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私たちの監督は14歳で、かなりヤバいっ!!  作者: フムフム竜
小学生編
47/61

第47話 支配者論

一条(翔)は教室で唖然としていた。


アスラは一条(翔)を残して去ろうとする。


だが当然、一条(翔)はそんなアスラを引き止めた。


一条(翔)「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ!!河川敷でボクに言ったことと全然違うじゃないですか!!意味わかんないですよ!!何でボクが除名になったのか理由を教えてくださいよ!!」


アスラ「理由か・・・」


アスラはゆっくりと一条(翔)の方へ振り返り言った。


アスラ「理由は・・・お前が『小学6年生』だったからだ」


アスラはクラスプレートを指差しながら言った。


一条(翔)の頭の中で疑問が飛び交う。


自分が除名された理由が学年?


この人は何を言ってるんだ?


意味がわからない。


これは聞き間違いなのではないか?


一条(翔)の中で怒りの感情が一気に込み上げてくる。


アスラ「理由は言ったぞ。じゃあな」


一条(翔)「しょ、小学6年生だから何だっていうんですか!!条件は小学生だったはずでしょ!?」


アスラ「正確には小学4年生~小学5年生までだ」


一条(翔)「そ、そんなの聞いてませんよ!!何で小学6年生じゃダメなんですか!!まさか最強の野球選手に鍛え上げる期間が足りないからとか言わないですよね!?」


アスラ「期間は関係ない。最強の野球選手に鍛え上げる期間は大体6~7年間だからな」


一条(翔)「だったらどうして!!」


アスラ「オレは真野を配下にする時、理事長に宣言したんだ」


一条(翔)「何をですか?」


アスラ「来年の愛媛大会で優勝するとな」


一条(翔)「え?」


アスラ「来年には、お前は卒業して大会には出られない。だからお前を除名するんだ」


一条(翔)「そ、そんな・・・理由で?」


アスラ「お前、アイツらに足引っ張りはいらない。チームから出て行けと言ったそうだな」


一条(翔)「は、はぁ・・・」


アスラ「オレに言わせれば、大会に出ることが出来ないヤツの方がよほど足引っ張りだし、不必要だ。これで理由は言った。オレはもう帰るぞ」


一条(翔)「ま、待ってください!!だったら大会に出るのは中学生の大会に変更すればいいじゃないですか!!ボクたちが中学3年生の時に全員大会には出られます!!」


アスラ「それはできない。オレは来年の大会に向けてすでに計画を立てている。それを今更、変えるつもりはない」


一条(翔)「で、でもよく考えてください。そんなことになったらボク以外にも矢野と結城の2人も除名することになるんですよ?」


アスラ「ああ。当然アイツらも除名するつもりだ」


一条(翔)「れ、冷静に考えてください。ボクたちの身体能力は彼女たちよりもはるかに上なんですよ?将来性だってボク達の方があります。ボクらのような逸材を失うくらいなら計画を変更した方が絶対いいに決まってますよ」


アスラ「どんなに楽な道があろうとオレは計画を変えるつもりはない」


一条(翔)「ぐっ!!」


一条(翔)は、必死に脳みそをフル回転させた。


そして一条(翔)は、あることを思いつく。


一条(翔)「待ってください。監督はボクを除名することは絶対できないはずです」


アスラ「なぜだ?」


一条(翔)「だって言ったじゃないですか。『オレは一度配下にしたヤツを除名する気はない』って」


アスラ「・・・・・・」


一条(翔)「監督はボクを配下にしました。だからボクが申し出るまでは除名にはできないはずです」


これで一気に形勢逆転した。


一条(翔)はそう思った。


だが・・・


アスラ「オレの中での配下の条件は小学4年生~5年生までだ。お前が小学6年生だとわかった時点で、お前は配下ではない」


一条(翔)「そっ、そんな・・・」


もはや八方ふさがりとなった一条(翔)は思わず声を荒げた。


一条(翔)「そ、そんなの強引ですよ!!横暴だ!!」


アスラ「この際だからハッキリ言っておいてやろう。お前がどんな理論で正当性を訴えようがそんなものは関係ない。このチームの支配者はオレだ。支配者のオレが言ったことは絶対なんだ」


一条(翔)「そ、そんな・・・ひ、酷い」


完全な自分勝手な支配者論の前に為す術が無くなった一条(翔)は、その場に崩れ落ちる。


それを見てアスラが去ろうとすると一条(翔)は、ゆっくりと立ち上がり、キッとアスラを睨みつけた。


一条(翔)「お、覚えておきなよ・・・いつかボクを見捨てたことを絶対に後悔させてやるからな」


アスラ「オレは自分のやったことに後悔はしない。そんなのは弱者のするものだ。だがオレからも一つ言ってやろう」


アスラは殺気立った目で一条(翔)を逆に睨みつけた。


その瞬間、息苦しさが一条(翔)を襲った。


アスラ「このオレに歯向かおうとすると、どういうことになるか。お前は必ず後悔することになる」


一条(翔)「ぐぇうっ!!」


一条(翔)はアスラの殺気に耐え切ることができず、その場で泡を吹いて気を失ってしまった。


悲鳴が飛び交う中、アスラは校舎を去って行った。


その頃、河川敷では女子5人が先に集まっていた。


森「千葉に引っ越しって聞いた時は、正直ごっつ喜んだんやけどな」


中山「まぁ、瞬間移動が使えるんじゃ仕方ないよね」


風谷「どんなに腐ったヤツでもアイツも配下の1人だからアスラ兄ちゃんが簡単に見捨てるはずないもんな・・・」


真野「すみません。私がちゃんと兄妹関係を把握していればこんなことには・・・」


三崎「美沙は何も悪くないわ。誰もこんなことになるなんて予想できるわけないんだから」


その時、アスラがやって来た。


森「あれ?」


風谷「一条(翔)がいないぞ?」


5人はアスラのもとへ駆け寄る。


中山「一条(翔)はどうしたの?今日から千葉に迎えに行くんでしょ?」


アスラ「アイツはもう来ない」


全員「えぇっ!?」


風谷「それは一体どういうことだ?」


森「あんなにこのチームに残りたがっていたのに何があったんや?」


真野「そんなことどうだっていいじゃないですか!!とにかく来なくなって本当に良かったです!!」


真野はバンザイしながら何度も飛び跳ねる。


中山「す、凄いテンションだね」


三崎「一条(翔)を連れて来たことに一番責任を感じてたのは美沙だからね」


一条(翔)が辞めてテンションが高くなる女子5人。


しかし、そのテンションもすぐに下がる。


まだ、矢野と結城の2人が残っていたからだ。


ところがアスラは5人が揃っているのを確認するとそのままいつもの愛比売山に移動した。


中山「あれ?まだ2人が来てないけど?」


アスラ「アイツらも来ない。アイツらは、今後あの河川敷に二度と近づくことはないだろう」


その言葉が何を意味するか5人はすぐに察知した。


アスラは、一条(翔)たちを配下から除名した理由を5人に話した。


それを聞いた時は一瞬固まったが、すぐに歓喜に溢れかえった。


だが皆が歓喜している中、森が不安そうな顔でアスラに尋ねた。


森「ウチらは、アスラ兄ちゃんの配下でええんよな」


アスラ「ああ」


森の質問の意図を理解した4人も不安な表情に変わりアスラに尋ねる。


風谷「突然、除名とかしないよな」


アスラ「アイツらの場合は配下の条件を初めから満たしていなかった。だがお前らは大丈夫だ」


中山「確認するけど配下の条件は小学4年生~小学5年生までで、身体能力をアスラ兄ちゃんに認められることだけだよね?」


アスラ「ああ」


真野「他に付け足した条件とかありますか?」


アスラ「ない」


三崎「本当に?」


アスラ「ああ」


最後に全員声を揃えてアスラに言った。


全員「お願い・・・お願いだから急に気が変わったとか言って除名宣告だけはしないで・・・お願い」


消え入りそうな弱々しい声で5人は懇願した。


するとアスラはあっさり答えた。


アスラ「お前らに除名宣言はしない。オレを信用しろ」


アスラのこれまでの行動や言動を考えると信用するのは難しいが、その言葉を聞いて5人はホッと胸を撫でおろした。


男子が入って一時はチームの崩壊の危機まで陥ったが、また女子だけのチームに戻り再び平穏が訪れたと喜ぶ5人であった。


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