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僕に残ったもの

 その想いは貴方に。


 その心は貴方に。


 その声は僕に。


 その傍は僕に。


 願いなんて、何一つとしてない。


 そんなものは願うより先に手に入ってしまったから。


 元気に叫べる声と、嬉しそうに駆け回る後姿。


 それは人として当たり前なのに、僕には在り得ない事。


 貴方は誰?


 どうして、僕に微笑ほほえみをくれるの?


 僕はなにも応えて上げられないよ。


 何もしてあげられないよ。


 ただ貴方の傍に居ることしかできないんだよ。


 泣くことも、笑うことも、怒ることもない器だけを持つ存在。


 ある日突然訪れた覚醒は、僕を世界の果てへといざなった。

 

 闇への入り口へ、進んでいる。


 貴方は何?


 一体いつの間に空虚な僕の心の中に入り込んでいたの?


 僕はいつからその姿を目で追うようになった?


 ぐるぐると、得体の知れないものが内で蠢いている。


 知らない感情が貴方によって覚えさせられていく。


 闇を抜けて向かった先の作り出された世界は、明るかった。


 今まで暗闇に居たせいもあってか、ものすごく眩しく映った。


 ここはどこだろう?


 なんて云う世界?


 雪がちらほらと、白い綿の下を舞う。


 僕はそれを見上げては、笑う。


 僕は人と同じ世界で生きることで、笑顔を覚えた。


 桜がひらひらと、深い黒のカーテンの下を舞う。


 僕はそれを受け止めては、微笑する。


 遠い空を眺めては馬鹿だなと、思ってしまう。


 君の笑顔を見ると、涙が出そうになる。


 君は今、泣いていますか?


 僕は君と離れた遠い空の下を、やっと独りでも歩けるようになりました。


 もう寂しさも、悲しさも、つらさも、苦しささえもない。


 僕に残ったものは笑顔と、怒りと涙だけ。


 僕は人として、同じ時間を君と行きたかったなぁ…。


 だから、いつかまた二人が出逢える日が来ますように。

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