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私たちの監督は14歳で、かなりヤバいっ!!  作者: フムフム竜
小学生編
52/61

第52話 小学生vs現役のメジャーリーガー

アスラが神界から戻ってくると屈強な外見をした現役メジャーリーガーがズラリと並んでいた。


マリー「どこへ行ってきたか知らないけど、こっちは準備OKよ」


モニカ「昨年まで中軸を打っていた選手が5人。来月から入団が決定している選手が5人。死角はナッシング」


そう言ってモニカは、アスラにスタメン表を手渡す。


1番 マクーニ ライト


2番 シャワーリー レフト


3番 ビジーマン サード


4番 チャック DH


5番 アランサ ファースト


6番 トライアウト センター


7番 アルカード セカンド


8番 シュガー ショート


9番 バーチャルシュート キャッチャー


カーター ピッチャー


このメンバー表を見てアスラは不敵な笑みを浮かべた。


アスラ「死角はなし・・・か。本当にそうだといいがな」


モニカ「え?」


アスラ「お前たちは完全に運に見放されたようだな。そもそも運というものが存在するかどうかもわからんが・・・」


モニカ「ほ、ホワッツ?一体どういう意味デスカ?」


マリー「気にしない方がいいわ。ただの強がりよ」


アスラがベンチに向かうと現役のメジャーリーガーの面々のウォーミングアップの練習を見ていたようで少女たちは完全に戦意喪失していた。


アスラ「どうした?戦う前からそんなことでは話にならんぞ」


森「話になる以前の問題や。何をどう頑張ってもあんなのに勝てるわけあらへんやろ」


風谷「こっちは人数が少ない上にケガ人までいるし」


中山「それにアスラ兄ちゃんだって試合に出られないし」


アスラ「心配するな。お前らは普通に野球をやっていればいいんだ。そうすれば絶対に勝てる」


アスラの言葉に疑惑を感じながらも試合の準備を始める6人。


そして、アスラたちの先行で試合が始まった。


投手は昨年、サイヤング賞を受賞した左腕クレイジー・カーター投手だ。


不安な表情で1番の森が打席に入る。


森「アスラ兄ちゃんからは、普通に打ての指示やったけど・・・」


カーター「(本当なら手加減してあげたいところデ~スが、こっちも大金がかかってるからね。本気でいかせてもらいマ~ス)」


カーターが大きく振りかぶって、第1球を投げた。


だが・・・


カーター「ほ、ホワッツ!?」


カーターから放たれたボールは、その迫力あるフォームからは考えられないほど超スローボールだった。


森「(へっ、スローボール?)」


一瞬戸惑いながらも振りぬいた打球は、セカンドのアルカードの真横に勢いよく転がる。


森「くそっ、セカンドゴロかいな」


アルカード「ヘ~イ!!こういうのは華麗にさばいてこそ花になりマ~ス!!」


打球を捕ろうと軽快に走り出そうとするアルカードだったが・・・


アルカード「ワォォッ!?」


その場でつまずいて転んでしまい打球はセンターに抜ける。


何が起きたかわからず、カーターとアルカードは困惑した。


マリー「ちょっと、2人共何やってんのよ!!いくら相手が子供だからってそんなサービス精神は必要ないわ!!」


カーター・アルカード「お、オーケー」


少し首を傾げながら守備位置に戻るカーターとアルカード。


そして続く2番の真野が打席に入る。


カーター「さっき私の身体に何が起きたかわかりませんが、気を取り直していきましょう。喰らいなさ~い。これが多くのメジャーリーガーたちを葬ってきたスライダーデ~ス」


余裕の笑みを浮かべながら得意のスライダーを投げようとした瞬間・・・


カーター「ほ、ホワッツ!?あ、握力が・・・握力が出まセ~ン!!ノォォォォォ!!」


すっぽ抜けたボールは山なりのスローボールに。


真野「完全なボール球だけど、このくらいなら・・・」


かなり強引に打ちに行った真野の打球は、ライナーでライトの手前の方へ。


森「よし、一気に3塁まで行ったる」


打球が落ちることを確信した森は2塁を蹴って3塁まで向かった。


マリー「甘いわね。ライトのマクーニは昨年盗塁王に輝いた実績の持ち主よ。あの程度なら簡単に追いつくわ」


マクーニ「ヘ~イ。今から私の俊足と強肩を披露してみんなをビックリさせマ~ス」


勢いよく走り出すマクーニ。


だが・・・


マクーニ「ノォォォォォ!!あ、足がもつれて前に進みまセ~ン!!」


アルカードと同様にその場で転倒してしまいボールは無人の後方へ。


トライアウト「シット!!何でそこで転ぶんデ~スカ!!」


慌ててセンターのトライアウトがカバーに入るが彼にも異変が起こる。


トライアウト「はぁ、はぁ、はぁ・・・そんな・・・走るたびに息が・・・息が苦しくなってきマ~ス!!この息切れは尋常じゃありまセ~ン!!誰か、ヘルプミー!!」


マリー「何でカバーしに来たヤツが助けなんか求めてんのよ!!ふざけてないで早くボールを拾いなさい!!」


センターのトライアウトのカバーもかなり遅れて、森は楽々ホームに生還。


そして打った真野も一気に3塁まで進んだ。


先程の身体の異変にライトのマクーニとセンターのトライアウトは頭を抱えた。


マクーニ「い、一体ミーの身体に・・・ミーの身体に何が起こっていると言うんデ~スか!!」


トライアウト「わ、私も同感デ~ス!!」


マリー「い、一体どうなってんのよ・・・」


モニカ「こ、これは呪いデ~ス!!呪いに違いありまセ~ン!!」


マリー「ば、バカなこと言わないでちょうだい!!の、呪いなんかある訳ないじゃない!!」


モニカ「で、でもこんな意味不明な体調不良が続くなんて絶対におかしいデ~ス・・・」


マリー「う~む・・・」


立て続けに謎の身体の異変が起きて動揺するメジャーリーグチームだったが、それはアスラ側のベンチも同様であった。


風谷「一体、どうなってんだ?ピッチャーはスローボールしか投げて来ないし、守備は転んでばっかりだし」


中山「一体あの人たちに何をしたの?」


全員がアスラの方へ顔を向ける。


アスラ「向こうが卑劣な手段で来るからオレはそれ相応の対応を取っただけだ」


三崎「どういうこと?」


アスラ「アイツらの身体能力をお前らと同じ『小学5年生の頃』に戻してやったんだ」


全員「えぇぇぇぇぇ!!」


アスラ「これで互いに同条件だ。まぁ、戦力は見ての通りだがな。オレは神の世界に行ってアイツらの過去を見てきた」


アスラはメジャーリーグチームの面々を指差しながら言った。


アスラ「投手のアイツは、ロクな食事も貰えず栄養不足でガリガリの体型。そしてセンターは病弱で身体を動かすのもロクに出来なかった。ライトは、太っていて足がかなり遅く、セカンドのアイツは運動神経がかなり悪く、クラスでも下位の方だった」


次々と各選手たちの過去を語るアスラ。


選手のほとんどが、身体能力が壊滅的で身体能力がズバ抜けて高かったのはたったの2人だけだった。


アスラ「身体能力の低下によってアイツらは多くのハンデを背負うことになった。だから6人でやっても十分勝てる」


全員「な、なるほど・・・」


相手の身体能力を過去に戻すという非現実的なやり方を使い試合を有利に進めるアスラ。


その時、相手のベンチが動く。


マリー「カーター、交代よ。マウンドを降りてちょうだい」


カーター「お、オーケー」


マウンドにはマリー自らが上がった。


マリー「(ふんっ、一体どんな方法でやったか知らないけど、呪いかどうかアタシ自身が試してやろうじゃない)」


風谷「いよいよアイツが投げるのか」


森「多くのキャッチャーを潰して来たボール」


全員が息をのみ見つめる中、マリーは軽くキャッチボールをして試合が再開される。


マリー「呪いだかなんだか知らないけど、この私が全部吹き飛ばしてやるわ」


3番の風谷に対して注目の第1球。


マリーの投球フォームは、珍しい左のアンダースローだ。


下から投げ上げられるボールは、バシィィッと凄まじいミット音を立てた。


全員「は、速ぇぇぇぇぇ!!」


中山「本当にアンダースローで投げてんの!?今まで対戦してきたピッチャーで一番の速さだよ!!」


森「しかもアンダースローの軌道なんてウチら打ったことないで!!」


風谷「おいおい冗談だろ・・・」


バッターの風谷はマリーのスピードに完全に圧倒され、あっという間にツーストライクと追い込まれた。


マリー「さて、これで終わりよ」


風谷「く、くそ~・・・」


マリーの速球に完全に振り遅れて風谷は空振りの三振に倒れた。


風谷「あのボール、かなりえげつないぞ!!ボールの出所も見えにくいからさらに速く感じる!!」


黒崎「これじゃ、2点目は無理ね」


アスラ「いや、2点目は入る」


全員「え?」


アスラは3塁ランナーの真野となぜか4番の三崎ではなく、5番の黒崎を呼び出した。


最初は驚いた顔をした2人だが、徐々にアスラの説明に頷く。


その後、4番の三崎も空振り三振に倒れて、ツーアウトとなり5番の黒崎がバッターボックスに立つ。


マリー「さっきアイツに何を指示されたか知らないけど、ツーアウトで一体何ができるっていうのよ」


テンポよく投げるマリーは、黒崎をあっという間にツーストライクと追い込んだ。


マリー「さて、遊び球はなしよ。一気にトドメよ!!」


マリーが投球モーションに入ると同時に3塁ランナーの真野がスタートを切る。


そしてバッターの黒崎は、なぜかバントの構えをする。


マリー「(バカね。アンダースローのボールは手元で伸びるのよ?バントなんてそうそう成功するもんじゃないわ。しかもツーストライク。失敗したらアウトじゃない)」


マリーは急遽ど真ん中からバントし辛い高めのストライクゾーンにボールを放る。


黒崎はバットを引き、かなり早いタイミングでバットを振った。


マリー「(何あれ?あれじゃバットに当てる気なんか初めからないみたいじゃない)」


さらに、黒崎は1塁へ走り出した。


マリー「はぁ?」


バッターの理解不明な行動に首を傾げるマリー。


だが・・・


バーチャルシュート「ぎゃぁぁぁぁ!!」


キャッチャーのバーチャルシュートはボールを捕ることが出来ず、その場に落としてしまう。


マリー「はぁぁっ!?何やってんのよ!!」


バーチャルシュートは、その場で手を押さえて、うずくまった。


マリーは、急いでボールを拾って1塁に投げようとするが黒崎はすでに1塁に。


またしても守備のミスで1点を献上する形となってしまう。


マリー「一体なんなのよ!!なんで現役のメジャーリーガーのキャッチャーが小学生のボールを受けて悲鳴を上げなきゃなんないのよ!!アンタ何年キャッチャーやってると思ってんのよ!!アンタなんてもう引退よ!!野球なんて辞めちゃいなさい!!」


怒り心頭のマリーは、うずくまるバーチャルシュートに対して罵声を浴びせまくる。


慌ててモニカが止めに入り、急いで救急車を手配する。


真野「あのキャッチャーの人、大丈夫でしょうか」


森「大丈夫やと思うけど、キャッチャーがあんなんなるのも予想ついてたんか?」


アスラ「ああ」


三崎「さすが並外れた洞察力」


アスラ「洞察力なんかなくてもキャッチャーの素振りを注意深く見てればわかる。それにアイツは試合をする前からオレたちに答えを丁寧に教えてくれてたんだからな」


全員「は?」


アスラ「アイツ、昨日得意げに言っていただろ。自分のボールを捕ることができるのはモニカだけ。どんなにずば抜けた身体能力があるヤツでもせいぜいもって8~9球だとな」


全員「そういえば・・・」


アスラ「今までは構えたところに寸分の狂いもなく放っていたから奇跡的にボールを捕ることができていたが、最後の1球だけはコースを急遽変更して投げた。手の限界が来ている9球目にそんなボールが飛んで来たら間違いなく手は潰れる。見た目は現役のメジャーリーガーかもしれないが中身は小学5年生なんだからな」


全員「な、なるほど・・・」


試合はバーチャルシュートに代わってモニカがキャッチャーに入った。


マリー「こんなことなら最初からモニカをキャッチャーにしておくんだったわ」


モニカ「ヘ~イ!!どんどん投げてくだサ~イ!!」


キャッチャーが代わり安心したのかマリーの球速はさらに上がる。


6番の中山を三球三振に仕留めて、この回を2点で食い止めた。


何とか反撃したいメジャーリーグチームは、1番のマクーニが打席に入る。


マウンドには三崎が上がり、キャッチャーは風谷が務めた。


マクーニ「さっきの守備の失敗をこの打席で挽回してみせマ~ス」


風谷「(見た目は、球界を代表するバターだけど中身はただのデブだ。自信を持って投げれば打たれることはまずありえない)」


三崎は頷き、外角にストレートを投げ込んだ。


マクーニ「ホワッツ!?」


バシンと音を立てて、ストライクのコール。


打席のマクーニは、かなり驚いていた。


マクーニ「こ、今度はミーの目に異変が・・・異変が起きていマ~ス!!このリトルガールのボールが物凄く速く感じマ~ス!!昨日まで100マイル(160km/h)の速球も止まって見えたミーが・・・さっきの守備といい、ミーの身体に何か恐ろしい異変が起きていマ~ス!!怖いデ~ス!!」


マリー「(わめ)いてないで、ボールに集中しなさいよ!!大の大人がビビってんじゃないわよ!!」


アスラ「反射神経も小学5年生の頃に戻っている。三崎の球が速く感じるのは当然だ」


結局メジャーリーグの強力1、2、3番は三崎のボールが速すぎると主張し手も足も出ず三者連続三振に切って取られてしまう。


マリー「ぐ、ぐぬぬぬ」


この時、マリーはアスラに10人で野球をやれと言った意味を理解する。


マリー「くそっ、指名打者がいるせいでアタシが打席に立てないじゃない。アイツ、こうなることを最初からわかってて・・・」


苛立ちながらアスラを睨みつけるマリーであった。


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