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63話  『蒼炎VS修羅』

 アシュラBコングは超速移動をして敦の背後に回り込んで攻撃を仕掛けた。


「これでもくらえ! ‶魔拳修羅〟‼‼」


 アシュラBコングの正面の顔の右手から、黒色の魔力が漂って、その拳で敦に殴り掛かった。

 しかし敦はアシュラBコングの攻撃するタイミングを見計らって、


「‶炎天爆裂拳〟‼‼」


と右手に炎をまとい、‶鋼筋武装〟をしてアシュラBコングの拳と衝突させた。

 そしてその2つの力は拮抗して打ち消し合った。


「ほーう! ‶魔導神装〟しなくとも俺のパンチを受け止められるとはな! さすがと言ったところか? ‶王の騎士団(クラウン・ナイツ)!」


「てめえ! なぜ‶王の騎士団(クラウン・ナイツ)のことを知っているんだ!」


「なぜ知っているかって? 俺の攻撃を受け止めたお前だけに特別に教えてやろう。俺たちが裏で‶闇ギルド〟とつながっていることは知っているだろう? 俺たちはそいつらから情報を毎回もらっていたのさ! ‶王の騎士団〟や‶ゴールドランク冒険者〟たちはほとんど把握しているぜ‼」


「なるほどな! てめえらもただの馬鹿っていうわけじゃあなさそうだな!」


「てめえ、世の中には言っていいことと悪いことがあるって知っているか? 知らねえのなら教えてやらねえとな!」


 アシュラBコングは敦の挑発に激怒して左の顔の左腕から電気が走り始めた。


「魔獣をなめてかかると痛い目に合うぜ! ‶雷拳修羅〟‼‼‼」


 アシュラBコングは超速移動で接近してさっきよりも比べ物にならないほどの威力と速度のパンチをした。

 電気を帯びた拳は敦に直撃して敦はすさまじい速度で吹き飛ばされた。

 幸い敦は‶鋼筋武装〟をしていたので致命傷だけは回避できた。


「グッ! なんて威力なんだ!」


 崖にめり込んでいる敦は食い込んでいる手足を頑張って抜こうとしていた。

 しかしアシュラBコングはそんな暇を与えず、敦に急接近してきた。

 更にアシュラBコングは‶戦闘態勢〟に体を変形させた。


「さっきは楽に死なせることができなかった。悪かったな! だが今度はてめえが苦しむ間もなく楽にしてやるよ! ‶魔獣砲〟‼‼」


 3つの顔が同時に口を開いて、そこから青白い閃光を発射した。

 今度こそ確実に殺されると感じた敦は急いで崖から手を抜いて構えた。


「上からの許可は下りていないけど、使わねえと学校が破壊される!」


 敦はそう言って魔力を一気に上げた。


「蒼炎よ、熱く燃えろ! ‶魔導神装〟‼‼」


 敦の周りから燃え上がった蒼い炎はアシュラBコングの‶魔獣砲〟を防いだ。

 そして敦は蒼い炎の火力を上げて、崖をの一部を砕いて抜け出した。


「ほーう! それがお前の‶魔導神装〟か? すげー魔力だ! 面白くなってきたぜ‼‼」


 アシュラBコングは爆発的に上がった敦の魔力にかなり興奮していた。


「俺の炎、ただ色が変わっただけだと思うなよ! ‶蒼炎天滅却砲〟‼」


 敦は両手から一つの巨大な蒼い火球を生成して発射した。


「ほほう? こいつはすげーなー‼‼ だがこの程度じゃあ俺は倒せねーな! ‶氷拳修羅〟‼‼」


 アシュラBコングの右の顔が右手に冷気をまとわせて蒼い火球を殴った。


「ウオォォォォォォ‼‼‼」


 アシュラBコングは魔力を上げて冷気を強めて何とか火球を相殺させることができた。

 しかしその隙に敦はアシュラBコングの足元に潜り込んで、


「‶蒼炎天暴流脚〟‼‼」


と蒼い炎をまとった足でアシュラBコングの左足を蹴り飛ばして転ばせた。

 敦は高く飛びあがって仰向けになっているアシュラBコングの真上から、


「‶蒼炎天爆裂乱舞〟‼‼‼」


と両手に蒼い炎をまとわせてアシュラBコングを連続で殴りつけた。


「グボボ! お前の連打は中々効くな~‼‼」


 アシュラBコングはボコボコに殴られながらそう言った。


「だがまだこれだけじゃあ俺は倒せねーな! ウオォォォォォォォ‼‼‼‼」


 アシュラBコングは魔力を一気に上げて連打している敦をはじき飛ばした。


「グア!」


 吹き飛ばされた敦は上手に受け身をとって、またすぐに体勢を立て直した。


「いやー、効いたねー! 今の攻撃……ざっと2割ほど体力を消耗したかな?」


 敦の渾身を込めた攻撃がほとんど効いていない素振りを見せているアシュラBコングに敦は少し絶望しかけた。


「ば、化物かよ! こいつ……」





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