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私たちの監督は14歳で、かなりヤバいっ!!  作者: フムフム竜
小学生編
49/61

第49話 2人のアメリカ少女

外国人少女に名指しされたアスラだが首を傾げた。


アスラ「誰だ?オレはお前のようなゴミなど知らんぞ?」


??「ご、ゴミ・・・ゴミですってぇ!!」


風谷「そうだ!!初対面のことをバカにするようなヤツはゴミって言われて当然だ!!」


??「ふんっ、あんな間抜けなプレーしかできないカスが何を言うのよ」


風谷「か、カスだと!?い、言わせておけばこの野郎!!」


森「玲奈、今は堪えるんや。仇はアスラ兄ちゃんが取ってくれるで」


アスラ「それでオレに何の用だ?」


??「単刀直入に言うわ。あの愛比売(えひめ)山を売却してちょうだい。あそこにはウチの会社の研究施設を建設するつもりなんだから」


森「な、なんやて!?」


中山「というかウチの会社って?」


その言葉を待っていたとばかりに得意げな顔になりながら少女は言った。


??「そうよ!!私はNOCの主要株主アーロン・メイブリーの娘にして次期NOCの会長になる『マリー・メイブリー』よ!!」


??「同じく私はNOCの社長ジェイコブ・ベルウィックの娘の『モニカ・ベルウィック』デ~ス!!」


NOCと聞いて全員が首を傾げる。


その反応に怒りとも呆れとも取れる表情になりながらマリーは話を続けた。


マリー「そのNOCの日本進出プロジェクトの一環の1つとして巨大な宇宙研究施設を建てるっていうのがあるんだけど、山の持ち主の住職がアンタのくだらない野球の特訓に使うから手放せないって言ってるのよ。だからこうしてわざわざ来たってわけ」


アスラ「オレに言わせれば、お前らの研究施設とやらの方がくだらないと思うがな」


マリー「ふんっ、やっぱりアンタもあの住職と同じかそれ以上のバカのようね。話し合うだけ無駄だわ」


アスラ「話し合うだと?そもそもお前ごときが、このオレと同じ対等の立場にいると思っているのか?笑わせるな。このオレに消されたくなかったら、とっとと失せろ」


マリー「こ、このアタシに向かって失せろですってぇ!!」


モニカ「ま、マリー、ここは落ち着きましょう」


マリー「くそっ!!・・・見た目の通り常識がなってないわね。このアタシに向かって随分と生意気な口を利くじゃないの」


風谷「生意気なのはどっちだよ!!さっきから人のこと見下したような態度ばっかりとりやがって!!さっきはよくもアタシのことを『カス』扱いしてくれたな!!そこまで言うならアタシとこの場で勝負しやがれ!!」


マリー「勝負?このアタシと?」


風谷「そうだ!!いくら高校生だからって、そんなヒョロ体型でアタシに勝てると思うなよ!!」


中山「玲奈、やめときなよ。いくらなんでも高校生相手に勝てっこないって」


マリー「さっきからアタシのこと高校生って言ってるけど、何か勘違いしてない?」


風谷「は?」


マリー「アタシたち、これでも10歳。日本で言えば小学4年生よ?」


全員「はぁぁぁぁっ!?しょ、小学4年生だって!?」


風谷「じゅ、10歳ってことはアタシたちより1個下じゃんか」


森「いやいや、どう見てもこの身長は高校生やろ」


真野「で、でもこの前の黒崎って子もこれぐらいありましたよ」


三崎「そういえば、あの子も小学4年生だったわね」


森「外国の子は、みんな背が高い子ばっかりなんやろか?」


モニカ「違いマ~ス。私たちが特別なだけデ~ス」


風谷「相手が年下なら話が早えや。今ここで勝負してもらうぜ。お前が投げたボールをアタシが打つ。それかアタシが投げた球をお前が打つ。好きな方を選びな」


森「よっしゃ、キャッチャーはウチが務めたるわ」


マリー「勝負方法ならアタシが投げたボールをアンタが打つってやり方でいいけどさ。ソイツじゃアタシのキャッチャーは務まらないわよ?」


森「どういう意味や?」


マリー「アンタじゃアタシのボールを捕ることはできないわ。アタシのボールを捕れるのはモニカだけよ」


森「そっちがどんな球を放るか知らんけどな、ウチの身体能力と反射神経は、ズバ抜けて高いんやで」


マリー「ふ~ん・・・まぁ、アンタがどれほどの身体能力が高いヤツか知らないけどさ。アメリカの12歳以下の代表チームでもアタシのボールをちゃんと捕れたヤツはいなかったわよ」


森「えっ!?」


マリー「でもいいわ。身体能力がそんなに高いんだったら何とかなるかもしれないわね。身体能力が飛び抜けてるヤツがアタシのボールを受けた時は、8~9球までもったから」


森「ま、マジかいな・・・」


風谷「キャッチャーが8~9球で潰れるってどんなボールだよ・・・」


マリーの言葉に5人共青ざめた表情になる。


その5人の表情に上機嫌になりながらマリーは言った。


マリー「なんだかやる前から戦意喪失って感じね。この際、愛比売山のことも野球で勝負するってのはどう?」


全員「は?」


アスラ「野球で勝負だと?」


森「ちょっと待てや。アスラ兄ちゃんは失せろ言うたんやで。そんな勝負受けるわけが・・・」


アスラ「一体どんな勝負だ?」


森「なんで、受ける気になっとんねん!!」


マリー「こっちの提案する野球勝負でアンタたちが勝ったら、愛比売山のことは諦めてあげるわ。ただし負けた時はどうなるか・・・言わなくてもわかるわよね?」


アスラ「その勝負は一体いくつだ」


マリー「は?」


アスラ「お前の提案する野球勝負は一体いくつだと聞いているんだ」


マリー「い・・・いくつって一体どういう意味よ」


アスラ「まさか、オレたちに勝つまで勝負を挑み続けるなんてふざけたことを言うつもりじゃないだろうな」


マリー「そ、そんなわけないでしょ!!1回よ!!1回に決まってるじゃない!!」


するとモニカがすかさず割って入って来た。


モニカ「に、2回デ~ス。2回にしましょう」


マリー「ちょっと、一体どういうつもり?」


モニカ「何だか嫌な予感がしマ~ス。念のため保険をかけておきましょう。私たちが提案する勝負に2回勝てればあなた達の勝ちデ~ス」


風谷「なんだよ、それ!!そんなのこっちが圧倒的に不利じゃねぇか!!」


マリー「さっきからアンタうるさいわよ。アタシはアンタと話してるんじゃないわ。そこにいる洩矢アスラと話してるのよ」


真野「まさかこんな無茶苦茶な勝負を受けるなんて言いませんよね?」


アスラ「いいだろう。その勝負、受けて立つ」


全員「えぇぇぇぇっ!?」


マリー「それじゃ明日、この河川敷に集合よ」


アスラ「ああ」


マリーとモニカは停めてあった高級車に乗り込んで去って行った。


風谷「あんな約束してどうするんだよ!!」


森「絶対ウチらに不利な勝負を提案してくるで!!」


アスラ「そんなことより、続きをやるぞ。風谷、復活したならお前から始める」


風谷「げっ!?」


アスラ「というより1人ずつやる間、待っているヤツは暇だろ。この際、5人に分裂して一気にやった方がいいな」


中山「ちょっ、ちょっと待って!!ここは河川敷だよ!!5人になっているところを誰かに見られたら大問題だよ!!」


アスラ「その点は何も心配することはない。そもそも愛比売山に移動する時も急に消えたり現れたりしているんだ。分裂したのを見られたらから一体なんだというんだ?」


アスラの言葉にハッとなる5人。


ここの河川敷は人があまり通らないとはいえ、誰かに見られているかもしれない。


今のところ問題になっていないが、いずれ誰かに見られる時が必ず来る。


中山は今さらながら今後の行動について注意するようにアスラに言った。


注意を受けたアスラは首を傾げながらも納得するが奇妙なことを口走る。


アスラ「ここの世界に限って言えば、そこまで神経質になることはないのだがな。まぁいい、それでは始めるぞ」


愛比売山の土地を賭けての勝負が突如決まったが、アスラたちは予定通りの特訓をした。


黒崎の時のように対策を講じないことに5人は不安を感じていた。


一方マリーたちは土地の奪取に向けて着々と準備を進めていた。


マリー「もしもし、お父さん?愛比売山の件、上手くいきそうよ。ただそのためには、お金が必要なの。それとお父さんの力も」


アーロン「愛比売山が奪えるならいくらでも力を貸してやろう。しかし頑なに買収を断っていたあの住職からよく話をつけられたな」


マリー「住職の知り合いに洩矢アスラっていうバカがいるんだけど、ソイツに愛比売山を賭けて野球勝負をしないかって言ったら簡単に承諾したわ」


アーロン「その勝負、間違いなく勝てるんだろうな?」


マリー「当然よ。だって相手はその洩矢アスラって中学生1人に残りの5人は小学生よ?」


アーロン「子供に愛比売山の買収を託すとは、住職もついにおかしくなったか。だが油断はするな。その野球勝負は私たちが100%勝てるようにするんだ」


マリー「そんなことは、わかっているわ。ただ負けたら愛比売山のことは諦めるって約束しちゃったけど」


アーロン「まぁ、愛比売山を賭けての勝負なんだからそれは当然だな。約束は守る。だから負けることは絶対に許されんぞ」


マリー「オーケー」


自信満々に電話を切るマリーに対し、モニカは少し不安な顔をしていた。


モニカ「マリー、あんな約束しちゃって本当に大丈夫なんデスカ?あの洩矢アスラっていう人、得体の知れないというか、なんか怖い感じが・・・」


マリー「ただの漫画の影響を受けた痛いヤツよ。きっとアニメキャラクターの何かになりきってるんだわ」


モニカ「そうだといいんデスガ・・・」


マリー「ふふふ、アイツは後悔することになるわ。覚悟しておきなさい、洩矢アスラ」


次の日・・・


ギブスをはめて登校した5人は、クラスメイトに心配された。


心配されたのは悪い気分ではなかったが、皆を騙している気がして少し複雑になる。


それでも身の回りの世話を率先してやってくれることは、やはり嬉しい。


だがギブスをはめていいことばかりではない。


たとえば授業中の時・・・


中山「じ、字が書けない。手が震えてまともに書くことができないよ」


テストの時・・・


真野「か、書くことに時間をかけすぎちゃう。こ、これじゃあ間に合わない・・・」


体育の時・・・


三崎「・・・見学って本当に暇」


給食の時・・・


風谷「くそっ、う、上手く食えねぇ・・・」


トイレの時・・・


森「い、急いでるのに・・・ぱ、パンツが上手く下ろせへん」


他にも日常生活で困ることがたくさんあった。


その度に5人共思う。


一体自分たちは何をやっているんだろうと・・・


ギブス生活初日が終了し、グッタリして5人は河川敷に集まった。


河川敷には腕組しながらマリーとモニカが立っていた。


マリー「どうしたのよ?そんなにグッタリして。これからの勝負の事でも考えていたのかしら?」


風谷「そんなわけないだろ。お前らこそ、そんな余裕な顔しているのも今の内だぞ」


マリー「面白いじゃない。やれるものならやってみなさいよ」


モニカ「その前に場所を移動デ~ス」


5人はマリーとモニカの車に乗せられる。


着いた場所はプロ野球選手が試合で使う松山スタジアムだ。


マリー「今日は、ここで勝負よ。野球勝負には申し分ない場所でしょ?」


風谷「へ~、やっぱり大きいよな。アタシ、プロ野球の球場に入るのは始めてだ」


森「ウチもや」


中山「ここで勝負するわけか」


三崎「ところでアスラ兄ちゃんは?」


マリー「アイツならもうスタジアムの中よ」


スタジアムに入ると3塁側のベンチにアスラが座っていた。


アスラ「来たか」


森「来たかやないで。アスラ兄ちゃんのギブスのせいで今日一日、メチャメチャ大変やったんやから」


アスラ「ギブスを外したいなら一刻も早く利き腕と同じように使いこなせるように上達させることだな」


マリー「おしゃべりはもうお終いよ。最初の勝負はバッティングとピッチングの真剣勝負よ」


風谷「なんだそれ?」


マリー「代表者を1人選出して、ソイツとアタシが呼び出した2人の選手と戦ってもらうわ。言っておくけど、どっちかでも負けたらアンタたちの負けよ」


中山「やっぱりそういう風になるよね」


マリー「さぁ、誰が出るのかしら?」


5人は誰にするか迷っているとアスラが、ゆっくりとマリーの元へ向かう。


マリー「アンタが代表者ってこと?」


アスラ「そういうことだ」


その瞬間、5人のテンションは一気に上がった。


真野「やった!!これなら相手が誰でも負けません!!」


森「ホンマや!!楽勝やで!!」


風谷「これで1勝は頂きだ!!」


だが中山と三崎は首を傾げる。


中山・三崎「力の加減は大丈夫なの?」


これには喜んでた3人もハッとした表情になる。


しかし、アスラは心配ないと言い、5人はホッとした表情になった。


マリー「まだ始まってもいないのに勝った気でいて哀れね。アイツがどんなに野球が上手いかしらないけど、たかが中学生じゃない。見てなさい、アンタ達の顔を一気に恐怖のどん底に落としてやるんだから」


アスラ「それで、オレの相手をするヤツは誰だ?お前か?」


マリー「ふふふ、アンタが相手をするのは彼らよ!!」


マリーが1塁側のベンチを指差すとベンチから細身の白人男性と筋肉質の黒人男性が姿を現した。



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