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37 オッサン、馬鹿か?

 俺はゼルトの後ろに付いて騎獣で北に向かって飛んで行く。しかし、騎獣で飛び立ち4半刻(30分)で町に着き、商品を店に引き渡し商品確認をして、また、飛び立つ。

 うん。早くはなっているんだろうな。しかし、商品の荷おろしに時間がかかり過ぎる。始めから、店ごとに分けとけよ。なんで、商品がごっそりと入っているだけなんだ。一個二個単位じゃないんだぞ。せめて、箱単位で発注しろ!


 前回、半日でたどり着いた中核都市にたどり着いたのは、日が暮れて大分たったぐらいの時間だった。

 早くはなったが、効率が悪いすぎる。


「ゼルトのオッサン、ジェームズに連絡をつけるにはどうすればいい?」


「あ?どうかしたのか?」


「効率が悪いすぎる。だめだ。全然だめだ。商品の発注からやり直しだ!」


「お、おう。青鳥人がいるだろ?」


「キアナか?」


「その、青鳥人は種族同士で念話が使えるのだ。緊急案件があれば、主要都市まで行って、青鳥人に言って本店のジェームズに連絡を取ってもらうことになっている。」


「ん?確かここにキアナがいたよな。じゃ、ここには青鳥人はいないんじゃないのか?」


「そのへんは大丈夫だ。別の人を配属している。」


 ゼルトのオッサンに付いて行き、ここのフィーディス商会の支店に入って行く。商品管理の担当者に言われるがままに商品をうさぎ形のリュックから出していくが担当者から生暖かい目線を感じる。決して俺がこのうさぎを持ちたいと言ったわけではない。

 あー。このちまちま感がイライラする。もっとガバッと出したい。


 商品の確認が終わり、ここの店長らしき人に青鳥人を連れて来てもらった。白髪に青い髪が混じった、ふるふる震えている爺さんがやって来た。え、この人働いていても大丈夫なのか?

 最近、孫におねだりされることが多くなったので、小遣い稼ぎに働いているらしい。・・・最近?何か嫌な予感がするが、本店に連絡を取ってもらう。


「おお、キアナか?わしじゃ、じいちゃんじゃ。」


 やっぱり、キアナのじいさんじゃないか!こんな年寄から金をむしり取るな。


「ジェームズの旦那は近くにいるかのぅ。黒豹獣人の子供が旦那に用事があるらしいのじゃ。」


 なんか、まどろっこしいな。直接言えないってことは、伝言ゲーム並みに変換される危険があるんじゃないのか?今思えばメールばっかり使っていたが、電話は便利だったんだな。


「坊や、何をジェームズに言うのじゃ。」


 じいさんが聞いてきたので


「戻ってから詳しく話すが、商品の発注から全部やり直しだ!各店から発注が月にどれぐらいあるか、頻度、量の統計を出しておいて欲しいと伝えてくれ。はぁ、本当は年間をとおしてほしいが。」


「わかったのじゃ。」


 じいさんはそのまま伝えてくれたので、あとはキアナがきちんとジェームズに伝えてくれていることを祈るしかないな。


 今日はここの支店の社員寮で泊まることになった。ゼルトは野宿がなかっただけですごく楽だと言っていた。首都からこの中核都市まで、いつもなら一度野宿が必要になるらしい。


 この後の工程はこのまま真っ直ぐ北へ行き、辺境都市へ行って、来た道とは違う道を通り各町を回って首都に戻るルートを通るらしい。同じルートを通り、20日の旅の工程がどれ程短くなるかという事をみるらしい。



 旅の工程は3日目に入った今日の昼には辺境都市に着くはずだ。遠目に都市が魔物に襲われているように見えるのだが、きっと目の錯覚だろう。


「オイオイ、ヤバすぎるだろ。あれは、サーベルマンモスじゃないのか。」


 ゼルトのオッサン、折角の脳内拒否処理をしているところに現実に戻すことを言うんじゃない。

 遠目からだが、5メル(メートル)程の外壁と同じ高さぐらいの毛の生えた象が外壁を壊そうとしているのがみえる。周りにいる人々が点に見える。まるで象にたかる羽虫だ。


 この街の人たちに任せよう。俺にはあんなデカブツを相手にするのは無理だ。あと、面倒くさい。


「ゼルトのオッサン、どうするんだ?なんか街の周りを囲まれているぞ。なんだ?そんなに腹が減っているのか?」


「いいや。普通は雪山に籠もって平野には出てこない魔物だ。何かおかしいな。」


「オッサン。ここで待機でいいか?あれの中に突っ込むのは無謀というものだ。」


「街を見捨てるわけにはいかんだろ。」


 いやいや。数でせめてなんとかなるものじゃないだろう。そもそも、街を十数頭で囲まれているんだ。


「エンならなんとかできるんじゃないのか?」


「は?オッサン、馬鹿か?」


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