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81話 『絶体絶命の危機』

 その大爆発はソマリと静香だけではなく、中央広場全体に被害を(こうむ)らせた。

 中央広場は言うまでもなくボロボロの焼け野原になっていた。

 幸いにも元々中央広場にいた人々は、レオメタルが出現したと同時に王国軍の兵士に誘導されて避難していたので、被ばくすることはなかった。

 しかし至近距離で爆発に巻き込まれたソマリと静香はかなりの重傷だった。

 ソマリは爆発の瞬間に氷のドームを作ってある程度の爆発は回避できたのだが、服はボロボロになり、魔力もだいぶ下がっていた。

 静香も爆発の瞬間に‶鋼筋武装〟重力を操作したが、ソマリほどの負傷ではないのだが、これ以上の戦闘は困難であった。


「どうやら勝負はついたであるな! だがおぬしたちはよくやった方であるぞ! 俺にこの技を使わせるなんて」


 レオメタルはソマリと静香にそう言って敬意を払うと、手から青白い閃光を放たせた。


「おぬしらも‶王格の魔獣(ロイヤルビースト)〟にやられるなら本望であろう?」


 レオメタルはそう言って‶魔獣砲〟を発射しようとしたその時、


「誰が満足するかよ!」


とバイク音を鳴らしながら、男と女がレオメタルの上を飛び越えた。


「これでもくらえ! ‶ビッグ・サンダーボルト〟‼‼‼」


 バリバリバリバリバリーーーー‼‼‼‼‼


 リーナはバイクに乗りながらレイピアに魔力をためてレオメタルの頭上に巨大な雷を落とした。


「い、一体何であるか!」


 軽く体がしびれたレオメタルが突然の出来事に驚いていると、


「誰がお前程度の魔獣に殺されて満足するかって言ってんだよ!」


と言って颯太とリーナはバイクから降りた。


「メッタッタッター‼‼‼‼ おぬしか! ‶龍斬りの雨宮〟は……確かに他の人間たちよりも強そうであるな!」


 レオメタルは魔獣界の魔獣会議でも散々取り上げられてきた雨宮颯太と会うことができて狂喜していた。


「おぬしは‶闇ギルド〟でも殺人依頼が殺到している指名手配者だ! そしておぬしのここ1か月の所業は‶闇ギルド〟の取引していた2つの組織の壊滅、魔獣軍の魔獣討伐その数400、そのうちタイショーウルフを含めて2体は‶幹部補佐〟の討伐、これらのことからお前の首には前回の倍の白金貨20枚が懸けられているのである! おぬしにこの意味が分かるであるか?」


 リーナはレオメタルの言葉に声を詰まらせてそっと颯太の方を見た。


「分かるさ…………」


 颯太の言葉にレオメタルはニヤッと笑みを浮かべた。


「俺がまたさらに有名人になったってことだろ~! う~れ~し~い~な~‼‼ グへへへへー‼‼‼」


「いや、喜ぶな‼‼‼」


 リーナはゲラゲラと笑っている颯太に怒って颯太の頭を思いっきり殴った。


「ではレオメタル君……有名人である僕のサインを特別にあげよう!」


「アイドル気どりしてんじゃねえ‼‼‼ あんたはアイツに命狙われているんだよ!」


「そうであるな! 俺はおぬしのサインではなくておぬしの首が欲しいである!」


「ほら! アイツあんたを殺す気満々じゃないか! ていうかレオメタル(あんた)も乗ってんじゃない‼‼」


「俺のサインがいらないだと! 遠慮すんなって! 俺のサインは一生残るんだぜ! 光栄に思え! ‶黒鴉旋風(からすせんぷう)〟‼‼‼」


 颯太はそう言うと、黒い斬撃のこもった巨大な旋風を巻き起こした。


「ええええええええ‼‼‼ サインって体に直接彫り込む(そういう)ことだったのぉぉ‼‼‼‼」


 リーナは颯太の奇行につい発狂してしまった。

 レオメタルは黒い巨大な旋風に呑み込まれて胴体に直接‶私は雨宮颯太の下僕です〟と言う字を彫られてしまった。


「どうだ! かっこいいだろ? その字絶対に消すんじゃねーぞ‼‼」


「おぬし、この字は私に対する宣戦布告ととらえてよいのであるか?」


 レオメタルは笑いながら言っているが、目は完全に(いか)っており、魔力が急激に上昇した。

 颯太も真剣な顔になってレオメタルに便乗して黒いオーラを一気に放出した。


「なるほど……茶番はもう終わりだって言いたいのか………ヤダ‼‼‼‼‼‼」


「だからさっさと茶番を終わらせろーーーーーーーーー‼‼‼‼‼‼‼」


 リーナの叫び声が焼けた中央広場全体に響き渡った。


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