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33話 『大和無双』

 正午を過ぎたころ旅館の周りの空間にゆがみが生じてきた。

 しかし颯太たちはその空間のゆがみに全く気付いていなかった。


「おい、ソマリ! 魔獣なんてちっとも現れねーぞ!」


 敦がしびれを切らしてソマリに文句を言った。


「そうだぜ会長! 嘘ついたのか?」


 颯太もソマリを疑っていた。


「おっかしいわねー、確かにもうそろそろ現れてもいいと思うけどねー」


 ソマリは首をかしげて考えていたその時、


「何だ!? このでかい魔力は!?」


と颯太がいち早く空間のゆがみに気づいて警戒態勢をとった。

 空間のゆがみはより激しくなって空間が割れ始めて、割れ目から大きな魔力が放出した。

 さすがにみんなこの放出した魔力には気づいて、割れ目を注目した。


「颯太君……これは一体?」


 ロゼは割れていく空間に恐怖を感じていた。ロゼは別空間から魔獣が現れる瞬間は初めて見るのだ。

 颯太とリーナは以前ミノタウロスが現れた瞬間を見ていたからそこまで動じなかった。しかし以前とは違って空間の割れ目は1か所だけではない。数えるだけでも100か所はある。

 空間の割れ目はどんどん広がっていって、空間の割れ目から数千ものの魔獣が姿を現した。


「「「「ギャーーーー‼‼‼ 何だこれはーーー‼‼‼」」」」」


 この合宿場に来ているほとんどの学生は数千いる魔獣に絶望をし、発狂していた。


「そういや会長、何でここに無数の魔獣が現れるなんて知っていたんだ? まさかあんた、奴らの仲間だったり……」


と颯太はソマリを疑いの目で見て聞いた。


「違うわよ! 私がなぜ魔獣たちがここへやってくるかを知っていた理由は、この合宿場には‶魔獣誘導器〟と言うものが設置されているの。魔獣界の魔獣は空気中の魔素の濃度が高いところでしか人間界に侵入できないの。でもこの‶魔獣誘導器〟はね、魔力を生成して機械の半径1キロメートル以内の魔素の濃度を高くしてくれるの。だから魔獣たちがこの合宿場に大量発生するの!」


 ソマリは颯太に長々と説明していると、


「話は分かった。でもさっさと魔獣たちを討伐しなければ!」


と颯太はソマリの話を途中で中断させて魔獣たちの集団に突っ込んでいった。

 ソマリは‶危険レベルチェッカー〟を起動させて、数銭と言る魔獣たちの平均危険度を調べた。


「ここ一体にいる魔獣の平均危険度は……7か」


 数千もいるのに平均危険度が高いと思ったソマリは、


「気をつけて! もしかしたらここの魔獣強いのも混ざっているかもしれない!」


と言ったのだが、颯太の耳には全く届かなかった。


「一気に片付けてやるぜ! くらえ! ‶波動旋風〟!!」


 颯太は周りの魔獣たちを巨大な旋風で一掃した。

 それを見ていた敦は、


「先手を取られた! だが俺は負けない! ‶炎天滅却砲〟!!!!」


 敦は両手から直径6~7メートルありそうな火球を生成して発射させた。

 火球に飲み込まれた魔獣達は次々と焼け焦げた。

 これを見た颯太は、


「ウヒャー! スゲー火力!」


と少し驚いた顔をしていた。

 それを聞いていた敦はニヤッと笑って、


「安心しろ! お前もいつかこいつらのようにしてやるよ!」


と燃えている魔獣たちを指さして言った。

 魔獣の集団は颯太と敦によってどんどん数を減らしていった。



「敦! お前今何匹目だ?」



「163匹目だ!」


「勝ったな! 俺は今165匹目だ!」


「はっ! まだ魔獣は半分以上も残っているんだ! 直ぐに逆転してやる!」


 2人はそう言いながら魔獣の集団を無双していった。

 この光景を目の当たりにした1匹の魔獣が、


「こいつらこえぇぇええええ!!!!!」


と泣き叫んでいた。

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