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人生、何が起こるか分からない

橋本詩織 これが私の名前。


憧れの仕事に早く就きたくて大学には行かず、高卒でその仕事に就いた。


ここまでは良かったのだけれども、それはある日突然起きた。


誕生日の日の帰り。


駅から歩いて帰る途中に酒浴び運転をしていた大型トラックに跳ねられ、死んでしまった。


本当にあっという間に死んでしまって、正直死んだ実感がない。


ただ、認識を上回る程の痛覚だったのは覚えている。


とっても残念人生かもしれない。


まぁ、今までを振り返ると、楽しく、特に疲れも感じず、充実していたと思う。


なので悔いもない。長いようで短かった20年間。幸せだったなぁ。


...でも、なぜ意識があるのだろうか。

まぁいいか。死んでしまった事には代わりない。


辺り一面、真っ暗。そこに私が浮いてる。

宇宙ってこんな感じなんかなぁ。


そんな事を思っていたところ、目の前に色とりどりの点がついていく。


「綺麗...」


思わず声が出てしまった。


本物の宇宙を泳いでる感覚。


そして、私の前にとある人物が現れた。


これ誰だろう?美和かな?それとも舞衣先輩だろうか。


その女性は背が低いので、取り合えず身長の低い人を思い浮かべてみた。


うーん。誰かなぁ。


数分考えた。そして自分に呆れた。...それは私だった。


何で気づかなかったんだろう?


出社前歯磨くでしょ?


鏡見てるでしょ?


そんな事を思っていると、私の姿をした何かは私にこういった。


『もう死んじゃうの? 夢は叶えたらおしまい? もう少し、生きていたくない?』


返事をしなきゃいけない状況。


なので仕方なく返事をした。


「うん。生きていたい。」


そりゃそうだ。


「でも、この世界は嫌だなぁ。みんなに合わせる顔がないや。」


すると予想を上回った返事が返ってきた。


『なら、いっそのこと、別の世界へ行ってしまおうよ!

なんでもできる。いや、自分の思うようになる世界へ!!!』


何が言いたいんだか。私は…


「うーん。もう満足してるんだけどなぁ。」


この回答に私の姿をした何かは黙りこんでしまった。


そんなこと言う人初めてだよ…と呟いたのが聞こえた。


どうやら結構困ってるらしい。


何分か考え、私の姿をしか何かはこういった。


『なら、君の願い事をひとつだけ聞いてあげよう!』


「願い事って?」


『名誉が欲しいなら名誉を、民が欲しいなら富を。物で例えたけど、別に形にならないものでも大丈夫。』


「いや、別に何もいらないんだけど。」


っていうか、生き返ることは前提なんですか?


『え? 本当に言ってるの? 何でもひとつ叶うんだよ?』


「本当に何もいらないのだけど…」


怪しい。明らかに怪しい。


『うーん。本当にいらないのかぁ。ここまで無欲な人間は初めてだよ。』


…別に何もいらない。


『仕方ない、君に『全て』をあげよう!』


「うん。くれるなら貰っておく。」


『よし来た!それから君には地球じゃない別の世界にいってもらう。』


「えぇ。え? え!?何を言ってるの?」



『飲み込めないのも無理はない。けど、その世界では君の思った通りになるんだ!』


それならそこそこ栄えてる街でゆっくり暮らそう。


「天国かぁ。楽しみだなぁ」


『えっ?! 君、本当に天国があると思ってたの? 面白い! 最高だよ君は!』


大爆笑された。


『まぁ捉え方次第で天国かも知れないね。さぁ!楽しんでおいで!最高のセカンドライフを!!!』


もう言い返す気にもならなかった。

と思った瞬間、急に意識が朦朧としていく。


...本当に死んじゃったよ。意味の分からない事が起きたけど


そして私は心地よい眠りについた...

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