24.ボックタダンジョン③
クリスマスはいかがお過ごしでしょうか?このご時世楽しく過ごせているかはわかりませんが、体調や雪にはお気をつけ下さい。
王都を発ち約1日…ようやく睡眠がとれる。
『セーフティエリアが見つかったはいいけど、もしかしてもう朝なのか?』
セーフティエリアには数組のパーティーがおり皆装備を整え攻略に出かける準備をしている。基本的にはダンジョン内でも外と同じような生活リズムをとる人が多い。リズムが崩れると疲労や思考力低下などに繋がり、それが命の危機に直結しかねないからだ。つまり彼らの様子を見る限り時刻は朝方だと推測できる。
『逆に誰もいないのは気が休まるか』
『そうじゃな。妾たちには助かるの…』
『お腹空いた…』
冒険者が出ていったのを確認してから食事の準備をする。誰もいなくなった途端二人は擬人化を使い準備を手伝ってくれた。
「やはり食事はこっちの方が食べやすいの」
「うんうん!」
アイテムボックスには軽くつまめる物、スープや麺類など豊富な種類を買い揃えている。それに人が食べる前提と売っている物を買っているため魔物の姿だと食べづらいものがある。特に汁物は舌でペロペロするか、器用に器を持てないため少しずつ食べさしてあげる必要があり、それが彼女たちにはご不満だったらしい。【覚醒】したことによってその不満が解消され、食事する際は極力人の姿で食べるようになった。
「二人はいっぱい食べるか?」
「いつもくらいじゃ」
「はいはい!私は大盛のデザート付きで!!」
「妾も甘味を所望するぞ」
「お、おう」
さっきまで疲れていたのが嘘の様に元気だな。ノワールよそれは些か食べ過ぎではないか……甘い物は別腹?もしかして魔物と人の姿では胃袋の大きさは違うのだろうか…。
この先も頑張ってもらう必要があるから要望通りにだしてあげることにした。
三人で輪になりながら団欒として食事を終えたら睡眠だ。テントを準備して交代で休むことになる。
「今回はノワールにも見張りをお願いする。今回は3時間計れる砂時計を用意したからサフィ、俺、ノワールの順に見張りをしてもらう」
「主が真ん中でよいのか?」
「二人に比べたら攻略の負担が少ないからな」
「ならば有り難く休ませてもらうとするぞ」
最初はサフィにお願いするので俺とノワールはその間テントで寝ることになる。ノワールは食べたあと眠くなることがあり少し心配のため、前回経験しているししっかり者ののサフィなら安心だ。
「くっついて寝ると交代する時に起きるはめになるぞ。寝不足のせいで怪我したなんて洒落にならないから、悪いけどそういうのはおあずけだ」
「…うん。ならこれで我慢するっ」
不意打ち気味に口づけをされた。軽くだったからよかったものの、危うく睡魔が別のものに変換される所だった…。
そのご二人で示し会わせていたのかサフィと交代する時におねだりされ、断ることなどできずにそっとしてあげる。
(「サフィちゃんも考えることはおなじだね!」
「なっ!?見ておったのか!」
「たまたま見ちゃただけだよ」
「妾は寝るからな!」
「ふふふ照れちゃてかわいいね」)
何やらテントから声が聞けたような気がしたような……まぁ気のせいか。途中で起きるとやはり眠たいな。
目が覚めるかは定かではないが熱い飲み物を飲みながら見張りを行う。
チラホラと冒険者がセーフティエリアを出入りするがこちらには気にもとめない。食事をとるためだけに来たものや、魔物にでも襲われたのだろう人を運びこみ治療を行うなどこちらにかまってる暇がない者ばかりだ。
アイテムボックスの整理やダンジョン情報を見直したりして時間をつぶしノワールと交代をする。
「ノワール交代だから起きてくれ」
「……う~ん」
何とかノワールに起きてもらい再び仮眠をとる。寝ているサフィを起こさないようにしてゆっくりとテントの中へ入り、眠りについた。
「ご主人様起きて!見張りの時間終わったよ」
「…あー分かった。サフィは起きてるか?」
「妾は起きてるぞ」
欠伸をしながら起き上がり身支度を済ませる。
「二人は準備万端か?今のうちに姿をかえといてくれ」
セーフティエリア内には俺たち以外いなかったので擬人化をといてもらう。4階層は半分以上攻略できているから、今日の目標としては6階層あるいは7階層まで行きたいところではある。
『今日もよろしく頼むな』
『うむ』
『は~い』
二人に声をかけ二日目の攻略を開始した。
最近短い話で内容が薄くなっており申し訳ないです。次回はもう少し長めに書く予定ですので…。