78話 『王格の魔獣』
青白い閃光が人々に降り注ぐその時、
「‶アイスウォール〟‼‼」
と地面から巨大な氷の壁がそびえたち、青白い閃光を防いだ。
「おっと、いきなり大物と会えるとはなあ、‶王の騎士団〟……‶雪姫のソマリ〟‼‼」
レオメタルは舌なめずりしながら喜んでいた。
「だが、おぬしは俺の部下のAゴリと戦っていたはず。おぬしがここにいるということは、あいつはやられたというわけか?」
「そうよ! あいつは私が倒したわ! でもあいつのことを部下と言っていることを考えるとあなた、‶幹部補佐〟じゃあなさそうね?」
「おぬし鋭いな! 全く持ってその通りである! 俺は魔獣軍‶第三幹部〟だ! そして俺は‶王格の魔獣〟だ‼‼」
「‶王格の魔獣〟!?」
ソマリは初めて聞く言葉に驚きを隠せないでいた。
そしてポケットから‶危険レベルチェッカー〟を取り出して起動させた。
魔獣名: レオメタル
特徴 : ‶王格の魔獣〟
全身が鋼で構成されていて、無から鋼を生成する力を持っている。
レオメタルが作り出す鋼はミスリルよりもはるかに硬いといわれている。
全長 : 10~12メートル
危険度: 30
「き、危険度30だと!?」
ソマリは‶危険レベルチェッカー〟の数値をを見て手を震わせていた。
レオメタルはそんなソマリを見て面白がっていた。
‶王格の魔獣〟は‶危険レベルチェッカー〟で表示される危険度が30以上の魔獣に与えられる称号である。
「んで、俺のことを調べてどうするのであるか? 逃げるのか? 別にそれでもいいのである! その代わり、この国がどうなるのかは知らないのであるがな!」
レオメタルは現実を知ったソマリに分かりやすい挑発をした。
「逃げるわけないでしょ! 私が逃げたらだれがあなたを倒す!」
ソマリは回復ポーションと魔力増幅薬を飲み、体の傷と魔力を回復させて、魔力を一気に最大限まで上げた。
「氷花よ! 誰よりも冷たく、そして美しく舞え! ‶魔導神装〟‼‼」
ソマリから吹雪が吹き始めてソマリを包み込んでミニスカートの巫女さんみたいな服装に変化した。
「最初っから全力で行くわよ! ‶氷柱花火〟‼‼」
ソマリは巨大な氷柱を生成させて発射させた。
そしてすさまじい速度で接近する巨大な氷柱はレオメタルの目の前で爆散して無数の細かい氷柱がレオメタルに直撃した。
しかし、レオメタルの体は鋼でできているため、氷の攻撃は全く効いていなかった。
「硬いわね! その体……」
「俺の体は最硬度の鋼でできているのである! ただの氷とは相性が悪いのである!」
レオメタルはそう言うと、人差し指と中指を合わせて魔力をそこに集めた。
「これはお前の氷で防ぎきれるかな? ‶獅子・鋼材落とし〟‼‼」
レオメタルは集めた魔力を上空に打ち上げた。
そうしたら上空から鋼の塊が中央広場全体を覆って、それが一斉に落下してきた。
「まずい! 中央広場全体に氷の防壁を張ったら、氷が薄くなって防ぐことができない! どうする?」
ソマリが絶望の淵に落とされるその瞬間、
「‶無重力空間〟‼‼」
と言う声が聞こえて中央広場は謎の空間に包まれて、その空間に入った鋼材は落下することなく、宙に浮いた状態になっていた。
「一体何なの?」
無重力状態で身動きが取れないソマリは今何が起きたのか理解できていなくて、困惑していた。
「ダイジョーブですか? カイチョ~?」
「あなたは確か静香さん? 助かりましたわ!」
「あれがこの事件の首謀者ですか? とんでもない魔力を持っていますね~」
静香がそう言うと上空の鋼材を見上げて、自分の刀に魔力を込めた。
「まずはあれをどうにかしなくちゃですね! ‶喰羅靡斬〟‼‼‼」
静香は重力で斬撃の威力を格段に上げて斬撃を上空に飛ばした。
ズッドーーーーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼
そしてその斬撃はレオメタルの生成した鋼材を粉々にした。
「やるじゃねえか! 小娘!」
「私は小娘じゃない! 私にはちゃんと桐原静香っていう名前があるんだから!」
静香は‶飛太刀〟を構えてレオメタルに反論した。




