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私たちの監督は14歳で、かなりヤバいっ!!  作者: フムフム竜
小学生編
27/61

第27話 明かされる真実 宮西の秘密

3人は最初に宮西とアスラの出会いについて詳しく聞くことにした。


中山「宮西さんも、ここの山に来たの?」


アスラ「そうだ。アイツはこの山へ自殺をしにやって来たんだ」


3人の脳裏に口裂け女の姿がよぎる。


しかし、次のアスラの言葉でそのイメージが一気に吹き飛ばされた。


アスラ「アイツは、日に日に増していく自分の力を抑えることができなくて自殺を決意したんだ」


風谷・森・中山「え?」


アスラ「オレはアイツの自殺を止める気はなかったが、その時たまたまアイツの力を封印する装備品を持っていたからな。それをアイツにくれてやったんだ」


中山「それが、あのマスクってこと?」


アスラ「そうだ。あれは特殊なマスクで、もともと違う目的で使うものだ」


森「一体あのマスクを外したらどうなるんや?」


アスラ「アイツの力は暴走し、辺りは地獄と化すだろう」


風谷・森・中山「!?」


宮西はもはや人間ではないと認識した3人。


3人は恐る恐る宮西の力についてアスラに尋ねた。


それについてはアスラも少し険しい顔をして考える。


アスラ「力の秘密は誰にも言わないという宮西との約束だったんだが、アイツも秘密に関してはもう大丈夫と言っていたし話しても問題ないだろう」


アスラは宮西の秘密について話した。


その事実を知って3人の顔はどんどん青ざめていく。


風谷「そ、それが本当だとするとマスクを外したら大変なことになるぞ!!」


森「このままじゃ結婚式がとんでもないことになってまうで!!」


中山「急いで結婚式場に向かわないと!!」


森は慌てて時計を見る。


森「あかん!!もう時間がないねん!!」


アスラ「何を慌てているんだ?アイツは宮西を攻略したと言ったんだぞ。それはつまり宮西のマスクを解放した状態での勝利を意味する。マスクの心配をする必要などまったくない」


森「そういうことやないねん!!」


1人だけ話の観点がズレているアスラに苛立ちを覚える3人だったが、今はそれどころではないと気持ちを切り替える。


風谷「そんなことより早く結婚式まで送ってくれ!!」


中山「間に合わなくなっちゃうよ!!」


アスラ「よく分からんが、仕方あるまい」


一瞬で結婚式の会場まで移動した3人は新郎新婦の控室まで走った。


その頃、藤田と宮西は2人で控室にいた。


宮西「寝不足みたいね、達也さん」


藤田「それは和江さんもだろ?こんなに朝早くから始める結婚式なんて普通じゃありえないからね」


宮西「営業時間内じゃ会場が取れなかったんだから仕方がないよ」


藤田「ははは、そうだね」


結婚式で緊張しているのかいつものように会話が弾まない。


そんな中、藤田はいきなり宮西の手を握った。


宮西「きゅ、急にどうしたの?」


藤田「和江さん・・・マスクを外して欲しいんだ」


宮西「え?」


藤田「オレは和江さんのことをすべて受け入れると決めたんだ。たとえ口がどんなことになっていようとも・・・」


宮西「!?」


藤田「和江さん、オレを信じてくれ!!」


宮西「・・・・・・」


宮西がマスクを外すかどうか悩んでいる時、控室の外では藤田(母)が不敵な笑みを浮かべていた。


藤田(母)「ふっふっふ、まさか達也も私が控室に急に入ってくるとは思わないだろうね。びっくりする達也たちの顔が楽しみだよ」


昨日まで死にかけていたとは思えないぐらいテンションが上がっている藤田の母親。


しかし、控室の中は異様な雰囲気に包まれていた。


宮西「実は達也さんに結婚のプロポーズをされる前にアスラくんが私のところに来たの」


藤田「アスラくんが?」


宮西「アスラくんは私に言ったわ。『特訓は、まだ未完成であるが近いうちにアイツは、お前に挑戦しに来る。だからその時は安心してマスクを取って全力で応えてやれ』と」


藤田「アスラくんがそんなことを?」


宮西「だから本当はプロポーズをされた時にマスクを外すべきだったけど、私は怖かったの。でも私は達也さんを信じて安心してマスクを外すわ」


藤田に緊張が走る。


マスクの下はどうなっているのか。


口が裂けているのか、それとも前歯が付き出しているのか、それとも口がひどく歪んでいるのか、それとも想像以上に口がとんでもないことになっているのか。


しかし・・・


藤田「え?」


宮西の口は至って普通で、顔立ちが整ったとてもきれいな顔だった。


あまりにも予想外だったので思わず拍子抜けした顔になる。


その時だった。


藤田「ぐぉっ!?な、なんだ・・・これは・・・」


部屋中に悪臭が充満し、藤田の呼吸が一気に苦しくなる。


藤田「い、一体どうなって・・・」


その時、後ろから勢いよくドアが開かれた。


藤田「だ、ダメだ!!ドアを開けちゃいけない!!すぐに閉めるんだ!!」


この臭いを外に出すわけにはいかないと藤田は懸命に叫んだ。


だが遅かった。


藤田(母)「ぎぇぇぇ!!」


短く大きな断末魔の悲鳴。


酷く歪んだ顔をしたその人物に藤田は驚愕する。


藤田「か、母さん!!」


藤田(母)「あ、あがが、がが」


ドアの近くで藤田(母)は、泡を吹きながらビクンビクンと体を震わせている。


藤田は息を止めてなんとか臭いに耐えている。


この時、始めて藤田はアスラの特訓の意味を理解した。


藤田「そ、そうか・・・それでアスラくんは首吊りの特訓なんてことを・・・」


宮西は涙を流しながらマスクを着用し急いで救急車に電話をした。


そして、そのままその場を立ち去ろうとする。


だが藤田が宮西の腕を掴んだ。


宮西「は、放して!!」


藤田「最初に言っただろ、オレはすべてを受け入れると・・・」


宮西「た、達也さん・・・」


藤田「和江さん、もう一度マスクを外してくれ。オレはそのために過酷な特訓に耐えてきたんだ」


宮西は涙を流しながら頷き、再びマスクを外す。


藤田は宮西を抱きしめようと両手を広げ、ゆっくりと近づいた。


宮西も目を瞑り藤田に歩み寄る。


今まさにキスをしようとしたその時だった。


藤田「ぐぇっ!!」


特訓の成果で、ここまでなんとか息を止めて耐えてきた藤田だったが最後は宮西の臭いに耐えきることができず、その場で嘔吐し力尽きた。


その後、風谷、森、中山の3人がアスラに貰った特殊マスクを装着して控室に入る。


風谷・森・中山「先生!!」


ドアを開けたと同時に宮西が涙を流しながら部屋を出て行った。


部屋の中を見渡すと嘔吐して泡を吹いて倒れている藤田と白目をむいて痙攣(けいれん)している藤田(母)の姿があった。


風谷・森・中山「お、遅かったか・・・」


間に合わなかったと落胆する3人に続いて救急隊が駆けつける。


宮西がどう通報したのか分からないが、救急隊は全員ガスマスクを装着していた。


2人は急いで救急搬送された。


それから3日後・・・


教室には藤田の元気な姿があった。


藤田「よ~し、これから授業を始めるから全員席に座れ」


全員「は~い」


風谷「どうなることかと思ったけど、無事結婚できて良かったよな」


森「せやな。これで先生の悩みも解決したしクビになることも、もうないやろ」


中山「そうだね」


職員室の藤田の机には結婚式の写真が飾ってあった。


結婚式の写真には、マスクを外して笑顔で写る宮西と新郎の藤田。


ガスマスクをしている友人と家族。


そして笑顔の藤田(母)の遺影が写っていた。


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