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18話 『暴走するザック』

 ――バキッ‼‼‼


 ザックの蹴りはさっきよりもはるかに速く、そして重い。

 颯太はザックの攻撃をよけきれなかったので、腕をクロスにして防御したのだが、ザックの攻撃のあまりの重さに颯太は耐えきれずに押し負けて蹴り飛ばされた。

 ザックは吹っ飛ばされた颯太にすぐ追いついて、颯太をフランベルジェで斬りつけた。

 颯太は間一髪で攻撃を回避したが、続く攻撃によって腹部を斬られた。


「ぐっ‼‼‼」


 颯太は斬られた腹を抑えて膝をついた。


「どうした? もう終わりか? さすがのお前も16倍の超速移動にはついていけなかったか?」


「ハァ……、ハァ……、だが長期戦に持ち込めば俺の勝ちだろう? ‶鋼筋武装(こうきんぶそう)〟‼」


 颯太の腕や足の色が銀色になり、そして光沢がある。


「この腕や足は‶ハードボディ〟よりも断然硬いぜ! ‶ハードボディ〟は鉄ぐらいの硬さだが、‶鋼筋武装〟は鉄を超える鋼のように硬いんだぜ‼」


 颯太が勝利を確信したような顔になっているのをザックは気に食わなかったのか、凄まじい速度で颯太に近寄り、フランベルジェで斬りかかった。


 ――ガキーーーーーン‼‼‼


 金属音が周囲に響き渡った。

 颯太は涼しい顔をしながらザックの斬撃を腕で止めていた。


「チッ、今の一撃でお前の剣を破壊したと思ったのによう」


 颯太は舌打ちし、フランベルジェを叩きながらそうつぶやいた。


「おい、‶龍斬り〟」


「……なんだ?」


「てめえ、何で腕や足にしか‶鋼筋武装〟してねーんだ? まさか、その無属性魔法は硬くできる面積に限りがあるのか?」


 ザックが颯太の腕や足を見つめ推測をした。颯太は図星だったのかかなり動揺していた。ザックはそれを見逃さず、


「やはりそうか! じゃあてめえの手足以外を狙えばいいのか!」


と言って颯太の手足以外に連続で攻撃を仕掛けた。


「させねーよ! ‶風流し〟‼」


 颯太はザックの斬撃を風で受け流していたが、ザックの猛攻は止まらなく颯太は少しずつ傷を負っていた。

 受け流されたザックの斬撃は、町の建物を次々と切り倒していた。


「もうやめろ! ザック!」


「へへへっ! もうやめられねえ! 俺を止める手段はもうねえ、げへっ、最高だ‼」


 ザックは颯太を斬りつけながら狂喜していた。リーナたちは狂乱するザックを見て戦慄していた。

 しかしザックの猛攻は一瞬止まった。どうやら‶ストロング・D〟の副作用が効き始めたらしい。


「どうやらお前の負けのようだな、‶ギロチンのザック〟」


 勝負がついて勝ちを確信した颯太がそういうと、


「俺はてめえをぶち殺して、報酬でバラ色の人生を手に入れるんだぁぁーーーーー‼‼‼」


とザックは怒り狂い、高く飛びあがった。その高さは颯太たちが米粒くらいにしか見えなくなるほどだ。

 高く飛びあがったザックからはおぞましい邪悪な魔力が漂っていた。


「何をする気だ!」


「てめえごとこの町をぶった斬るまでだ‼‼」


「やめろ! そんなことをしたらこの街の人たちが……」


「知るかよ! だったら守ってみろよ、‶龍斬り〟‼︎‼︎」


 ザックには颯太の言葉が伝わらず、颯太に狙いを定めて剣を振り上げた。そしてザックのフランベルジェからは紫色の魔力が出ていた。


「闇よ! その力で世界をぶった斬り給へ! ‶デスギロチン〟‼‼‼」


 ザックのフランベルジェは紫色の激しい火花をちらつかせて流星の如く颯太に斬りかかった。

 颯太は向かってくるザックに右手を構えて左手で右腕を抑えた。右手からはバチバチと青白い閃光が放っていた。


「闇属性の魔法!? 初めて見た!」


 リーナは上空に漂う魔力を感知しながら驚愕していた。その反面颯太はチッと舌打ちをしていた。そして彼は上空から奇襲してくるザックに右手を向けて手の平から青白い閃光を生成させた。


「お前を一発で仕留められるのはこれしかねえ……くらえ! ‶魔獣砲〟‼‼‼」


 颯太の手から青白い閃光が発射された。


「グォ!? なんだこれ、体が熱い! グァァァァ‼︎‼︎」


 ――ズドォーーーーーーーーン‼‼‼


 青白い閃光は一瞬でザックを包み込んだ。ザックの叫び声は次第に聞こえなくなっていった。




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