37話 『化け物の進化』
颯太はコカトリスの攻撃のパターンが少しずつ読めてきて、コカトリスの攻撃をかわせるようになってきた。
「コケー! どういうことだ!? 俺の攻撃が当たらなくなったぞ!」
「ヘッ! ざまあみろ! お前みたいな鳥頭野郎の単純な攻撃なんて読めるようになって当然だろ!」
颯太は驚くコカトリスに向かって舌を出しばかにしていた。
「コケー‼‼ よくもこの俺をコケにしてくれたな!」
颯太の挑発に激怒したコカトリスは口を開いて青白い閃光を生成した。
「てめえ、俺をコケにした罪は重いぞ‼‼ くたばれ、‶魔獣砲〟‼‼」
コカトリスはそう言うと、口から青白い閃光を発射した。
しかし颯太はそれも見切っていて、颯太も‶魔獣砲〟を発射した。
2つの閃光は衝突して大爆発を起こした。
幸い颯太はその大爆発に巻き込まれなかったのだが、大爆発によって砂ぼこりが舞い上がってコカトリスはを見失ってしまった。
大爆発を起こした後、コカトリスは急いでバジリスクの方に向かって行った。
「コケケ、バジリスクの魔力が消えた……あいつまさかあのガキにやられてしまったのか?」
コカトリスはまさかそんなことはないだろうと思っていたのだが、コカトリスが現場に着いたときにコカトリスは目を疑った。
なぜならバジリスクが敦によって倒されていたからだ。
「何だ? あいつは颯太と闘っていた魔獣……あいつまさかやられたのか?」
敦もコカトリスと同じようなことを考えていたが、今はコカトリスを倒すのが優先事項だと判断して魔力を上げた。
しかしコカトリスは敦の方を見向きもせずバジリスクの方へ近寄ってバジリスクを食べ始めた。
「共食い、だと」
敦は共食いをするコカトリスを不気味に思って攻撃ができなかった。
コカトリスがバジリスクを食べ終わると、コカトリスの体が光り始めた。
コカトリスの体は変化を始めて、尻尾が伸びてトゲがついたり牙が鋭くなってところどころにバジリスクの特徴が現れ始めた。
「何なんだ!? あいつ」
敦は恐怖で無意識に後ずさりをしていた。
そして敦は恐る恐る‶危険レベルチェッカー〟を起動させて、姿を変えたコカトリスを調べた。
魔獣名: コカリスク
特徴 : コカトリスにバジリスクの特徴が備わった姿
全長 : 20メートル
危険度: 27
(やばい、こいつはまじでやばい。どうする? 戦うか?)
敦がそいつと戦って勝てるかどうか不安に駆られていた時に、
「コケケケケー! どーれ? 力を試してみるか?」
とコカリスクが言って敦に狙いを定めて尻尾で攻撃をした。
敦は咄嗟に‶鋼筋武装〟で防御をしようとしたのだが、コカリスクの攻撃力は想像を絶するものだった。
敦の‶鋼筋武装〟は簡単に砕けて、敦はコカリスクの尻尾攻撃によって叩き飛ばされた。
そして敦は立ち上がることができなかった。
「ガァァァァーー‼‼」
「あれれ? もう立てなくなっちゃった。結構軽く攻撃したのに」
コカリスクの攻撃にもがき苦しむ敦にコカリスクは近寄って、
「そんなに苦しいか? じゃあ今すぐ楽にしてやる!」
と言って至近距離で‶魔獣砲〟を発射しようとすると、頭上から強い打撃攻撃を受けた。
「疾風螺旋拳‼‼」
颯太がコカリスクの頭部を思いっきり殴って‶魔獣砲〟は口の中で暴発した。
「ゲホゲホ、コケコケ! クソガキ! 生きていたか!」
コカリスクは颯太を睨みつけて怒り狂った。
「まだ勝負はついていないぞ! 鳥頭野郎!」
颯太は拳をぎゅっと握って構えた。