表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/680

26話 『恐怖の象徴』

「さすがです! リーナ様! あの魔獣たちを一撃で倒すなんて!」


 ミーアは感激して飛び上がっていた。


「ハァ……ハァ……。何とか倒せたな! これで私の実力は魔獣界の魔獣にも通用することが証明できたぞ!」


 リーナがバスの上で横たわりながらガッツポーズをしていたら、


 WAOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOON‼‼‼‼‼


と鼓膜が破れそうなくらい大きな雄叫びと気分が悪くなるくらいの強い魔力の圧を感じた。


「この魔力は!? ぐあぁぁぁぁー‼‼」


 横たわっていたリーナがその雄叫びによって飛び起きて耳を塞ぎながら苦しんでいた。


「なぜこんなに魔力が上がっているの? しかも魔力を1つしか感じない!」


 ソマリは今までたくさんの魔獣を倒してきたが、今回のようなケースは初めてのようだ。

 リーナたちはその魔獣の魔力がバスに急速接近してきている。そしてその魔獣がリーナたちの前に姿を現した。


「「「「!?」」」」


 クラス全員がその魔獣の姿に驚愕した。リーナもその姿に絶望した。


「ゲヘヘヘヘー! やっと見つけたぜー! 俺の獲物たち!」


 巨大な狼は狂喜しながら、リーナたちの乗っているバスに近づいてきた。

 リーナは再び‶危険レベルチェッカー〟を起動して、巨大な狼の危険度を調べた。


 魔獣名: ソウチョ―ウルフ

 特徴 : 3体のサンボーウルフが‶合体(ユニオン)〟して生まれた個体

 危険度: 20

 ※‶合体(ユニオン)〟とは同じ魔獣名の3体が一つになって元の状態よりも格段に強くなる魔獣界の魔獣のみが使用できるスキル。


「き、危険度20だと!?」


 リーナがソウチョ―ウルフの危険度に驚き、声を上げていた。


「魔獣界の魔獣にはそんなことまでできるのですか!」


と言いながらソマリは今回ばかりはまずいと悟って、ソマリは自分の魔力を限界まで上げた。


「一瞬で終わらせます! ‶フリーズブラスト〟‼‼‼」


 ソマリはバスの窓から顔を出して、手から冷気の光線を発射した。冷気の光線はソウチョ―ウルフを巻き込んで周囲一帯を氷の世界へと変えた。


「こ、これがマリアネス第一魔法学院トップの実力なのか!? ‶魔導神装〟なしでこの威力!」


 ロゼはソマリに対して実力の差を感じたのだった。

 しかしソマリが作った氷の世界からソウチョ―ウルフの魔力が消えておらず、むしろどんどん魔力が膨れ上がっているのだった。

 そしてソウチョ―ウルフは氷の世界を破壊して出てきた。さらにソウチョ―ウルフは息を全く切らしていない。


「ゲヘヘヘヘー! よくも俺を氷漬けにしやがったな!」


 ソウチョ―ウルフは余裕の表情で再びバスを追いかけ始めた。

 ソウチョ―ウルフはバスに近づくと、高く飛びあがってバスに回り込んだ。バスに回り込んだソウチョ―ウルフはバスを蹴って横転させた。

 バスの中からリーナとロゼが現れた。


「リーナ、もう魔力は戻ったの?」


 ロゼがリーナの体調を心配したら、


「どうせ戦わないと死んでしまうじゃない! だったら私は少しでもあらがう!」


と言ったらロゼがニコッと笑って、


「それもそうね! 絶海よ孤独に唄え! ‶魔導神装〟‼‼」


と言ってロゼの姿が変わった。

 ‶魔導神装〟をした2人は人差し指をクミチョーウルフに向けて指し、啖呵を切った。


「覚悟しなさい! 化け物!」


「あんたにやってくる明日はないわ!」


「雑魚が‼ お前らいい気になるなよ!」


 ソウチョーウルフはリーナとロゼを見つめて舌なめずりをした。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ