表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私たちの監督は14歳で、かなりヤバいっ!!  作者: フムフム竜
小学生編
57/61

第57話 ごう慢会長の襲来

試合に敗れたマリーは父であるアーロンに電話をかけていた。


マリー「もしもし、お父さん?」


アーロン「マリーか?結果はどうだった?まぁそんなこと聞くまでもないか」


マリー「それが・・・その・・・」


アーロン「負けたというのか!!バカな!!現役のメジャーリーガーを揃えたんだぞ!!」


マリー「なんていうか、うまく説明できないんだけど、なんかみんなおかしくなっちゃって」


アーロン「そんな言い訳など聞きたくもない!!第一そんなことが起きても試合を無効にする方法などいくらでもあったはずだ!!お前は一体何をやっていたんだ!!」


マリー「で、でもアイツは・・・」


アーロン「もういい・・・お前には失望したぞ。マリー」


マリー「父さん・・・」


アーロン「私の娘として選ばれたからには敗北など絶対あってはならんのだ。たとえどんな卑劣な手段を使おうともだ。だがまぁいい、試合がどうなろうと山の買収計画は予定通り進める」


マリー「でも約束した手前そんなことは・・・」


アーロン「そんな約束などあってないようなものだ。子供の戯言とでもいえば、どうにでもなる。そもそも子供の一存で会社の方針を変えられると思っていたソイツらもソイツらだ」


マリー「・・・いいえ。アイツだけはそんなこと思ってなかったわ」


アーロン「アイツ?」


マリー「洩矢アスラよ」


アーロン「洩矢アスラ?たしかあの住職もそんな名前を出していたな。一体何者だ?」


マリー「わからない。でもアイツは何かが違う。なんていうかこの世のものではないような・・・」


アーロン「バカバカしい。そんな非現実的なことがこの世に存在するわけがないだろう。あの山にしたってそうだ。呪いだとか祟りだとか」


マリー「たしかにアタシもそんな非現実的なことは信じてないわ。でもこれだけはわかる」


アーロン「なんだ?」


マリー「父さんよりもアイツが・・・洩矢アスラの方が圧倒的に上ってことよ!!」


アーロン「ふんっ、面白い。どんな輩か知らんがこの私より上などこの世には存在しない。そのことを分からせてやる。洩矢アスラにも・・・マリー、お前にもな」


電話が切れるとマリーは、空を見上げた。


モニカ「マリー?」


マリー「結局のところアイツの言う通りね。大人はみんな嘘つき。自分の保身のためなら平気で裏切るヤツらばかりよ」


モニカ「マリー・・・」


マリー「それにしてもこのアタシが他人をここまで評価するとはね。こうなったら最後まで見届けてやろうじゃない。洩矢アスラとアーロン・メイブリーどっちが勝つか」


モニカ「それより新しい学校では野球をやるんデスカ?」


マリー「まぁやるなら実績のあるところがいいわね。弱いところに入って威張っても何にもならないわ。『サラ』たちと決着をつけるためにも野球の実力を磨いておかないと」


モニカ「野球の実力を磨くなら、あの洩矢アスラって人のところでやるのも・・・」


マリー「ダメ!!アイツの下だけは絶対ダメよ!!」


モニカ「どうしてデスカ?」


マリー「何かムカつくのよね。歳だってアタシたちとそう変わんないくせにあの偉そうな態度!!話し方だってどっかのアニメの影響なんか受けちゃってるしさ」


モニカ「あははは、それもそうデ~ス(偉そうな態度という点ではマリーも負けていない気がしマ~ス)」


マリー「それに練習だって山登りしかやってないっていうし、そんな訳がわからない練習するくらいなら、ちゃんとした野球チームでやった方がマシだわ」


モニカ「でも私たちは、その訳のわからない練習をやってる人たちに負けた」


マリー「あ、あれは守備が悪かっただけでちゃんとした守備なら勝ててたわ」


モニカ「でも私は思いマ~ス。たとえ守備がまともでも負けていた気がしました。あの洩矢アスラは只者ではありまセ~ン」


マリー「(たしかに・・・アイツは只者じゃないわ。こっちがどんなに有利な状況にしてもアイツはすべてをひっくり返して来た。モニカの言う通り、たとえ守備がまともであったとしても・・・)」


モニカ「マリー?」


マリー「そうね・・・アイツがどれほどの男か見定めてやろうじゃない。もしもアーロン・メイブリーに勝てば、アイツの下で野球をやってもいいわ」


次の日・・・


マリーとモニカは愛比売寺に向かっていた。


義理の父であるアーロンとアスラの勝負を見物するためだ。


ところが2人が愛比売山の入り口に着くと多くの登山客が集まっていた。


入り口には立ち入り禁止の看板が立っており、NOCの社員たちが立ち塞がっていた。


モニカ「マリー、これって・・・」


マリー「ええ。強硬手段に出たようね」


身分証を見せてしばらく歩くと愛比売寺には、多くのNOCの社員たちがいた。


その中心には、住職と交渉というよりは強迫に近い様子で詰め寄るアーロンの姿もあった。


アーロン「このまま頑なに拒絶するようだとこちらとしても相応の対応をせざるを得なくなるぞ?その気になれば強引にこの土地を奪うことだって可能だ」


住職「入り口の看板といい、こんな強硬手段が許されるはずがありませんぞ。完全にこれは違法です」


アーロン「違法?法律なんてものは金があればどうとでも変えられる。それに日本はアメリカには逆らえない。日本の法律では我々アメリカ人を裁くことなんてできない。それが実体だ」


住職「いやいや、そんな横暴が通じるはずがないでしょう。それに山には多くの登山客だっていますし、この山に施設など建造するようなことがあれば、自然保護団体だって黙ってないですよ?」


アーロン「そんな連中がなんだというんだ?そんなものは金でどうにでも解決する。この世の中は金がすべてなんだ」


住職「ほほう、それはどうでしょうか?あなたは過去に金ではどうにもならないことを経験なさったはずですよね?」


アーロン「ほう・・・私の過去を調べるとは只の住職じゃなさそうだ。だが私もあんたのことは調べている。あんたも中々の経歴をお持ちのようだ。たしか・・・幼女監禁事件で逮捕されたとか・・・その幼女に対していかがわしい行為もしていたそうだな」


住職「それがどうしたんですか?その罪はちゃんと刑務所で償いました。そのことが公になったところで私には何の影響もありませんよ。ただ私は女性に対する性的欲求が激しいだけなんですよ。そしてそれは今も変わりませんがね」


そう言いながらアーロンの隣にいる女性秘書をいやらしい目で見る住職。


怯える秘書を挟んでなんとも言えない空気になる中、ふすまが勢いよく開かれた。


その音に一瞬ビクリとした周囲は、一斉にその方角に目を向ける。


そこには腕を組みながらアスラが立っていた。


アスラの姿を見て何か気が抜けた感じのNOCの社員たち。


だがアーロンだけはアスラを見て、目を鋭くさせた。


アーロン「(コイツだな。マリーが言ってた洩矢アスラというのは・・・見た目こそ子供のように見えるがたしかに何か異様なものを感じる。コイツは一体何だ?)」


住職「これはアスラくん。彼がこの山を狙っているアーロン・メイブリーさんです」


アスラ「ほう」


アスラは、アーロンを虫けらを見るような目で見下ろした。


その目つきにアーロンは怒りを露わにした。


その時、溢れ出るアスラの巨大で邪悪なオーラがアーロンを呑み込んだ。


アーロン「うっ!?」


アーロンは心臓を握られたような苦しみを感じ、その場でうずくまってしまう。


駆け寄るNOCの社員を制止してなんとか立ち上がる。


今起こっているのは、アスラがやったことなのかそれとも偶然体調が悪くなっただけのか。


呼吸が落ち着くとアーロンは、最近の疲れによる体調不良と結論付けアスラの肩をポンッと叩く。


アーロン「キミ・・・私の婿養子にならないか」


その一言に周囲は騒然となる中、マリーが顔を真っ赤にして声を荒げる。


マリー「じょ、冗談じゃないわ!!なんでコイツと結婚しなきゃいけないのよ!!絶対コイツだけは嫌!!たとえどんなヤツが婿養子として来ようともコイツだけは絶対に嫌だわ!!」


アーロン「お前の意見など、どうでもいい。お前の頭脳と彼が合わされば、間違いなく我が社は未来永劫安泰になる。どうだ?私の婿養子になれば、土地の件は手を引いてやってもいい。それならお互いに・・・」


そう言って手を差し伸べるアーロンの手をアスラは軽く弾いた。


アスラ「断る。オレもこんなヤツは邪魔なだけで迷惑だ」


マリー「なんですってぇ!!アタシは多くのモデル事務所に誘われるほどの美貌の持ち主なのよ!!」


アスラ「誘われたからなんだというんだ?オレにも毎日のように誘いが来るぞ」


マリー「ふんっ、どこのモデル事務所か知らないけど、性格がそれじゃね」


アスラ「オレの性格が最悪だというのか?ならば、お前はそれ以上だな」


マリー「それどういう意味よ!!」


アスラ「そういう意味だ」


アーロン「喧嘩はそのぐらいにして話を戻そうか。つまりキミは私の誘いに断るというのだな?」


アスラ「ああ」


アーロン「キミは、もう少し利口だと思っていたが・・・」


アスラ「どういう意味だ?」


アーロン「解決する道は2つ。私の婿養子になるか。私が提示した金額を支払うかだ。提示額は100億。しかも期限は半年だ。そんな金額をキミは支払うことができるのかね?」


アスラ「本当に道はそれだけか?」


アーロン「ん?」


アスラ「だったらオレからも道を2つほど提案してやろう」


そう言ってアスラはアーロンに向かって指を差す。


アスラ「お前が何もせず、この山を諦めるか。それともオレの奴隷になるかの2つ。それ以外は『死』だ」


アーロン「なっ!?きょ、脅迫するつもりか!!この私を!!」


アーロンが顔を真っ赤にして激昂するも、アスラは不敵に笑う。


アスラ「一応金は用意してやる。100億だったな。だが半年もいらん。3日で十分だ」


アーロン「な、なんだと?貴様正気か?こんな山のために100億も出す善人がいるとでも思ってるのか?」


アスラ「思っていない。そんな善人など存在しない」


アーロン「ほう、その辺はわかっているようだな。面白い、用意できるものなら用意してみるがいい。無理だと思うがな」


アスラ「さっきも言ったが、お前は金を手にすることはできんぞ。お前は諦めるか奴隷になるかの2つだからな。それ以外の道は死だ」


アーロン「い、言わせておけば、このクソガキめ!!覚えていろ!!山を諦めるのは貴様の方だ!!」


怒りながら愛比売山を後にするアーロン。


その様子を住職はニッコリと微笑みながら見送った。


アーロン「くそっ!!なんなんだ一体あのガキは!!ふざけおって!!」


秘書「あの子・・・なんか普通じゃないですよ。あの山は素直に諦めた方がいいんじゃ・・・そうでないと会長の命が・・・」


アーロン「バカめ!!あんなのはハッタリに決まっているだろ!!あんなガキの戯言にビビっているのか!?」


秘書「す、すみません」


アーロン「ふふふ、用意できるものか。あの愛比売山を守るためにあれほどの額を払う者など現れるわけがない。ましては私の命など・・・」


NOCの人間がゾロゾロと山を下りると山の入り口には多くの老人たちが待ち伏せていた。


老人の何人かは自然破壊反対のプラカードや建設反対のプラカードを持っていた。


老人A「お前たちに、この山は絶対に渡さんぞ」


老人B「この山はワシら登山愛好会にとって大事な山。それを破壊するなんてとんでもない話じゃ」


老人C「この山は神の聖域。その聖域をおびやかす者には神の裁きが下ろうぞ」


老人D「愛比売山の自然保護団体だって黙ってはおらぬぞ」


アーロンの前にプラカードを突きたてながら訴える老人たちをNOC社員たちが強引に引きはがす。


アーロン「(まったく、早くも抗議デモの団体が現れたか。死に損ないの虫けらどもめ)」


アーロンは、老人たちの言葉を無視して車に乗り込み、愛比売山を去って行った。


一方、静まり返った愛比売寺で、マリーがズカズカとアスラに詰め寄る。


マリー「アンタ、さっきの本気で言ってんの?3日以内で100億?この山に金塊でも埋まってるわけ?それともすでに100億用意してんの?」


アスラ「この山にそんなものは埋まってない。金も用意しているわけでもない」


マリー「はぁぁぁ!?それじゃあ、どうすんのよ!!空からお金が降ってくるとでも思ってんの!?」


アスラ「ああ。その通り。落ちて来る」


マリー「はぁ?」


アスラ「オレは落ちた金をただ拾えばいい」


マリー「呆れたわ!!アンタみたいなバカを少しでも只者でないと思ったアタシがバカだったわ!!」


アスラ「どうやらお前もさっきのヤツと同じだな。オレがバカならお前はそれ以下だ」


マリー「な、なんですって!!」


アスラ「アイツは自分で金を集める手段を言っていたじゃないか。そのことにどうして気付かない?」


マリー「え?」


アスラ「用がないなら早く帰った方がいいぞ。そうでないとそこにいるヤツの餌食にされてしまうぞ。オレは自分の配下じゃないヤツまで守る気などない」


アスラの視線の先にはニヤリと微笑む住職の姿が。


マリー・モニカ「ひっ!!」


マリーとモニカは慌てて愛比売寺を出て行った。


モニカ「一体100億集める方法って・・・」


マリー「わかんないわ。だけどアイツが本気だってことはわかったわ。3日後が見物じゃない」


マリーとモニカが帰った後、アスラは金を拾いに真っ暗な森の奥へと向かう。


その途中、茂みからOLらしき女性がアスラの前に現れた。


髪は長く垂れ下がり、真っ赤に染まった生気のない目。


服も至る所ボロボロになり、ところどころ出血も見える。


誰がどう見ても自殺した幽霊にしか見えない風貌だ。


その女性が消え入りそうな声でアスラに話しかける。


女性「あ、あの・・・もしかしてあなたも・・・この山で自殺を?で、でしたら一緒に飛び降りませんか?私・・・1人じゃ死ねなくて」


ニヤけながら、ゆらゆらとアスラの元へ向かってくる。


だがアスラは動じず、女性の方へ歩み寄った。


アスラ「いいだろう、一緒に飛び降りてやる。だが死ぬのはお前だけだ」


女性「ひひひ」


アスラ「ちょうど昨日、新しい飛び降り先を発見したところだ。あそこなら間違いなく助からない。喜べ、お前が記念すべき第1号だ。さぁ行くぞ」


女性「ふふふ、きましょう・・・きましょう」


アスラは今日も自殺者からの誘いを受ける。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ