天涯孤独(という設定)なんです!
装置はその人の指紋によってその人のすべてを測定できる。
そして、装置を起動させるには、マナと呼ばれる魔力を流し込む事が必要なのだと。
ちなみに、マナの量が多ければ多いほど正確に測定できるらしい。
現に私の右には世界最強と言われているアークがいるわけだ。アークに測定してもらうことにした。
「いや、僕の場合、マナの量が多すぎて機械が壊れてしまう。」
わけではなかった。
結局、リリィのマナを使って測定することにした。
右手人差し指で装置のボタンを押す。
アイフォン7のホームボタンとさほど変わらない押し心地。
すると、データが空中に出てきた。
橋本 詩織 女性 12歳
身長150.8 体重38.7 視力共にA
などなど。至って普通の測定である。
唯一の不満と言えば、年齢が12歳なこと。
12歳って小6じゃん!
けど、前世を足すと32歳。まぁまぁいい歳なので12歳でやっていく。
続いて、レベルの測定
魔物をきちんと倒すことで、ギルドから経験値が送られる。
橋本 詩織 レベル.1
そのあと色々質問したり、されたり。
測定中とは思えない愉快さ。
だか、空気は急に変わった。
「「えぇっ!!」」
二人はびっくりしてる。
「おぉ、どうなんだ?リリィさん!」
「まさかパンツ黒いのか?!」
「もしかしたら履いてないのかもしれないぜ!」
「そんなわけあるか!この変態が!」
「「「ガハハハハハ!!」」」
最後から二番目の、正解。
「いいから早く聞かせてくれ!」
ここでリリィが一言。
「この娘、レベルが1なんです。」
「だろうよ!だって可愛いもんな!」
どんな理由だ。
「あぁ!俺は妹に来てほしいぐらいだ!」
嫌だ。絶対色々な服を着せられるもん。ゆっくりしたいのに。
ここで、アークが叫ぶ。
「そうじゃない!」
「じゃあどうしたぁ?」
「この娘、シオリはレベル1にも関わらず、全てのスキルツリーが解放されている。いいか、全てだ!」
そうなの?
「魔法は全属性、武器なんか、僕の知らないものまで!それがレベル1で全て使えるんだ!それどころか、僕でも使えなかったり、見聞きしたことのない魔法や戦法まである。」
まぁ、一応全てを頂いた訳だし、そうはなるのかな?
「だが、どうしても見ることが出来ない!文字が意図的といってもいいぐらいに綺麗にぼやけてる!」
「なん…だと……」
「俺なんか、7年かけてレベル58まで上げて、やっと43まで解放したのに!」
「アークさん、それは本当か!?」
「あぁ。なんなら見てみればいい!」
ざわついてるが、なんで?
スキルツリーってなに?
「リリィ、スキルツリーってなに?」
「シオリ、本当に言ってるの?」
「うん。教えて欲しいなぁ~」
「分かったわ。スキルツリーと言うのはね…」
スキルツリー
それはその人間が使える魔法の数が分かるツリー。
意味わかんないよね?
だって私も分からなかったもん!
もっと分かりやすく教えてよ!
スキルツリーの見た目はトーナメント戦の図みたいで、上から見て、どんどん枝分かれしていく。
その至るところに文字が書いてある。
それが魔法の名前らしい。
読めないけど。
魔法は一人の人間に必ず一つ、生まれつき使える魔法の属性があるらしい。魔法には一属性につき、一人の神がいるから、それによって信仰する神様が変わるんだって。
それから、成人すると、もう一つだけ属性を持つことができるんだって。
だから合計2個。
3つは体が拒むんだって。
どうしても3つ以上魔法を使いたい人とか向けに、魔法石といわれる石に他属性の魔法陣を組み込んで、マナを流し込む事で、覚えることなく使えるんだって。
便利。でもお高いんでしょ?
いいえ、その辺の石ころでも出来るんだって。
でも、魔法陣を書く事ができないので、国が作ってくれてるらしい。
ムカデみたいな化け物を凍らせたのを私と疑ったのは、魔法石なら可能だからだと思う。
まぁやったのは私です。
スキルツリーはレベルアップと共に解放されていくんだって。
そしてレベルMaxになるとその属性最強の魔法を習得することができる。
なのに私は全属性で更にスキルツリー全解放。
それどころか、最強魔法以上も使えるらしい。
あれ?スゴくない?
ちなみに魔法は全部で8属性。
火 水 風 土 雷 回復。
そして光と闇。
この2属性は神様がいないんだって。
というか、光と闇って何が起きるの?
光と、闇の? パレードw
はい。地底王さんなんていないから。
でも、魔法が使える世界なら、いないことも無さそう。
今度聞いてみよう。
魔法は組み合わせる事ができるらしくて、2属性にするときにそういうことも考えるらしい。
まぁ適性もあって、仕方なく属性を付け足す人もいるらしい。
ちなみにアークは火と光。
生まれつきに火属性をもっていて、光属性をもっていると、聖騎士になりやすいから、光属性を付け足したらしい。
余談だが、この国の人気属性ランキングでは、一位が火属性。二位が光属性とアークの人気がわかる。
それから、全世界で闇属性はあまり人気がないらしい。
というか、昔、神が嫌う々不気味な属性として使える人や、使おうとしてる人など、全員殺されたらしくて、使える人が現代にはいないとのこと。
闇属性さん、貴方、忘れられてるんだって。
次に、リリィから武器について軽く説明された。
接近戦をしたい人などは、剣や斧などを使う。
剣にマナを流し込んで斬ると、アニメでよくあるビームみたいなのが飛ぶんだって。
素振りでもいいじゃん。
魔物に近づきたくない人は魔法が尽きた時の為に、弓矢や銃を持っているとのこと。
最近は技術が発展し、マナが銃弾になるのもあるんだって。
マナに自分の属性を組み込むと、その属性の効果が起きるんだって。便利。
武器は訓練が必要とのこと。
剣なら戦法。銃なら狙い方と射程距離について。
そういうのは学校で教わるらしい。
一段落着いたところで、次は所有マナの量を測定するとのこと。
装置を変えるので、一旦休憩。
のんびりしてると人が集まってきては、
「お嬢ちゃん!俺と戦ってみないか!」
「いや、俺が先にやるんだ!邪魔すんな!」
困った。魔法の使い方は愚か、戦い方すら知らない。
「あ、あのっ! わ、私、戦い方とか、魔法の使い方とか、知らないんです!」
よし。これでどっか行ってくれる。
そう思ったんだけど、現実は違った。
「そうかぁ!なら俺が魔法の使い方を教えてやろう!」
「俺なら剣技を教えてやれるぜ!」
「お嬢ちゃん、学校、行ってないのか?」
行ってない。だって生まれて30分も絶ってないし。
「今さっき、この国に来たの!今までは森で一人で生活してた。…お父さんも、お母さんも、魔物に殺されちゃった。」
なんて悲しい話。
私の両親は今ごろ静岡でみかん作ってるんだろうな。
そんなそとを知らないので
「そうだったのか…ならこれからは
俺がお父さんだ!いっぱい魔法教えてやるからな!」
「お父さんになるのは俺だ! 家には君と同い年の娘がいる!家の方がたのしいぞ!」
「俺の娘になったら剣技をたくさん教えてやろう!」
「俺の子にはな!簡単に魔法が覚えられるように語呂で覚えさせてんだ!誰も知らねぇ簡単に覚えられる!」
魔法って歴史みたいに覚えるのか。
歴史大変だったなぁ。
娘になれアピールを歴史で例えるならアヘン戦争。
いやよぉ(1840年)
誰の娘にもなりません。
するとリリィがこんな一言を。
「行き場がないなら、ギルドにおいで。それから、学校にも通わせてあげる。いいよね?アーク?」
「あぁ、勿論だ!シオリ、学校で沢山勉強してこい!」
「よし!決まりね!」
うんともすんとも言ってないのに…
まぁ寝泊まり出来るならありがたい。
「よし!シオリ、学校を選ぶ為にも早くマナの量を測定しましょ!」
マナの量で学校が決まるのか。
高校で例えたら入試試験みたいな感じ?
「さぁ、ここにさっきと同じように指をおいて♪」
ずいぶんと楽しそうです。
ここでマナの量についての説明。
一人の人間が持てるマナの量の上限は9999。これはレベルでも言えることらしい。
“9999を叩き出したのは両手で数えきれるほどしかいない。”といっていたけど、両手って思ったより多くない?。
普通の人間は20~30
冒険者に当たっては平均が400~500らしい。
この差は一体なんなのか?
そして世界最強と言われているアークは6400を叩き出したとか。
誰も勝てない訳だ。いざとなったらアークに任せよう。
そして測定の準備が整った。
どうせ15ぐらいでしょ?と思いながら右手人差し指を装置においた。
その瞬間、機械が爆発した。
同時に爆風が起きて、私は椅子から落ち、気を失った。
詩織の死んだ理由を事故死に変えました。
かわいそうなので。