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俺にとってこの異世界は理不尽すぎるのでは?~孤児からの成り上がり人生とは~  作者: 白雲八鈴


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58 過去は変えられない

 そして、俺はルギアの小脇に抱えられ、役所に来ていた。俺は拒否をした。今更俺に親なんて必要はないと、しかし、成人するまでは、親の庇護化にいるべきだ。ルギアがだめならソルにするかとまで言われた。

 なぜ、そこの選択肢になるんだ。


 先程から周りからの視線が痛い。それはそうだろう。黒豹獣人が黒髪に豹耳カチューシャを付けた子供を小脇に抱えているなんて、誘拐犯の様相じゃないか。


 そこ!ルギア様の子供可愛いとか言うんじゃない。


 くっ。可愛いと言われる歳じゃない。


 多くの人がいるので待たされるかと思えば、別室に通された。なぜ、特別待遇をされるんだ?

 大きなテーブルが中央に我が物顔で占領している部屋に通され、椅子に座らされるが、やっと顔が出るぐらいの高さだった。テーブルが高すぎるんだよな。


「この度はどのようなご用件でしょうか。」


 タレた耳が特徴のウサギ獣人の女性が尋ねてきた。


「戸籍でエン・グラシアールを調べてくれないか。多分13年前に作られたはずだ。」


 ウサギ獣人の女性は俺を見てルギアを見る。何か納得したように頷き


「少々お待ちください。」


 と言って部屋を出ていった。一体何に納得をしたんだ?


「なぁ。戸籍の管理ベースはなんだ?」


 俺はルギアに尋ねる。前の世界では紙ベースからデジタル管理になっていったが、この世界はどういうシステムを使っているのか気になった。


「よくわからん。」


 ん?こういう物は天津が作ったと思ったのだが、ルギアは管轄外だったのか?


「アマツが創りだした物だ。毎回ながら理解不能だった。『データベースがここで、バックアップがコレで、こっちは演算専用だから触らないで』とか言われてもさっぱりだった。」


 天津が作り出した?創り出したか?


「もしかして、天津は創造ができたのか?あちらの物をそのままこちら仕様に創造出来たのか。」


「あちらとか、こちらとか言われても分からんが、アマツが物を創り出している姿は神秘的ではあった。」


 物を創造出来たのならあの一万円札もわかる。まるで文字だけを変えたそのままの一万円札だったからだ。それでは、なんでもありだ。天津が作りたがっていたエッフェル塔すら作れてしまうかもしれない。


「お待たせしました。」


 早いな。やはり、何か検索機能がついたシステムになっているんだろう。

 担当の女性は、1枚の紙を差し出し


「これが、戸籍謄本になります。」


 それを見ると、アマツとルギアと俺の名が記されており、アマツの欄は二重線で消されていた。天津って氏じゃなかったのか?


「おい、二人籍に入っているじゃないか。」


 と俺がルギアに尋ねても返事が返って来ず、見上げてみればルギアが泣いていた。多分、天津が勝手に籍を入れたんだろう。この書類にサインが欲しいとか言って、サインでもさせて提出したんだろうな。


 しかし、自分で育てる気がなかったのなら、そもそも籍になど俺を入れないだろう。もし、自分の命が狙われていると知っていたなら籍だけ入れて、俺を孤児院の前に置いて行ったのか・・・天津はもう居ないので、真実を聞くことはできない。


「なぁ。この紙は貰っていいのか?」


 俺は担当の女性に聞く。女性は呆然としており、俺が話しかけたことでビクリとした。


「え?ええ。どうぞ。わ、私はこれで失礼しましゅっ。」


 女性は慌てて部屋を出ていった。噛むほど慌てて出ていかなくてもよかったのに。


「ルギア。それで、どうするんだ?」


 まだ、泣いているルギアに聞いてみる。


「アマツだけだったんだ。一族から捨てられた俺を拾って俺の存在を認めてくれたのは、俺はあの時のことを今でも後悔している。なぜ、アマツの側に居なかったのかと。なぜ、魔物討伐に出て行ってしまったのかと。」


 なぜか、懺悔の言葉が返ってきた。俺の頭によく聞かれる話が横切った。千人の民を助けるか、それとも大切なただ1人を助けるかと言う究極の選択肢だ。どこぞの英雄か勇者は千人と1人だと答えたらしいが、現実は厳しいものだ。


「過去は変えられない。天津が作りたかったのはなんだ?それは天津だけがいても仕方がないことだったんだろ?この国に王は居ないのはなぜだ?それが答えなんじゃないのか?」


「お前はアマツみたいに何かを見てきたように言うよな。国に王は必要はない。必要なのは民を導くための指導者だ。だから、その指導者は民が自ら選べばいい。そうアマツは言って決して表に立とうとはしなかった。」


 そう言ってルギアは立ち上がり、テーブルの上に置いてあった紙を丁寧に折りたたみ、懐に仕舞った。そして、俺を小脇に抱え部屋を後にした。

 おい、ルギア。俺は荷物じゃねぇ!


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