2.ステータス(改)
「はぁ……」
私はもう一度大きなため息をつく。
まずは……状況を確認しようか……
1.ゲームを作った
2.テストプレイをしようとした
3.ゲームの世界へ飛ばされた(多分)
だね!うん!意味分からん!
何がどーなったらこーなるのか誰か教えてよ!!
……そんな私の心の叫びは虚しく虚空に響いた。
今にも叫びたい気分ではあるけど、さっきのトカゲ……多分ドラゴン、かな。あいつに見つかったりしたらやばそうだし、大人しくするのが一番。
とりあえず冷静に……落ち着いて…………
……あれ……?ちょっと待てよ……?
もし……この世界が私の作ったゲームの中なんだとしたら……
…………考えたくはないけど……ステータスを確認しよっかな……
「すぅ……、ステータスオープン!」
私はステータスを見ようと、漫画でよく読んだセリフを恥ずかしいけど大きな声で読み上げる。
………
…………
……………………
…………なんで何も出ないの?!
異世界物だったらこのセリフは常識じゃん??!
なにさ!なんも説明なしで連れてこられた割には随分とひどくない?!
わたしの恥ずかしい時間を返せぇぇぇえ!!
そんな私の心の声は虚しく虚空に響いた。
…………ってさっきも同じようなことしたな。
……しょうがないから、服装だけでも確認しておくか…
あんまりよく見てなかったけど、服装も私が着ていたものとは少し違っている。
スカートじゃなくてズボンになってるし、服は半袖。
全体的に緑が基調になってるのかな?まぁこれはこれでおしゃれかも……?
って、大事なのはそこじゃなくて!
いつの間に服まで変えられたんだろ……
これで他の人に着替えさせてもらいました、とかだったら私死ぬよ?いろんな意味で。
あーもう!なんでこんな目に合わなきゃいけないのさ!!
現実から目を遠ざけるべく草原で横になり、そのまま何をするとでもなく空を眺める。
……お日様の光……久しぶりに浴びたな。
最近はずっと部屋に籠りっきりだったし、そんなに運動が得意ってわけでもなかったから、こうやって外で寝ころぶのもかなり久しぶり。
うぅ……ちょっと眩し……
日差しが思っていたより強く、思わず右手で目元を隠す。
「……ん?」
手首を見ると、つやつやとした水色のブレスレットを付けていることに気が付いた。
こんなブレスレットつけてたっけ……?
いや、家の中でつけてた記憶はないな……
それどころか持ってた記憶もないし……
私は興味本位でブレスレットの表面を軽く撫でてみる。
ブォン
突然脳内によくわからない音がして、突然私のステータスが現れる。
《名前》 川上夏 レベル1
次のレベルまで 10xp
《職業》 弓使い
《能力》
体力 10/10
魔法力 5/5
力 4
防御力 3
知力 6
魔法防御 4
素早さ 6
運 4
び、びっくりしたなぁ……もう!急に出てこないでよ!
ていうか低っ!私の能力値低っ!!
こんなのその辺でこけただけで死んじゃうよ!?さすがに大丈夫だとは思うけど。
しかもちゃーんと職業《弓使い》だし……
ゲームだったら前衛後衛とかあんまり関係ないから見た目で選んだのになぁ……
まさか自分でやることになるなんて……
弓使いはその名の通り弓を扱う後衛職。
ステータス的にも、相手の妨害をしたり味方の援護をするサポート系。
でも私に仲間なんていないし、知り合いさえいない。
つまり、接近戦に持ち込まれたらほぼ負けってこと。
しかもそこまで能力値が高いわけでもないから、遠距離から削りきるのもほぼ不可能。
…………あれ?これ詰んでるのでは?
しばらくは、出来るだけ投稿しようと思います。
折を見て、1日1話とかにしていく予定です。
よろしければ、高評価していただけるとうれしいです!
10/24 加筆