているのが見つかり、調べてみればダンジョンだったという経緯だ。

 馬車で一時間くらいかかる場所をわざわざ寝泊まりのために移動するのは効率が悪い。それに馬の数も限りがあり、俺たち冒険者がいつ帰還するかも不明でずっと誰かを待機させておくのもできないため、攻略が始まったらダンジョン付近で仮設テントを設置するのだ。


「ダンジョン攻略まで特にこれといってやることはないから、ゆっくり休もうか」

「それもそうじゃな」

「ご主人様とのひと時だね!」


 ノワールのそれは少し違う気もするけどな。夕食まで仮眠しようかとも思ったけど眠気がなかったので、のんびりとした時間を過ごした。

 夕食に呼ばれてみんなで食事を取っている時に隊長から依頼を頼まれた。何でも隊員達のために特別メニューの訓練をしたいから、警備隊の仕事をしてほしいと言われた。俺には従魔の二人を一時借りたいとも言われた。どんなことをさせるのか聞いてみたら、隊員達が少し不憫に思えてならない。同席している副隊長のカールさんは頬を引き攣らせている。俺に否はなく、二人も承諾したため依頼を引き受けることにした。”獣の魂(ビーストソウル)”と”永遠の旅(エターナルジャーニー)”の二組も受けることにしたらしく明日の予定が決まった。その後は特にこれといったことはなくその日は過ぎた。


 翌日は朝早くから起きて壁の見回りを二手に別れて行うこととなった。サフィとノワールには何かあればスキルで連絡する様に伝えておいた。あとやり過ぎないようにも注意しておいた。


 見回りを終えて帰ってきたら二人を見る隊員達の瞳には畏怖や恐怖といった感情が見受けられ、中には逃げ出す人もいた。どうやら忠告は無駄になったらしくトラウマを植付けてしまったみたいだ。


 警備隊の手伝いはその日だけだったので、残りの日は冒険者同士で意見交流や、模擬戦などをして有意義な時間を過ごすことが出来た。

 そしてダンジョン攻略の前日に隊長からの呼び出しがあり、初日に訪れた部屋行くと他のパーティーは既にいたため、俺たちが最後のようだった。空いているソファに座ると同時に隊長が口を開いた。


「全員集まったな。呼び出しのはついに明日ダンジョン攻略が始まるからだ。もう一度確認を含めて説明をする。俺達王国は帝国よりも先に制覇をすることが求められている。ダンジョン攻略に必要な最低限の物資はこちらで負担するが、しっかりと記録は取るから申請がなかったものや、こちらで負担できないものは冒険者側の負担になるからその点は頭に入れといてくれ」


 最低限の物資には携帯食料や松明などが含まれる。既に買い揃えているが足りなかったりした場合に申請すれば警備隊の予備がもらえる。もし予備がなければタドリングで調達もしてくれるが、時間が少しかかってしまうとのこと。物資の管理はマーサさんが行ってくれるそうだ。


「帝国側の人とは極力揉め事は控えて欲しい。もし相手がちょっかいや妨害などをしてきたらすぐに言ってくれ。それからダンジョン内では何があるか分からないが、怪我や生死については冒険者側の自己責任となるからそのつもりで。別に怪我人を見捨てるって意味じゃないからな」


 冒険者が依頼を受けて怪我をしたり最悪死ぬことになった場合、大抵の場合自己責任となる。一部依頼内容に不備があった場合などはその限りではなくなるけど、死んでしまったらどうにもならない。ダンジョン内では死角も増えるため帝国側の妨害を受けるかもしれないが、それに関しても俺たちでどうにかしないといけない。特にエーガたちは獣人のため色々と言われる可能性がある。


「ダンジョン付近には仮設テントを置き、警備隊の連中を待機させておくからいつでも帰還してもらって大丈夫だ。もし仮設テントが気に喰わないと言ってもすぐにこの場所までは戻れないからそのつもりで。誰かがダンジョン制覇の証である魔石を持ち帰り、その確認が取れた時点で依頼達成と見なされる」


 仮設テントは事前に聞いていたことなのでこれも問題ない。俺にはアイテムボックスがあるから、転移ポイントを見つけるまでは帰還しない予定ではいる。あくまで予定なのでダンジョンの構造や魔物次第では帰還するかもしれない。その時にすぐに休める場所が用意されているのは助かる。


「最後にダンジョン制覇の証である魔石は国が買取決まりとなっている。値段については魔石の大きさによって変わるから具体的にいくらってのは分からない。だがなるべくいい値で買取ってくれるとは思う。それと念のためダンジョン内で入手したマジックアイテムなどはこちらで確認をさせてもらう。危険な物や知らずに呪いのアイテムなんかを持ち込まれてもかなわないからな。魔石と一緒にいらないってならその場で買取こともできるからそん時は言ってくれ」


 ダンジョン制覇の証である魔石についてはエミリーさんから言われていたけど、マジックアイテムの確認をされるとは思ってもいなかった。マジックアイテムとはエーガが持っている魔剣やアイテムバック何かがあげられる。それ一つだけで一財産となるものから安物まで、ピンキリのマジックアイテムが存在する。いい物が見つかれば自分たちで使いたいから強制買取じゃなくてよかった。


「何か質問はあるか?……ないようだな。マーサはほとんどダンジョンに付きっ切りだからもし気になることがあればその都度聞いてくれ。それじゃあお前さん方のいい知らせと無事の帰還を待っている」


 特に質問が出てくることはなく明日の集合時間と場所を聞いて各自それまでは自由となった。部屋へと戻りアイテムボックス内の確認や武器の手入れなどを行い、ルミアに連絡を入れた。彼女は王都と同じ様に受付嬢をやっているそうだ。ルミアからも激励をもらいその日は早目に眠りについた。

次回ダンジョン攻略!

の前に帝国騎士達が出てきます。

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