ノエルの過去
ノエルとお話をして、魔法の使い方を教えて貰って、ノエルの記憶をもらい、私は目を覚ました。
フカフカのベッドだ。
どうやらギルドの中らしい。
ノエルの記憶、凄い。
そして悲しい。
この力を手に入れるまで、私とノエルが出会った真っ暗で何も見えないような世界にずっと、ずーっと一人でいて、その時間は今ある宇宙の年齢なんて比じゃない。
もしかしたら、誰にも会えずに死んでいたのかもしれない。
それでもめげずに頑張って、そして、ビックバンを起こすことに成功した。
けど、ビックバンは成功する確率がとてつもなく低く、しかも体力が戻るのに一億年かかる。
「もしも、ビックバンが失敗したら、私は…」
彼女はそんなことを毎日、しかも何もない世界で考えながら生きていたんだね。
一人称がボクなのは、前の自分とは変わりたいから。
姿を見せないのも同じ理由。
もし、私がノエルの立場だっらすぐに自分に消滅魔法をかけて消えていた。
だからこそ、次に会うときは「友達になってくれない?」と、絶対に言ってあげよう。
じゃないと、ノエルのやって来たことが報われないから。
これ以上考えると、私が泣いちゃうので他の記憶を見てみる事にした。
驚く点が多すぎる。
「まさかブラックホールにそんな秘密があったとは…」
意味は理解できてないけど、なんとなく学者気分で言って見たかった。
それから、魔法って6属性だけじゃないんだね。
時間操ったり、空間を創り出したりする魔法とか、重力魔法など、数え切れないほどある。
スキルツリー、オールフリーで。
しかもこの記憶があればそれを全部使えちゃうんだもんね。
これって私強すぎない?
あと、光と闇は+αで考えないと脳が液体になりそう。
だって創造と消滅の劣化魔法。
恐ろしいよ。そんな力をどっちも最高値で同じように持ってたら。
この2つがないと、今ある魔法はなくて、必ず微量ながらどの属性にも光と闇は含まれていて、それによって属性の打ち消しが可能になって…………
「ああ!! 脳が幾つあってもたりない!!!」
ノエルさま。やっぱり尊敬します。
装置が壊れた理由も、お説教の内容も、よーくわかった。
私のマナの量とか、身体的なこと以外、全て∞になってる。
それから、マイナスの力も使えちゃう。
この世界の魔法は、光メインで形成されてる魔法で、微量の闇を含んでいるらしい。
その微量の闇が属性によって含まれる量が違って、火と水で打ち消しあうなどの相殺現象が起きる。
つまり光メインがプラスの魔法。
もちろん、光で可能なら闇もある。
それがマイナスの魔法。
「つまり、∞はノエルの持ってる最高値で、私もその力を手に入れたんだ。」
更にノエルはレベル∞でこの力を手に入れたけど、私はまだレベル1。∞以上の記号は私が創る事になっちゃうんだ。
ダサかったらごめんね!
まとめるとこういうこと。-∞~+∞までの範囲を操る事ができて、それは全宇宙、全時空間において一番強いことになる。
持ってる力はでっかいのに、身長も胸も小さすぎる。
みんなが思ってる以上に気にしてるんだからね!
だから他人に“お前、ちっちゃ!”とか言っちゃ駄目!
そんなことを考えていると、ドアがノックされ、リリィが顔を赤らめながら入ってきた。