僕の願い事が叶うなら
はじめての投稿です。どうぞ宜しくお願いします。
僕は、凄く病弱だ。すぐに熱を出して寝込んでしまうし、食事を取るのもアレルギーがある為、面倒だ。すぐに、お腹を壊してしまうし…。楽しみといえば、読書ぐらい。そんな僕が先日、定期的に通院している病院にて、「余命半年」との告知をうけた。僕は、何故こんな目に合わなければならないのか。もっと人生を楽しみたかった。半年で、いったい何が出来るというのか…。病弱な為、親しい友人などいるわけもない。学校さえ、休みがちで、運動会や修学旅行などのイベントも当然アウト。彼女など、夢のまた夢である。
世捨て人のような生活を送る僕が、オカルト趣味に走ったのも当然といえば、当然の事かもしれない。
僕は、こんな日がいつか来ると予想していた。ベッドの上でただ、時間を無駄にしていたわけではない。全精力をある事を調べる為に費やしていたのだ。そして、僕は遂に見つけたのだ‼︎「悪魔を召喚する」方法を!
面倒だったが、全ての準備は整った。とうとう、今夜決行する事が出来る。悪魔を召喚して、「願い事」を叶えてもらうのだ。
悪魔はモヤモヤした黒い霧に包まれて、はっきりとした姿を現した。ねっとりとした、甘ったるいような、それでいて腐乱した卵のような香りが辺りにたち込め、足元に冷気がスッと入り込んだ。
悪魔はあの決まり文句を唱えた。
「お前の魂と引き換えに、三つの願いを叶えてやろう」
「僕に永遠の命を!」
悪魔は一瞬、顔を顰めたような…
「あ〜、それは永遠に生きたいという事かな?親や親族、友人や知り合いまでもが死に絶え、人類が滅亡しても生きたいと?」
「今だって、世捨て人みたいな生活だし、あんまり変わらないと思うけど。もちろん、魂は、死んでからでいいんでしょう?」
「永遠の命を叶えたら、永遠に魂が手に入らないではないかっ!」
悪魔は、ハッと口を押さえかけて、罰の悪い顔をすると次の願い事を聞いてきた。
「僕と結婚して。」
「はぁっ⁈悪魔と結婚したいと?女性でもない、人間でさえない私が、結婚など出来る訳…」
「今は、同性でも結婚出来る時代だし、何でも叶えてくれるはずだよね。」
「しかし…」
「じゃあ、僕も悪魔にして」
「あぁ、なんて事だ。最近の人間って奴は、おかしな奴ばかりだ…」
そして、三つの願い事を叶えてもらった僕は、悪魔になって悪魔と一緒に永遠の時を過ごす事になりました。
これで、何も心配しなくて良くなったし、何より孤独から解放されて、妻(悪魔)と地獄での新婚生活が凄く楽しい。
ー完ー