初等部1年Aクラス
よっしゃ朝だ!
1日の始まりだ!
頑張るぞー!
「おい」
「おはよう!グリム!」
「うん、おはよう。寝すぎだ!!!!」
おかしい、ちゃんと学校の授業に間に合う時間に起きているのに
「昨日何時に寝たよ」
まだ日が沈んでなかった気がする
「サフィラが寝たの14時だぞ!それに昨日朝しか食べてないだろ!」
あれぇそんなに早かったかな?
きっと空間転移の練習で疲れたんだね☆
「そんなわけあるか!よく寝るとは思ってたけど、さすがに病気じゃないのか?」
まじめに心配された
でも5歳ってこんなもんじゃなかったか?
毎日12時間ぐらいは眠っていた気がする
「ニンゲンの子どもなんて観察したこと無いからな...それが普通ならいいけど…」
うん、きっと普通だ
「ご飯食べないのは?」
美味しくないから食べたくない、なんだか味が変な感じがする
「ちゃんと理由があったんだな。これは?」
狼肉のジャーキーだ
受け取って口に入れる
美味しい!産まれて初めてこんな美味しいもの食べたよ!もっと早く分けて貰えばよかった!
「良かった。やっぱり味覚も普通のニンゲンより、魔獣に近いのかもな。好きなだけ食べていいぞ」
いくつか受け取ったが、今食べてしまうと朝食が食べられなくなる
「お昼ご飯にするね」
「分かった。預かっておくよ」
早い時間だし、父はまだお弁当を作っていないだろう
必要無い事を伝えに行く
朝食を食べ終え、ぎりぎりまでのんびりしようと部屋に戻る
物足りない、ジャーキー食べたい
「食べろ食べろ、サフィラは痩せすぎだ」
さっきよりたくさん渡された
こんなに食べきれないって
「魔獣の肉は栄養素が少ないから、食べ過ぎなぐらい食べたほうがいい」
仕方ない、食べられるだけ食べておこう
時間になったので、学校の中庭に転移する
うう、お腹がいっぱいで苦しい
「大した量じゃなかっただろー」
グリムにとってはそうかもしれないけどさ...
食べ過ぎて吐きそうになりながら、手紙に書かれた教室に向かう
初等部1年Aクラス
席は決まっていないので適当に後ろの方に座る
ここってマリアンネのいるクラスじゃなかったっけ?
「そうだな」
いじめとか関わりたくない!
だけどほうっておくのはもっと嫌だ...
目の前で何かされるようなら、なんとかしよう
「ちょっと、委員長のくせになんでこんなギリギリに来てるわけ?」
「自覚足りないんじゃない?」
「ごめんなさい...」
「いいからゴミ片付けて来て。昨日やんなかったでしょ」
「温室の水やりは?」
「ま、まだです...」
「早くしてよ、今日当番だよね」
これってイジメっていうより、要領が悪いせいで疎まれてる感じ?
「それもあるけど、あの子達は突き飛ばした奴とは関係無いな」
マリアンネを虐めてるのは誰だろう?
「あいつら」
グリムの視線の先を見ると、騒いでいる男の子のグループがある
いかにもオラついている
あまり関わりたくない人種だ
教室の扉が開き、メガネをかけた女性が入ってきた
「皆さん静かに!」
女性の声に、教室が水を打ったように静かになる
「サフィラさん、前へ」
生徒たちの視線が一斉に私に集まる
見ないで、怖い
「聞こえなかったのですか?サフィラさん、前へへ」
「はい!」
マジで怖いので、大人しく前へ出る
「自己紹介を」
「初めまして、サフィラと申します。テイマーを志望しております。本日よりこちらのクラスで皆さんと共に勉学に励むこととなりました。これからよろしくお願いします」
「パートナーのグリムでーす。ドラゴンでーす」
「どうぞ、席へ戻ってください」
「失礼します」
怖かったあああああああ
グリムはもうちょっと真面目に自己紹介してよ!
「だって紹介すること無いし...」
こういうのは形が大事なんだってば!
「次から気をつけるって」
帰りたい
「打たれ弱すぎるぞ!?」
帰りたい
「ほら、狼肉」
おいしい
「何をしているのですか?」
「餌付け」
「グリムさんと言いましたね?授業中の飲食は禁止です」
「オレは食べてない」
「あなたがサフィラさんに食べさせたのでしょう。このような行為は控えてください」
「...はい」
「それでは、各自授業の教室へ移動してください」
教室がザワつき、生徒たちは各々の授業教室へと散って行った
じゃーきーおいしいな
「元気は出たかー?」
「ちょっとだけ...」
「訓練場行こうか」
最初はテイマーの訓練だっけ?
「そうそう、試験まではずっと訓練だ」
魔獣と幻獣の生態学気になるんだけどなー
「正式に入学が認められてるのって6歳からだろ?1年間はテイマーの訓練だけさせられるんじゃないか?」
面倒だけど、グリムと一緒に居られるならなんでもいいか
「サフィラもオレのこと言えないだろ...」
「口にするのと考えるのじゃ大違いだもん」
「ふーん...」
とにかく、ジャーキーのおかげで元気が出てきたので張り切って訓練に行こう!




