また一段と幼く...
目がさめると、綺麗な空が見えた。
東京では見れないぐらい綺麗な空。
まさか、生きてるうちにこれを経験するなんて......あれ?
「はぁ!?」
あっ、叫んじゃった。ごめんなさい。
違う!そんな事どうでもいいの!
「なんで生きてるの!? 私!?」
まぁ、生きてるならそれでいいや。
それから約30秒後。
「私の声じゃないじゃない!」
あれ?これって生まれ変わっちゃったとか?
心配になり、自分の容姿を確かめる。
確か髪も瞳も薄っすらと茶色っぽかった。
胸は...記憶にすらなかった。
しかし、
透き通った蒼い瞳に、腰まで伸びる綺麗な金髪。
年齢も2〜3歳若く見える。
更にめちゃくちゃ可愛い!
......胸ないけど。
そのあと5分間自分の容姿にパニクって、とりあえず声を出したりしてみた。なんと言うか、楽しい!
ちなみに、自分で言うのもなんだけど、私はまぁまぁ可愛かった。
見た目が幼かったんです。私。
身長も低く、童顔。2個下の後輩にも“先輩って本当に可愛いですよね!妹みたいです!”
と言われるほど。
新任の人は大抵年上で、20になっても背は延びず、みんなに“詩織...さん...?って中卒ですか?”と聞かれるほどに。
高卒なんですよ?
2〜3歳っていってもさほどかわりないけど。ぐすん。
まぁ、そんな事は置いといて、見たこともない服を着ている。
コスプレチックな服だった。恥ずかしい。誰かに見られたら死ねる。もう死んだけど...
とりあえず動いてみよう。
現在、公園の軽い森林みたいな所にいる。
なので回りがよく見える。
更に、空気が美味しい!
それから、視界が低い気がする。まぁ仕方ない。
若返ってるんだから。多分。
しばらく歩いていると、街が見えた。
どうやらここは街の外れの森らしい。
とりあえず街へ出てみよう。
そう思った瞬間、目の前に気持ち悪いムカデのような化け物が現れた。
めちゃくちゃでかい。そしてキモい。
「…………」
暫しの沈黙
そして
「いっ…いゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
どうやら、あの化け物が叫ぶ前に叫んでしまったらしい。
そしてやらかした。
下手に刺激してしまった!
走って逃げ出したけど、ここで漫画見たいに綺麗に転んでしまう。
「いやぁぁ!まだ10分も経ってないのにぃぃ!!死にたくないよぉぉ!!」
中学生ぐらいに見えるの女の子が泣き叫んでる。
これをビデオに撮られて見せられたらめちゃくちゃ恥ずかしい。
元の世界なら普通に誰かが助けてくれるんだけど、まだ人に会ってない。
なんて不運な。つくづくついてないなぁ。
そして私は、化け物の足(?)に捕まってしまった。
その時、恐怖のあまり漏らしてたらしい。
いい大人が何してるんだか…
目を開けると、目の前に化け物の顔が……
あぁ、セカンドライフ、終わった。
「冷凍スプレー......でも無理かぁ…」
ゴキブリを凍らせるやつ。あれ便利だったなぁと思いつつ、つい口に出してしまった。
その刹那、化け物は凍って、私は助かった。
驚いたのは、凍ったのは化け物だけではなかったこと。
。
森が凄い勢いで凍っていく。
下手すると街も凍る勢い。
だって1秒たらずで半径5キロは凍ったんだよ?
流石に焦る。
「ストップ!ストップ!止まって!!」
そう叫ぶと徐々に勢いが収まり、そして止まった。
街に被害はなかった。
けれど、凍ったのは化け物や森だけではなかった。
「うぅ…股がスースーする…」
漏らしたせいでパンツまで凍った。
「…………。恥ずかしいぃ…。」
ちいさく呟いたはずだったが、その声は少し響いたのであった。