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俺にとってこの異世界は理不尽すぎるのでは?~孤児からの成り上がり人生とは~  作者: 白雲八鈴


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95 氷魔法の使い方は?

「あれ?うまい?」


 いつもどおりのエールが美味しく感じられたようだ。


「エン。何をしたんだ?」


 ソルの向かい側で同じく酒を飲んでいた、ルギアが聞いてきたので、もう一つの何もしていないエールをルギアに渡す。


「ルギア、氷魔法でジョッキごとエールを冷やしてみてくれ。」


「氷魔法で?」


「ん?ルギア、使えるだろ?魔力量はあるんだから、魔術も問題ないだろ?魔法ぐらいなんてことないだろ?」


「エン。その黒豹に魔術を使わすとろくなことにならんからやめておけ。」


 そうジェームズに止められてしまった。木の棒をシガシガしているジェームズに


「ろくなことにならない?」


「ルギアは細かい魔力調整が苦手でな、一度、魔術でグアトールを巻き込んだ事があってから、魔術禁止を言われているんだ。」


 俺の魔術のことを何かと言って、『絶対零度』の使用禁止を言ってきたが、人のこと言えないじゃないか!


「なぁ。ルギアは魔術を誰にならったんだ?」


「誰にも習っていないが、強いて言うならアマツからだ。」


 天津!絶対に途中で匙を投げただろ!

 俺はルギアの前に置いたエールに手をかざし、氷魔法を掛ける。


 多分、ルギアの魔力量が多すぎるんだ。多すぎて、調整が難しくなっているんだろうな。これだけ魔力量があってダンジョンで魔術をなぜ使わないのか思っていたら、そういうことか。


「ルギア、氷魔法で冷やしたエールだ。」


 渡したジョッキを傾け、ルギアは中のエールを一気に飲み干した。


「うまい。本当に氷魔法で冷やしただけなのか?」


「ああ、それだけだ。のど越しが良くなっただろ?氷魔法が使えればいつでも、このエールが飲めるぞ。」


 俺がルギアに向かってそう言うと目の色が変わった。酒、好きそうだもんな。好きなもののためなら頑張れるんじゃないのか?


「これがいつでも飲める。のか?」


 空になったジョッキを見つめながら、まだ物欲しそうな顔をルギアはしている。


「ガジェフ!エールを2つ追加。今度はルギアが魔法を使ってみるといい。糸のように細くゆっくりと魔力を出せばいいんだ。」


 ガジェフが2つのジョッキを再び持ってくれくれた。それをルギアの前に置く。


「糸の様に細く?」


 恐る恐るジョッキに触れるルギア。触れた瞬間、ジョッキが凍った。うん。魔力の出しすぎだ。


「ルギア、魔法は攻撃に使うわけじゃないから、ゆっくりでいい。うーん。水滴が落ちるぐらいの魔力量でどうだ?」


 もう一つのジョッキを差し出す。ルギアは人差し指でジョッキの取っ手と触れる。


「それで丁度いい。」


 マジで指先でいい感じだった。ルギアもう少し魔力の調節をできるようになろうな。冷えたジョッキをソルの前に差し出す。

 それを見たルギアは信じられないって顔で俺を見た。いや、さっきからソルの視線が凄く気になったんだよ。


「・・・ガジェフ。」


 俺が頼む前にガジェフがジョッキを4つ持ってきた。4つ?

 それをルギアの前に差し出す。


「大旦那様と俺も」


 ああ、ジェームズの分とガジェフも飲みたかったということか。


「ルギア。今度は自分で魔力調整してみろ。」



 結果的に今度はルギア自身で氷魔法を使いこなした。やればできるんだ。やっぱさ、好きなもののためならできるんだよ。


 天津もさ、もう少し粘ればルギアの戦力が上がったんじゃないのか?


「確かに、冷やすと美味しいな。何も変わらない普通のエールが冷やすとこんなに変わるもんなのだな。」


 ジェームズ。飲みすぎじゃないのか?もう10杯はいっているよな。 


「冷やす物を作らせればいいのか。これは売れる。売れるぞ。」


 いつもながら、商売のことで頭がいっぱいだな。

 ガジェフ、黙々と飲んでいるが、隣でナスエットさんが飲みすぎだと怒っているぞ。聞こえていないのか?


 ルギアは次々エールを冷やしながら、自分も飲んでいる。まぁ、これほど使いこなしていれば、普通の魔術も問題はないぐらいにはなるだろう。


 ソルは日本酒をルギアに冷やしてもらい、冷酒として飲んでいる。どうやら日本酒が気に入ったようだ。


 しかし、さっきジェームズが冷やす物を作ればいいと言っていたが、冷やすと言うと発想がなかったのか?北国だから考えつかなかったのか?

 まぁ、冷やす物を作ってくれるというなら、アイスも作れるだろう。毎回毎回、ヴィーネからの脅しのような催促もされなくなるはずだ。


 今の様に・・・。


「エン。早くアイスくれないなら、凍っちゃうの。あと、ヴィーネの頭もナデナデして欲しいの。」


 なぜか頭を撫でることが追加されている。


「毎回言っているが、なぜ、ヴィーネにアイスをやらなければならないんだ?」


「エン。キアナさんの食後のデザートがまだです。それから、私の頭も撫でること!」


 お前もかキアナ!


「キアナ、さっき夕食前に魔魚のムニエルも食べて、パスタも食べていたよな。それで、デザートも食べるのか?いい加減にしないと、制服が着れなく「甘いものは別腹です!」・・・。」


 別腹の使い方間違っていないか?食べ過ぎると肉になることにかわりない。


「エン。あのー、私もー、撫でて欲しいなぁ。」


 アルティーナ。モジモジしながら言う言葉ではない。


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