表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/680

96話 『ザクロの秘策』

 敦は自分の炎の能力で足の裏から炎をジェット噴射させてザクロに急速接近した。


「チッ! なんて速度なんだ!」


 ザクロは接近してくる敦に黒いオーラを放った弓矢を飛ばして迎え撃ったのだが敦は攻撃してくるのがわかっていたのか、高速旋回して弓矢をかわして右足から爆炎を巻き起こした。


「紅蓮の炎に焼かれて死ねえ! ‶炎天暴流脚〟‼‼‼」


 ベゴォォォ‼‼‼‼‼‼‼‼‼


 敦の炎の蹴りがザクロの顔面にヒットして鈍い音が響いた。


「ベガァ!?」


 ザクロは敦に思いっきり蹴られて鼻血を出しながら遠くまで吹っ飛ばされた。

 敦は吹っ飛ばされた方向へジェット噴射させて再び急接近した。

 ザクロは焦って黒い矢を乱射するのだが、敦は予測不能な動きをして撹乱させてザクロの攻撃を外させた。


「へへへ! 滅多打ちにしてやるぜ! ‶炎天爆裂乱舞〟‼‼‼‼」


 敦の凄まじい速度の炎の連続パンチはザクロの体に何十発もヒットして、ザクロは敦にボコボコに殴られていた。


「グヘッ!? もう……やめ……」


「これで終わりだぁぁぁ! ‶炎天滅却砲〟‼‼‼‼」


 ボコボコに殴りまくった敦は手から巨大な火球を発射させ、その巨大な火球はザクロを呑み込んで空中宮殿・ヴァルハラのある島の大地に直撃した。


 ボガーーーーーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼‼‼


「やべ~! 島少し削ってしまったかも!」


 敦は少し焦った表情でその島を見ていた。

 その空中に浮かぶ島に巨大なクレーターができてそのクレーターの中心にザクロがボロボロの姿で立っていた。


「あいつ結構タフだなあ」


 敦はボロボロになっていても戦意を失っていないザクロに少し感心していた。


「ハァ……ハァ……円城敦! さすがは‶王の騎士団(クラウンナイツ)〟だな!」


 ザクロは低についた汚れとかを払いながらそう言った。


「もうあきらめて同行しな! そしたら命だけは助けてやる!」


 敦がそう言うと、ザクロが突然不敵な笑みを浮かべていた。


「命だけは助けてやる! そんな言葉で俺が観念するとでも思ったのかよぉ? んなわけねえだろうがよ! 俺はこの命はもうすでに()()()()捧げているんだよ! だからあの人のためならこの命も全く惜しくもねえんだよ!」


 ザクロはそう高らかに笑いながら言って魔力を一気に上げた。


「お前はきっとこれを見るのは最初で最後になりだろうな!」


 ザクロはそう言って手に持っていた矢を自分の心臓のある方向へ向けた。


「目覚めろ! 獰猛な悪魔の使い、その牙で骨の髄まで吸い尽くせ! ‶ブラッドバット〟‼‼‼」


 ザクロは黒オーラをまとった矢を自分の心臓に突き刺すと、体全身が黒いオーラに包まれてザクロの姿が確認できない状態になった。


 そしてしばらくすると黒いオーラが消えてザクロの面影がほとんどないくらいの化け物が立っていた。

 背中には巨大な翼が生えていて、口には鋭い牙が2本生えて、後頭部には新たに大きな耳がついていた。


「聞こえるぞ! お前の心臓の音が……キーキッキッキー‼‼‼」


 ザクロはこの姿に変化したことによって、変化する前についた傷や火傷がすべて完治されたのだ。


「こいつはかなりやべえかもなぁ~!」


 敦は以前よりもはるかに魔力が上がり、しかも人間から魔獣に近い姿になったことに驚愕してかなり動揺してた。


「今から俺様の実力を少しだけ見せてやろうか!」


 ザクロはそう言うとすうっと息を吸い込んで、


「KIIIIIIIIIIIIIIIIIIIINNNNNNNNNNNNNN‼‼‼‼‼‼‼‼‼」


と鼓膜が破れるほどの高いヘルツの音波を発した。


 するとそれはただの音波だけではなく、攻撃的な音波であり、宮殿の一部をその音波で粉砕させてしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ