4.初戦闘と人との遭遇(改)
おおおおおお落ち着け!!
状況を落ち着いて整理するんだ!
目の前には、ゲームとかでよく見るスライムが一匹!
私には弓があるじゃないか!
勝てる!勝てるぞ!!
私は弓を取り出そうと、腰に手を当てる。
……が、私の手は空を切った。
「……あれ?」
私弓装備してなかったっけ?
確か……装備画面見つけて興奮して……好奇心で服脱いで……服着て……
「……あっ……」
弓装備してねーじゃん!!
服脱ぐ暇あったら弓装備しろよ!!結局丸腰じゃん!!
こんな状況でも脳は冷静なようで、私は脳内にセルフでコマンドを思い浮かべる。
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戦う
逃げる ← ピコン
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私は逃げ出した。
……
………
…………こけた。
私がこけた隙に、這い寄るようにスライムが肉薄してくる。
私はパニックになりながら、今後の行動を考える。
今から弓を装備して戦う?
……いや装備するには時間が足らなすぎるし、装備できたとしてもスライムにこの距離で矢を当てられる保証は無い。
というか弓の使い方がわからない。
却下だ却下!
なら立ち上がって逃げるのはどうだろう?
……いい案かもしれない。
そう思い立ち上がろうとするが、足にズキンと鈍い痛みが走る。
どうやらさっき転んだ時に捻ってしまったらしい。
あーもう!どうすればいいってのよ!!
なんとかしてスライムを遠ざけるか倒すかしないと……
何かないか……おっ?
少し手元を探ってみると、拳大の石らしきものが手に当たる。
これしかなさそう……かな。やるっきゃない!!
私は拳大の石を掴み、スライムに向けて思いっきり投げつける。
「……?!」
石は運良くスライムに命中した……らしい。
声は無いはずなのに、スライムの断末魔が聞こえたような気がした。
怖くて目瞑ってたから細かいことはわかんないけど、多分勝った……のかな?
私は恐る恐る目を開ける。
そこにスライムの姿は無く、さっきと同じ平和な光景が広がっていた。
ブォン
突然、ブレスレットに触ってもいないのにステータス画面が開いた。
《ブルースライムを一体倒しました。》
《2の経験値を獲得しました。》
どうやらほんとに倒せたらしい。
こうして、初めての戦闘は勝利に終わったのである。
……ちゃんと弓を装備してっと……
さてと……スライムを倒したらしいけど、なんか落ちてないかな?
モンスターを倒せば何かしらのドロップアイテムがもらえるって常識のはずなんだけど……
「うーん……」
辺りを見回してみるが、それらしきものは見当たらない。
こんな時は~?お願いブレスレット!
私はブレスレットの表面を撫で、ステータス画面を開く。
きっとこの画面を変えれば……おっ!ビンゴ!!
ステータス画面から、手を左にスライドさせることでまた新たな画面が現れた。
そこには、『もちもの』と可愛い文字で書かれていた。
持ち物画面きちゃぁぁぁぁあ!!
はやる気持ちを抑えつつ、持ち物の欄に不自然なものが入っていないか確認する。
……まぁスクロールできないし全然物なかったから確認はすぐに終わった。
今持っているのは……『普通の服』、『弓』、『薬草』の3つ。
服と弓は当然として……薬草が初期セットにあるとは思えないから、多分これがスライムのドロップ品かな?
何の通知も無しに入るのか……いちいち確認しなきゃなのめんどくさいなぁ……
……まぁいっか。
足の痛みも引いてきたし、ちょっとこの辺りを散策してみようかな?
私は立ち上がり、服に付いた砂をパンパンと払う。
「あの~……ちょっといいかな?」
すると、突然背後から人の声が聞こえた。
私は知らなかった。
この出会いが、私の運命を大きく変えることになったことに。
投稿頻度遅く、申し訳ないです。
結構まったり更新していこうと思っているので
ご了承下さい。
高評価していただけるとうれしいです!
12/20 加筆