契約成立!
「ここから先は、許可のある者しか入れん。お前は誰だ?」
城に着いて早々、門番が鋭い声でそう言った。
私はビクッと体をこわばらせ、慌てて答える。
「わ、わたっ、わたしの名前は……ノナ・ラゼンド、ですっ。
さ、最強の魔女……なんて、呼ばれてましゅ……!」
——噛んだ! どうしようどうしよう、噛んじゃった!!
絶対笑われる……!
門番は一瞬だけ目を瞬かせてから、淡々と続けた。
「証明できるものはあるか?」
「は、はいっ!」
私は鞄の中を必死にあさり、ようやく一枚のカードを取り出した。
“三上位”以外には持つことが許されない特別な証、《三上券》。
門番がそれを確認し、わずかに表情を和らげる。
「……本物ですね。お通りください。」
「は、はい……!」
♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢
私は案内のままに客室へと通された。
部屋は広く、どこを見ても磨き上げられた美しさだった。
「綺麗……」と小さく呟き、調度品を眺めていると、コンコン、と扉が叩かれた。
「どうぞ」
入ってきたのは——コロレヴィ・ハセオロ・セザール王本人だった。
彼は私の前に座り、静かに言った。
「今回の依頼を受けてくださり、心より感謝いたします」
「いえ。ですが、この件について私からも二つ、条件があります」
私がそう言うと、王は姿勢を正し、真剣な表情で応じた。
「お聞きしましょう」
「一つ目は——学費を全額、貴方が負担すること」
「……わかりました。もう一つは何ですか?」
「護衛として活動する上で必要なものは、すべて王家側が用意すること。それが出来ないなら、この依頼は受けられません」
静かな口調で告げた瞬間、護衛が一歩前に出た。
「貴様! 無礼を——」
「控えよ」
王の一言で、空気が凍った。
「この方はノナ・ラゼンド様。世界を救った“最強の魔女”だ。王であるこの私が頭を下げることを恥じるな」
護衛は血の気を失い、顔を真っ青にして下がった。
「……申し訳ありません、ノナ様。後ほど私から厳しく言っておきます」
「構いません。恐らく、あなたの臣下として当然の反応でしょう」
そう軽く言ってから、私は話を戻した。
「それで、条件は飲んでいただけると?」
「ええ。どちらもお受けします。ただ——一つお願いが」
王は少し困ったように微笑んだ。
「息子、リンと学園の寮では一緒の部屋にしていただけませんか?リウドゥール学園の寮は四人部屋です。一人はすでに決まっていますが、もう一人は貴女が選んで構いません」
王は一呼吸置き、真剣な目で続けた。
「どうか、リンを守ってください。そして、必要な時は寄り添ってください」
その姿を見て、私は少しだけため息をついた。
「仕方ありませんね。そこまで言うなら、お引き受けします」
「おお……! 感謝します、ノナ様!」
王は安堵の笑みを浮かべ、私は小さく肩をすくめた。
「まったく、やっぱり人間って苦手……」
投稿ペースは色々だけどこれからもよろしくね!
でもちょっと学校が忙しいので投稿遅くなります。




