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俺にとってこの異世界は理不尽すぎるのでは?~孤児からの成り上がり人生とは~  作者: 白雲八鈴


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92 魔魚は食べられない?

「川にいる魔魚を食べる種族はいるから、ある程度は入荷しているだろ?」


「それは知っているが、それは一部だけだよな。一般的に魚は食べないのか?」


 ジェームズは凄く嫌そうな顔をして


「一度、その魔魚を食べたことがあるんだが、臭くて食べれなかった。」


 ん?それは魚の肉自体が臭いのか?酒があるから臭み抜きぐらいできるはずだが。


「そうか、魚は好まれないのか。」


 俺はたまに魚が食べたいと思うときがあるのにな。魚を食べるのは一定の種族のみってことか。


「いきなりどうしたんだ?」


 ジェームズに尋ねられ、今回の集落の話を報告した。


「俺はてっきり魚が食事に上がって来ないのは、安全に漁ができないからだと思っていたんだが、元々受け入れられないんじゃ。仕方がないよな。」


「それは美味しいのか?」


「は?」


「その魚は美味しいのか?」


 ジェームズは前のめりで聞いてきた。美味しいかと問われれば、美味しかった。

 今朝、集落の人達がお祝いだと言って朝から大量の魚を焼いてくれたのだが、取ったばかりの魚をその場で捌いて焼いただけのシンプルなものだったが、普通に美味しかった。

 ソルなんて骨ごと何匹食うんだってぐらい食べていたから、ソルも美味しいと思っていたんだろう。


「美味しかった。多分、臭くて食べれない魔魚も臭み抜きか泥抜きをすれば食べれるんじゃないのか?」


「なんだ?それは?」


 あ・・・このパターンはだめだ。


「ジェームズ。聞かなかったことにしてくれ。」


 ジェームズは立ち上がり俺の方にやって来る。俺は一歩一歩下がって行く。俺の前まで来てしまったジェームズは俺の肩を掴み


「魔魚は食品倉庫の水槽の中にいるから、持って行って食べれるようにしてくれ。」


 と言われてしまった。いや、前に言ったよな。俺はそんなに料理は得意じゃない。


 俺は料理は得意じゃないと何度も言ったら、『じゃ、食堂のガジェフに指示をして作ればいい。』と言われてしまい、そして、俺はジェームズに宿舎の食堂の厨房に連れて来られてしまった。目の前には1メル(メートル)程の厳つい顔をした魚とエプロン姿で腕まくりをして腕を組んでいるいる大男の熊獣人のガジェフが立っている。


 食堂を利用する度に気になっていたのだが、なぜ、エプロンにフリフリのレースが付いているのだろう。厳ついおっさんがフリフリのエプロン・・・似合わない。


 奥さんのナスレットさんの趣味と・・・ナスレットさん?結婚しているのは知っていたが、まさか上司のナスレットさん?ネズミ獣人と熊獣人の夫婦・・・いえ、なんでもありません。


「俺はその魔魚がどの様に食べられているか知らなから、作ってくれないか?」


 そう、ガジェフに頼めば頷いて、まだビチビチと動いている魚の尾を持ち、台の上で包丁を上から下に勢いよく振り下ろした。頭を切り落とされビチビチと跳ねる胴から吹き出した魔魚の血が降り注ぎ、辺りはまるで殺害現場の様に・・・ちょっと待て!何故、一番に頭を切り落とした!


 次に胴体をぶつ切りにして鍋の中に投入・・・。あ、うん。臭いよな。肉の臭みとか泥臭い以前に食べれないよな。

 っていうか、コレを食べてる種族はなんだ!これ食べれるのか!味付け塩しか入ってないぞ!


 そして、俺の目の前に魚料理がだされてきた。この時点で臭う。駄目だ。俺の心情としては出されたものは残さず食べなければと思うのだが、体が拒否反応を示している。もう、嘔吐(えず)きそうだ。


「エン。大丈夫か?」


 鼻を布で押さえながらジェームズが聞いてきた。


「大丈夫じゃない。悪いが下げてくれ。」


「な?食べられるものじゃなかっただろ?」


 と、ジェームズの目が笑っていたが、そういう問題じゃない。


「はぁ。もう一匹魔魚を用意してくれ。」


 ガジェフがもう一匹を台の上に置いてくれたので、その前に立つが、台が高すぎるんだよ!なんで、首の高さが台の天板と同じ高さなんだよ。


 ガジェフが踏み台を用意してくれたのでそれに乗り、ビチビチと跳ねている魔魚の脳天を貫く様に細く小さな雷の矢を作り、頭に突き刺す。ビクっと一瞬動いただけで締められたようだ。次に氷の刃でエラと尻尾切り込みを入れ血抜きをする。


「ガジェフ。水で血を洗い流してくれ。」


 そう言って振り返ると、すぐ後ろにガジェフの顔があり、ガン見をしていた。


「ガジェフ。」


 もう一度声をかけるとハッとして魔魚を持って血を洗い流してくれた。そして、再び台の上に乗せられた魔魚の腹を裂き、内蔵を取り出す。絶対にコレが臭いんだよな。魔魚って魔物の一種だろ?雑食だよな。何食っているかわからないよな。


 そして、問題の鱗だ。もう見た目で硬そうなのが分かる。だから、ガジェフはあんなに勢いを付けて包丁を下ろしたんだろう。

 一層のこと皮ごと剥ぐか。取り敢えず身と骨と分ける為に氷の刃を背骨に添わせながら3枚に切っていく。さっきは気が付かなかったが、魚の身はサーモンのようにオレンジピンクの色合いだった。刺し身で食いたい。しかし、寄生虫とかいるかもしれないからやめた方がいいよな。


 最後に皮を剥ぐ。これは流石に1メル(メートル)近い切り身の皮を剥ぐのは一人では無理だったので、ガジェフに尾の方を持ってもらい皮と身の間に氷の刃を添わせ引いてもらうことでなんとかなった。


 はぁ。俺は何をしているんだろう。



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