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19話 『ストロング・Dの副作用』

「ま、‶魔獣砲〟!?」


 リーナが口を開いて驚いた。ミーアも驚愕していた。


「‶魔獣砲〟? 何なのだ? その魔法」


 ロゼがきょとんとした顔でリーナに聞いた。トムやポトフ、ルリも何のことかわかっていなかった。


「‶魔獣砲〟っていうのはね、大型の魔獣や、魔獣界の魔獣のみしか使えない凶悪な魔法なの。あの超高温の青白い閃光によってあらゆるものも焼き払ってしまうの。でもなんであの魔法を颯太が使えるの?」


 リーナとリーナ様護衛隊の3人はミノタウロスの事件後にレージス学長から魔獣界のことや魔獣砲のことをいろいろ聞いていたのである。


「ねえ颯太、あんた何で‶魔獣砲〟を使えるの? 理由次第ではあんたを刺す!」


とリーナはレイピアを構えて警戒していた。


「おいおいよせって! 俺もなぜ使えるのかはよくわかんねぇんだけど、一番の理由はダンジョンに潜っていた時に魔獣を食って生活していたからかな~?」


「エーーーー‼‼」


 リーナたちは驚き、少し颯太にドン引きをしていた。

 颯太は話を続けた。


「俺はあるダンジョンに入っていた時に魔獣に襲われて食料を全部失ってしまったんだ。それで帰ろうと思ったんだが、逃げていた途中で道に迷ってしまったんだ。それから一週間ぐらいして、空腹の限界になって何かを食べないと死んでしまうから仕方なく魔獣を食べたんだ。魔獣を食べ続けて3か月、俺の魔力はどんどん膨れ上がっていって魔獣砲も使えるようになったっていうわけだ」


 颯太の話を聞いて、リーナは警戒を解いてへばってしまった。


「でもあれだけの威力だったんだ! さすがのあいつも……」


と颯太は言ってザックの方を振り向いた瞬間、颯太は衝撃を受けた。

 何とザックが立ち上がっていたのである。どうやら‶ストロング・D〟には自身の耐久力を上昇させる効果もあったのだろう。

 ザックは全身大やけどをしていて、フランベルジェも折れていた。もはや生きていることすら奇跡というくらいの状態だ。

 リーナたちはまた警戒態勢をとっていたが、颯太は、


「もうやめておけ。お前はもう戦うことができない!」


と言ったのだが、ザックは近づいてきた颯太を折れたフランベルジェで振り払った。


「黙れ! ハァ……ハァ……、俺はまだ終わらねー! あともう一粒飲めばてめえを確実にぶっ潰せる‼‼」


「おいっ! やめろ! そんなことしたらおまえ……」


 颯太が止めようとしたがもう遅かった。ザックはポケットから‶ストロング・D〟を取り出して飲み込んだ。しかし、


 ブシュッ‼︎‼︎‼︎‼︎


 ザックの体は一瞬にして紅色に染まってしまった。


「ぐ、グアァァァァァァ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」


 ザックの体から出血が止まらなく、傷口も開いてザックは発狂しながら倒れた。

 そしてザックはもう立ち上がることはなかった。



 2時間後、マリアネス王国軍が駆け寄ってきて、‶ヤマネコ団〟を一人残らず捕らえた。


 颯太はけがの治療を受けながら、事情徴収を受けていた。


「あの‶ストロング・D〟っていう丸薬は、1粒でも金貨1枚もする代物なんだ。それを何故あいつらはたくさん持っていたんだ?」


と颯太が軍団長の男に聞くと、


「おそらく‶闇ギルド〟だな。やつらはそこから裏取引をして入手したんだろう」


と男は答えた。


「‶闇ギルド〟だと!?」


颯太は男の話を聞き表情が一変した。リーナは人を殺しそうな目をした颯太を見て少し恐れた。





 ――ここは名前のない島


「ボス! ‶ヤマネコ団〟団長、ザックがやられたとの報告がありました」


「それで? 彼は死んだのかな?」


「はい、‶ストロング・D〟を5錠服用したとのことです」


「そう、それはよかった。何せ僕たちのことが公になってはいけないからね~。それで? 誰にやられたの?」


「‶龍斬りの雨宮〟です!」


「また彼か……。相変わらずよく僕たちの邪魔をするな~。いつか会ってみたいねえ」


次話から新たなヒロイン登場!?

気になった方は是非続きを(๑ ᴖ ᴑ ᴖ ๑)

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