佐藤健太物語2
起きると、朝の9時40分だった。
二度寝はしない性分なので、すぐに起き上がった。
今日は土曜日だ…。
洗面所へ行って顔を洗う。
自分の部屋に戻って机の椅子に座る。
…いつもここで今日一日どうしようかと考えるのだ。
本当にどうしよう。ヒマすぎる。
まぁいつもそうなんだけどなぁー…
学校に行ってる時は早く休みがこないかと待ち遠しくなるもんだが、
いざ休みになるとヒマでヒマで、やっぱ授業とかはつまんないけど
休み時間とかで友達と遊べる分学校いってた方がいいかなぁ…
本当、どっちの方がいいのかねぇ…
…答えなんかでないくせにこんな事を考えていると、
いつのまにか時計の長針は10時をさしていた。
「うわー時間もったいねー…」と一人呟く。
今時間を有効に使う方法なんて思いつかないからこんなくだらない事を考えてんだよ。
いつも思うことだけど、ここまでヒマになると先生に宿題でも出して欲しかった。
しかし、本当に出された時にはやる気が出なくなってやらないんだろう。俺は。
…全く、こんなにいろんな事考えるなんて俺は本当にヒマしてるようだ。
「…ゲームでもやるか…」
こんなとき、俺はいつもきまってゲームを始める。
俺の部屋にある小さなブラウン管テレビに黄色と白のコードをつなぐ。
このテレビは赤のコードはつなげない。ただつながなくても普通にゲームは起動する。
「…このコードってなんの意味があんだろ…」
テレビから一つだけ垂れ下がっている赤コードをみると、いつもそう思う…
ドーン!!ガガガガーン!!
ゲームを始めてからいつのまにか4時間もたっていた。
「うわっもうこんなにやってたのか…」キレのいいところでやめよう、
次のセーブポイントで終了しよう、と考えながら続けていると、窓の外はもう暗くなっていた…
俺は一日をゲームで潰した。
「あーぁ、せっかくの休みが…もったいね…。……。」
今日もいつもと同じようにして、ベッドに入り、部屋の明かりを消した。
…改めて考えると、俺の毎日は本当につまらないものだった。
将来の事は考えた事ないけど、あと70年間もこんなループのつまらない毎日を過ごさなきゃいけないのかもしれない…
俺はそれで耐えられるのだろうか?自殺…なんかしないよな…俺は…
カミサマは理不尽だ。
毎日を楽しく過ごしているやつもこの世のどっかにはいるんだろ?
じゃあ俺みたいなのはなんでいるんだよ。
俺なんかがいなくても他の人たちの日常は少しも変わらないのに…。
……。
胸が締め付けられるようなさみしさとも悲しさとも言えない妙な感じが俺を襲った…。
……俺は…。
ふと琴音の顔が頭をよぎった。
「…琴音…」
俺は、琴音がいなくなったら、一体どうなるんだろう?
そんな事を考えながら、俺は眠りについた…。