20.少女は概念を覆す
解説回です。
ストーリー自体はあまり動きませんが、今後重要になってくることを説明しているので、ある程度把握しておくと今後の展開の描写がわかりやすくなるかもです。
目の前に浮かぶ、”炎で出来た矢”。
これを使えば、”魔法の威力”に”弓のスキル”をプラスできるはず!
弓使いの能力は、”弓を扱う”のではなく、”矢を射出する”だ。
簡単な話、矢の形をしていれば”材質に関係なく”射出することができる。
たとえそれが、”固形物”でなくても。
……彼女は簡単に言っているが、この世界の常識では、”弓使いは弓を扱うことしか出来ない”となっている。
なぜなら、弓という遠距離攻撃手段があるため、わざわざ別の遠距離攻撃手段を身につける必要がないからである。
第一、弓使いは”知力”ではなく”攻撃力”のほうが伸びやすい職業で、魔法にまで手を出す余裕がないのだ。
その点では、彼女は明らかに”異常”なのである。
さらに、彼女は一つの革命を起こした。
それは、”矢の概念の変更”だ。
通常矢は、金属の矢じりと棒と羽を用いるものがスタンダードだが、彼女はその概念を覆した。
これにより、どんなものでも”矢”として活用できることが発覚したのだ。
そう、”どんなものでも”。
スキル”アローレイン”を例に説明しよう。
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アローレイン
自分を中心とした、半径5mに矢の雨を振らせ、5回攻撃する。
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注目すべきは、”半径5m”という点だ。
これは、”攻撃”という視点から見れば、有効射程5mと認識されるだろう。
しかし、《”支援”という視点から見たら》どうなるだろうか。
先程も説明した通り、”どんなものでも”矢として活用できるのだ。
それが固形物であろうと、”実態のないもの”だったとしても。
簡単にいえば、”自分を中心とした半径5mに「回復やバフ」を振りまく”ことができるのだ。
これにより、「完全後衛職だった”弓使い”」が、「前線で回復やバフを提供することができるようになる」のだ。
……現状、こんなぶっ壊れ性能を見せることができるのは彼女だけだが。
しかも彼女は”回避Lv1”を取得している。
相手の攻撃を避けながら味方にバフを盛ってしまえば、誰も止めることの出来ない軍勢の完成だ。
もっとも、彼女がこの利用法を思いつくのはまだ先の話だが。
いやぁ、魔法の制御って難しいんだね……
コツを掴むまでが大変だった……
何度も何度も魔法力が切れかけた事による苦痛と戦いながら、なんとかここまでやってきた。
私、昔っから諦めだけは悪いんだもんね!
しかも、取得したのはコツだけじゃなくて、大まかな魔法の概念が理解できたんだよね。
簡単にいうと、魔法=イメージ、想像力ってこと。
最初は”だんだん形を整える”って感じだったけど、”矢”!ってイメージしたら、ポンって出来たんだよね〜!
……もちろんこれも、彼女の異常さ故である。
魔法は”知力”によってすべてが決まる。
つまり、「知力=想像力」となるわけだ。
そもそもこんなことを考えつく人がいなかったため、「ファイヤーボールは火球」といった偏見が根付いてしまったのである。
そんなことはつゆ知らず。
彼女は今日も、魔法の練習に励む。
いつか来たる”戦い”を考えながら。
長々と申し訳ありません……
しかし、ここで説明しておかないと色々カオスになってしまうため、書かせていただきました。
次回からは平常運転で参ります!




