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まずはオーディションから!

「The moment you fall in love, you change--」

・・・やっと終わった〜、あとは落選するだけだー!

やっと終わった事への嬉しさにより涙がでてきそうだった。

俺の名前は佐藤 理央。男子高校2年生だ!男子だ!

今、俺は双子の妹に代わって、何故か芸能プロダクションの最終実技審査を受けている。・・・しかも女装で。

待て待て待て、これにはちゃーーーんと深いような浅い理由がある。



今朝、いつもより豪華な朝食が出来ていた。

「今日13時からあんた最終オーディションあるからね。精一杯アピールしてくるのよ?」

「あー、わかったー。そこの醤油とって。」

俺は寝惚け眼で軽く可愛い妹の話を聞き流していたが、時間が経つに触れどんどん頭が覚醒していき、絶叫した。

「オーディションって何⁉︎なんのこと⁉︎アピールって⁉︎」

テンパってる俺を見ても流石妹の真央は冷静だった。

「だ・か・ら、アイドルオーディションに理央のこと応募しといて第一次と第2次は書類審査だったから通ったよってのが一昨日届いてて今朝今日オーディションがあるからがんばってねって言ったじゃん。煩いなぁ、もう‼︎」

そこで頰膨らませる妹はすごくかわいい。超可愛い。けれど言っている言葉がお兄ちゃんちょっと理解できない。

「なんで、俺がアイドル⁇とゆうか一昨日届いてたならお兄ちゃんに一昨日連絡してくれてもいいんじゃなかったのかな?」

「だってそしたら、理央逃げちゃうでしょ?せっかく応募して最終まで残ったんだから!あ、服はこれね。着れたら私の部屋に来てね。メイクするから!あ、逃げたら理央のCDと漫画とフィギュア全部お焚き上げするからね⁉︎」

俺は真央から肩がガッツリ空いているオフショルダーの総レースでできた白のワンピース渡された。ブ、ブラジャーとショーツも・・・。

俺は、ただのオタクなのに何故、夏休み到来で宿題を早々とやり終え、大事なアニメライフを送ろうとしてただけなのに‼︎神よ、なぜこんな地獄をお与えになられた・・・‼︎

考えろ、考えるんだ、俺‼︎

どーやったら逃げ出せる⁉︎・・・風邪ひこ!

「ねー、真央。お兄ちゃん、今日ちょっと具合悪いみたいだから真央が出てきなよ。ねっ?」

「あ?なんか言った⁇」

「・・・ナンデモナイデス。スグニキガエテキマス。」

俺の妹は多分オリハルコンでできたハートを持っている。その点俺は、ノミのハートを持っている。流石双子!足して二で割ったら丁度良くなるようになってるなぁ(T ^ T)

俺はアホなことを考えながら着替えた。おいおいおい、これ肩ガッツリ見えてんじゃん!喉仏も見えてんじゃん!女装ってわかるじゃん!いくら俺が学校で色白って言われててもこれはもう完璧男ってわかるよ!

「着たよー。でもこれってガッツリ男ってわかるよね⁉︎なにこの羞恥プレイ⁉︎」

「大丈夫、理央。首出して。」

真央はそう言って俺の首に蝶のアクセサリーのついた黒いチョーカーをつけた。わぁ、これで喉仏とか目立たない!・・・じゃなくて!

「いやいやいや、これで喉仏は目立たないけど、俺のガッシリした肩とか見えてるじゃん!」

「ガッシリした?そんなのどこにあんの?私の肩と同じくらい女にしてはナヨナヨした華奢な肩と腕しかみえないわよ?ハイ、メイクするから座ってー」

真央は俺の話をことごとく俺のプライドと共にバッキバキに折っていった。

挙句の果てにメイク完成〜といって俺を炎天下の中に放り込んだ。


オーディション会場に着くと案外人が少なく、可愛い子ばかりだった。うわぁ、メッチャジロジロみられとる。怖いっ!もうお家帰るー‼︎

「受付はこちらです。」

「ヒッ‼︎」

受付の人はポカンと俺を見た後、軽く笑って挨拶してくれた。

「緊張されてるんですね、こちらにお名前をお書きください。佐藤理央さんですね。頑張ってください‼︎」

俺は案内された部屋の隅で丸くなっていた。椅子の上に体育座りして帰りたい感MAXだった。

「佐藤理央さーん、出番でーす!」

「ひゃっい‼︎‼︎」

あー、やらかしたー!と思った瞬間周りからクスクスと笑われて俺は真っ赤になりながら部屋を退室した。

俺の戦いはここから始まる・・・‼︎

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