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46話 『王宮からの招集』

 ――颯太とコカトリスの激闘から1週間がたった頃颯太達には王宮から招集がかかっていた。


「なー、これ俺も行かないといけないのか?」


「何を言っている! お前が1番行かなければならないだろうが!」


 王宮に行くことにごねている颯太にリーナはビシッとツッコミを入れた。


「でももしかしたら国から多大な報酬金が貰えるかもしれないよ!」


 ロゼの放った一言に颯太は耳を大きくして傾けた。


「なるほどー。そ、そういうことなら行ってやらんこともないからね!」


「ツンデレをしながら目を輝かさせるな!」


 リーナは目がお金になりながらニヤニヤとヨダレを垂らす颯太の頭を思いっきり叩いた。






 ――マリアネス王国王宮


「国王様! リーナ第三王女がそろそろ戻られるそうです!」


 王国軍の兵士が国王に報告をすると、


「雨宮君も一緒なのかね?」


 と屈強でまさしく戦う王様とでも言えそうな国王が

 腕を組みながら言った。


「もちろん、リーナ様とその一行は全員来ておられます。」


「ではリーナと雨宮君だけをつれてきてくれ! 後の者には茶をもてなしておけ」


「は!」


 兵士は国王の命令に従い、王宮から退出した。




 それから1時間が過ぎた頃リーナと颯太が王宮にやってきた。


「お父様! ただ今帰りました」


 リーナが王宮の扉を開けた瞬間、


「おかえりなさーい!! リーナァー!」


と大きな胸を揺らしながら金髪ロングヘアの美しい女性がリーナに抱きついた。


「ユーナお姉様、ただ今帰りました!」


「おいリーナ、そのおっぱいデカい人は誰なんだ?」


 颯太が失礼極まりないことを言うと、リーナが颯太を物凄い顔で睨みつけていた。


「ハァ〜、この方はマリアネス王国第一王女のユーナ・マリアネス様! 私の姉上なんだ!」


「はじめまして、雨宮さん! ユーナ・マリアネスです」


 ユーナがドレスをつまみ上げて丁寧にお辞儀をした。


 それを見た颯太はリーナの方を向いて、


「なあこの人お前と顔は似ていても性格全然ちげーな!」


とリーナを嘲笑しながら言ったら、リーナの回し蹴りが颯太の顔面にめり込んだ。


「ふふ、仲良しなのね!」


「「違う!」」


 ユーナがくすくすと上品に笑いながら聞くと、2人は声をそろえて否定した。


「話はもういいかね!」


とおほんと咳払いしながら国王が口を挟んだ。


「あら、私邪魔だったかしら?」


とユーナはニコニコしながら立ち去った。


「雨宮君!! 此度はご苦労であった」


 国王が颯太を褒め称えたら、


「偉っそーに!!」


と颯太はムスッとした顔で呟いた。


「偉いんだよ! バカ!」


 リーナは無礼な颯太に思いっきりチョップをかました。


「いてーな! 何すんだ! お前の暴力、まあまあキツイんだぞ! 俺が一体何をしたって言うんだよ!」


「あんたまさかあれを悪意無く言っていたの?」


「何がいいてーんだよ?」


「もういい! 後で私がお前に礼儀作法を徹底的に教えてやる!」


「俺に礼儀作法を教えるだと? やだ! 俺はバカになりたくない!」


 バキッ!


「イテ! また殴りやがった!」


「あんたのそういう所よ!」


「ワシを放ったらかしにして話をするなー!!!!!」


 国王は自分を完全に無視して喧嘩をする2人に耐えられず泣きながら発狂した。

 颯太とリーナは国王の発狂に驚いて話をやめた。


「ゴホン、では本題に入ろうか」


 国王の言葉に周りや颯太とリーナが真剣な顔になった。


「ワシはコカトリスを倒したキミがどんな人なのかを見極めるために今日はここへ呼び出したんだ!」


「へーどーやって俺を見極めるんだ?」


「もちろん、こうやってな! お前らあれを持ってこい!」


 国王は兵士に命令をすると兵士は数人がかりで1本の剣を抱えて持ってきた。


 その剣を国王は軽々と持ち上げて凄まじい速度で颯太に近づいて剣を振りかざした。

 颯太はポケットに手を突っ込んだままで足の裏で国王の剣を止めた。もちろん足の裏には鋼筋武装をしている。


 バリバリバリバリーーーーー!!!!


 颯太と国王の周りからは電撃が走って周囲の人達は吹き飛ばされた。


「さすがだな! ワシのエンペラーカイザーを足の裏で止めるとは!」


 エンペラーカイザーとは国王の持つ剣のことである。


「これで俺の何がわかったんだ?」


「うむ、お前は外見は無礼を働くような人間だが、内なる心には人を助ける善意で満ち溢れている」


 国王はそう言うと剣を納めた。


「よし、決めた! 雨宮君! 今度からワシのことをお父様と呼びなさい!」


「「はぁ?」」


 国王の言葉に颯太とリーナは唖然としていた。




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