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俺にとってこの異世界は理不尽すぎるのでは?~孤児からの成り上がり人生とは~  作者: 白雲八鈴


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72 獣人の美しさとは

「エンはあの伯爵夫人にどのような商品を見せるか聞いていいか?因みに夫人は派手好きだ。」


 ジェームズはドアの隙間からその伯爵夫人を見るように促す。俺は立ち上がりドアの隙間から店内を見渡す。左の方にいるようだが、俺からは従業員が見えるだけで、肝心の伯爵夫人は見えない。


「ジェームズ、俺からは残念ながら見えない。」


「ああ、エンの背の高さからは見えなのか。」


 背が低くて悪かったな。フェーラプティスが後ろから、上にのるようにと椅子を持ってきてくれた。俺は椅子の上に登って再び店内を見る。

 伯爵夫人は狐獣人のようだ。金色の長い髪を後ろに流しているのだが、宝石だろうかキラキラと光る石を髪に沢山付けている。頭の上の三角の金色の耳には金色の輪っかが付いており、そこにも宝石が付けられているようだ。

 ドレスも、ゴテゴテと表現していいほどのドレスを着ており、そのドレスの後ろから見える尻尾にも宝石が付けられているようだ。

 全体的に目が痛くなる。


「趣味悪っ!」


 例え珍しい真珠のドレスを着ようが、真珠のネックレスをつけようが、この派手な夫人が身につけては意味をなさない。全てが髪と尻尾に持っていかれてしまう。


 ジェームズはクククっと笑っており、俺の言葉が聞こえた従業員がこちらに振り向き、口元に人差し指を立てている。夫人は文句を言っているので、俺の言葉は聞こえなかったようだ。


「それで、エンは夫人にどのような商品を見せるのだ。」


 あの目が痛くなる夫人に何を差し出しても目が痛いだけだ。そもそもの趣味を変えさせなかればならないだろうな。


 実は俺は前から気になっている事がある。それは、獣人の尻尾だ。ジェームズやルギアは短い毛並みなのでそれほど気にならないのだが、ソルの尻尾にある毛玉が気になって仕方がないのだ。

 やはり髪と違い、細くて絡みやすい毛質が尻尾には多いのだろうな。だから、俺はネットでポチッとする。そして、イベントリーから取り出し、ジェームズにそれを渡す。


「ただのブラシ?」


 ジェームズに渡したのは犬猫用のブラシだ。いらない細かい毛も取れるし、毛並みが綺麗に整えられる。

 昔、実家にいた犬の愛用品だ。室内犬のラブは毛玉ができやすかったからブラッシングはよくしていた。そういえば、ブラシの柄をよく噛んでいたなぁ。


「尻尾専用って言えばいいのか、細い毛質と硬い毛質が混じっているところの毛並みを整えてくれる。」


 もう一本取り出しジェームズに尻尾に使ってみるように促す。ジェームズの毛並みの短い尻尾でも違いはわかるはずだ。

 ジェームズは俺が立っていた椅子に座り、試しに尻尾を梳いている。もう、ブラシには細かい毛が絡まっているので、それを取って再び尻尾を梳くように言う。


 見た目では少しすっきりしたように思え、艶が出たようにも思える。


「これは今までにないブラシだ。それにブラシに絡まった毛が落ちないのがいい。こんなに毛が抜けても痛く無いし、毛並みが整っている。コレを夫人に見せてどうするのだ?」


「宝石を全身につけるからダメなんだ。どんなドレスを着ようが、どんなネックレスを付けようが、その存在は意味をなさない。夫人の美しさとはなんだ?獣人の美しさとはなんだ?宝石で飾ることか?アルティーナはすごく毛並みにこだわっているから、獣人にとってそれは大切なんだと思ったんだが、違ったか?」


「くくく。獣人の美しさか。それはいい。じゃ、エン。このブラシを持って夫人に売ってきてくれ。」


「は?俺は座っているだけの閑職だ。」


「これも仕事だ。仕事。」


「俺は獣人についてよくわからん。尻尾は触っていいのか?いいのならソルの尻尾で実演販売したいのだが?」


「ソルの尻尾で実演販売?どういうことだ?」


「あ、いや。前から気になっていたのだ。あの毛玉だらけの尻尾。ぱっと見た感じだと分からないが内側の毛玉、イラッとくる。」


 ラブにあんな毛玉があったら速攻、ハサミとブラシの出番だった。


「わかった。ソルを呼んでこよう。手が空いているものはソルを連れてきてくれ。フェーラプティス、夫人にお茶をお出ししてくつろいでもらうようにしてくれ。」


 ジェームズは裏側にいる俺たちを遠巻きにしていた従業員たちに指示をだす。


「了解しました。」

「かしこまりました。」



 そして、ソルを連れて来てくれたのだが、なぜかルギアも付いて来ている。この前、半分程の書類を手伝ったが、まだ半分あったはずだ。ここに来ずに仕事をしろよ。


「伯爵夫人、初めまして見習いのエンと申します。」


 俺を見た伯爵夫人は目を丸くして、俺とルギアを見比べている。


「ルギア様が二人?」


 ちょっと待て。どう見ても大きさが違うし、付け耳だし、似てもないだろ。


「今はルギアは関係ないので、ソルここに座ってくれ。」


「ああ、構わんが何をされるんだ?迎えに来た者は座っているだけの仕事で弁当がもらえると聞いたのだが?」


 弁当がもらえる・・・誰だそんな事を言ったやつは、俺は弁当をやるだなんて一言も言っていない。だから、ルギアが付いて来たのか。


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