3.初エンカウント(改)
「どうすりゃいいってのよ……」
あまりにも低いステータス、弓使いという一人じゃ何もできない職業を見て、私は絶望する。
こんなんじゃさっきのドラゴンどころか、下手したらその辺にいる雑魚敵にぼこぼこにされてゲームオーバー!ってなる未来が見えるんだけど……
てか、このブレスレットまさかステータスが確認できるだけとか言わないよね?
こんだけステータス低いんだし、さすがにお助け機能とかあるでしょ!
藁にも縋る思いで、ブレスレットを振り回してみたり、なんか出ろー!と念力を込めてみたり、ステータス画面とにらめっこしたりして、あっという間に30分が過ぎた。
結論から言おう。
何の成果も……得られませんでしたぁぁぁあっ!!
……いやなんでやねん!
このステータス画面だけでどーしろって言うのさ!
なんだ!ステータス画面開けば無敵とかなのか!
ふざけるな!もし違ったら私死ぬんだぞ!!
どうなるかわからないのに!!死!ぬ!ん!だ!ぞ!!!
精一杯叫んでみるも虚空に……ってこのネタはもういいわ!
全く……こんなの無理ゲーじゃん……
あーやってられんわー!無理無理!
私はステータス画面を開いたまま手のひらをひらひらさせる。
すると、なんということでしょう。
あれだけ何やっても動かなかったステータス画面が右にスライドされ、新しい画面が出てきたではありませんか。
やったねやったね!また少し進んだよ!
………私の30分を返せちくせう。
そして、私の目の前に現れたのは……
人形のような私の姿だった。
「……へ?」
わー……かわいいお人形さんだー……
……いやそうじゃなくて。
ん”?ナニコレ?
頭の中でゴ〇リの声が聞こえたような気もするが、きっと気のせいだろう。
とりあえずチョンチョンと人形を触ると、人形の左側にスクロールできる画面が現れた。
そこには、
『装備できる装飾品 無し』
とだけぽつんと文字が表示された。
いや無しって……そりゃないわ……
……
…………って装備できる??!!!
装備できるってことは、これってもしかして『装備選択画面』?!
ますますゲームっぽさを増す画面を見つめながら、私は違和感に気が付く。
私を模したであろう可愛い人形は、私と同じ服こそ着ているが、武器らしきもの、つまり弓を持っていないのだ。
つまりどういうことかというと。
今。
私。
丸腰。
おーけー?
………ノットオーケーだよこんちくしょう!!
こんなの戦う以前の問題じゃねーか!
あるところに丸腰の少女がいました。
その少女はモンスターに襲われてそのまま死んでしまいました。
おしまい。
で終わるぞ!!即落ち2コマか!!
なんで服は着てるのに弓は装備してないんじゃボケェ!!
…………ってこれ服外したらどうなるんだろう。
唐突に頭に降って湧いた純粋な疑問から、私は人形の服を選択し、『はずす』というボタンをポチる。
すると、なんということでしょう。
先程まで着ていた服はきれいさっぱりなくなり、下着だけの姿に………
「……え?」
突然のことに戸惑いを隠せない私。
冷静に考えてみたらさ、分かるよね、うん。
私の装備とさ、お人形の装備はリンクしてるんだからさ、そりゃお人形から服脱がしたら私も脱ぐよね。
いやーうっかりしてたわー。
あははははー。
「……ふぉぉぉぉぁぁああっ??!!」
状況を理解した私は目にもとまらぬ速さで人形に服を着せ、その場にうずくまる。
私今脱いでたよね!これ絶対ダメな奴だよね!!捕まるよね!!
誰もいないと分かっていても、恥ずかしいもんは恥ずかしい。
声にならない叫び声をあげながら悶絶していると、頭の中で『ピロンッ♪』という音が鳴る。
そして、頭の中にスクリーンが表示され、そこにはこう書かれていた。
《称号:露出狂を獲得しました》
ふっっっっっっざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!
誰が露出狂じゃボケ!!好奇心に従っただけじゃん!!
大体………
私の文句はしばらく続いた。
「ふぅ……」
言いたいことを言い終わって、むしゃくしゃしつつも冷静さを取り戻した私は、その場に寝転がる。
相変わらず青い空。白い雲。
ガサガサッ
ほらほら草木も揺れて…………って、え?
明らかに自然の音ではない異質な音に、私は体を起こす。
そして、私は見てしまった。
そこにいたのは、水色のゼリー質の体をした、ゲームではお馴染みの『アイツ』の姿があった。
そう、『スライム』だ。
高評価、よろしくお願いします!
この後どうするか、こうしたらいいんじゃないか
など、ご意見ご感想お待ちしています!
12/13 加筆
一年前の私に一言言っておこう。
500文字は少ないって。厳しいって。
とりあえず全部書き直す勢いで一年前の私への怒りをぶつけながら1700文字までボリューム特盛にしました。
話の流れを変えないように頑張りましたが、おかしな所等ありましたらお知らせください。