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私たちの監督は14歳で、かなりヤバいっ!!  作者: フムフム竜
小学生編
21/61

第21話 契約成立 真野の人身売買?

叔母との和解ムードになったところで、いきなり話をふられる真野。


真野は何も答えず、アスラを見るだけだった。


なかなか自分の本音を言わない真野を見かねてアスラが質問する。


アスラ「三崎は、お前が野球がすごく好きだったと言っていたがそれは本当なのか?」


真野は何も言わずにただ(うつむ)くだけで何も答えない。


アスラは続けて質問する。


アスラ「三崎は、お前とまた一緒に野球がやりたいと言っていた。お前はどうなんだ?」


真野「え?」


その質問には、真野は強く反応した。


かなり迷っている様子だったが再び下を向いた。


その時、叔母が真野の肩をグッと掴んだ。


叔母「美沙、私も本音を言ったんだから、あなたもちゃんと言いなさい!!私はあなたの口から本音を言ってもらいたいの!!それとも私が本当の母親じゃないから本音が言えないの!?」


叔母にそう強く言われて、真野はハッとした表情になる。


そして、意を決して叔母に本音を打ち明けた。


真野「私は・・・私は野球が好きなの!!そして成美先輩とまた一緒に野球がしたい!!」


心の底から叫ぶように発した真野の本音。


それを聞いて叔母は満足した表情を浮かべた。


叔母「わかったわ。あなたの本音が聞けて良かった。野球がしたいなら好きにやりなさい。店の方は私がなんとかするわ」


真野「それはできないよ。私がいなくなったらこの店の経営が傾いちゃう」


叔母「たしかに、あなたがいなくなったら売り上げはかなり減ってしまう。だけどこれ以上あなたに無理をさせたくはないの。今まで苦労をかけた分、今度は美沙が自分の好きなことを思いっきりやってちょうだい」


真野「叔母さん・・・」


その時、アスラは持っていたアルミケースをテーブルの上に置いた。


アスラ「これがあれば、お互いの望みは叶うはずだ」


アルミケースの中身を見て2人は飛び上がるほど驚いた。


アスラ「この金は、お前に無条件でくれてやる。その代わりコイツは今日からオレの配下として最強の野球選手を目指してもらう」


目の前にある大金と唐突な取り引きの持ちかけに叔母は戸惑った。


そんな叔母の代わりに真野が返答した。


真野「わ、わかりました。このお金と私を交換してください!!」


叔母「み、美沙!!きゅ、急に何を言い出すのよ!!」


真野「叔母さん、これは私にとっては絶好のチャンスなの。自分の好きな野球ができる上に、お金も入ってくる。これなら私も何も言うことはないわ」


叔母「でも・・・」


その後、叔母は、かなり悩んだが結局アスラの交渉に応じた。


叔母「それでは、美沙のことを・・・よろしくお願いします」


アスラ「ああ」


こうしてアスラは、真野美沙という5人目の配下を1億円という大金と引き換えに獲得することに成功した。


そして同じ頃、異世界に戻ったゼラは支配者の座を諦めた旨をレンショウに報告していた。


レンショウ「驚いたな。まさかアスラ様が支配者の座を諦めて野球の指導の方を選ぶとは・・・」


ゼラ「オレも正直驚いています」


レンショウ「まぁ、こうなってしまってはこのことをそのままマジュー様に報告するしかあるまい。これを聞いて、あの方がどういう反応をするかはわからんがな」


ゼラ「そうですね。それじゃあ、オレは戻ります」


ゼラが部屋から消えるとそれと同時にレンショウの背後に別の人物が姿を現した。


レンショウは一切振り返らずにその人物に話しかける。


レンショウ「アスラ様が次期支配者候補から外れたそうだ。お前の望み通りの展開になって良かったじゃないか。ガルマビル」


ガルマビル「ああ」


レンショウ「お前は、長い間マジュー様の行動を補助しながら自分の望みも叶えてきた。内部では、お前のことを影の支配者と呼ぶヤツまでいる」


ガルマビル「影の支配者か・・・」


レンショウ「この先、お前はどう動くつもりだ?こうして表の支配者になるチャンスがやって来たわけだが」


ガルマビル「オレは表舞台に立つつもりはない。これまで通り新しい支配者の補助に徹するだけさ。そして、その妨げになる可能性があるヤツは今まで通りに・・・」


そう言いかけた時、レンショウがガルマビルの腕を掴んだ。


レンショウ「妙な事は考えないことだ。アスラ様に何かしようものなら、あの方が自ら支配者の座を奪いに行く。そうなれば、お前にとっても都合が悪かろう」


レンショウはガルマビルに殺気を向け、力強く腕を握りしめた。


ガルマビル「誰もアスラ様を排除するとは言ってないだろ?それにアスラ様は何もしなければ支配者の座を奪うことをしないと宣言したんだ。わざわざ刺激するような真似をするわけがない」


レンショウ「そうか。それを聞いて安心したぞ」


ガルマビル「だがオレがやらなくても思わぬところでアスラ様を消そうとする(やから)は必ず出て来るはずだ。それは覚えておいた方がいい」


ガルマビルは手を振りほどいて、レンショウの部屋から消えた。


レンショウ「思わぬところからか・・・アイツは敵の勢力とも関わりを持っているという噂を聞く。最悪の場合、敵勢力の誰かにアスラ様を襲わせるということも十分に考えられるな」


静まり返った部屋で、レンショウは大きなため息をついた。


自分の世界でそんな状況になっていることなど、まるで知らないアスラは翌日の特訓の際に新たなメンバーとして真野を紹介していた。


アスラ「今日から新しくオレの配下になった真野だ」


真野を連れて来たことに特段驚きはしなかったが、その経緯は4人とも気になっていた。


風谷「まさかとは思うけど叔母を殺して無理やり連れてきたんじゃないよな・・・」


森「いや、殺しやのうて脅しの可能性の方が十分あるで」


中山「それとも勝手に誘拐してきたとか?」


3人ともアスラに対して負の印象しかなく、悪い方の憶測ばかりだ。


アスラ「そんなに気になるなら本人に聞いたらどうだ?」


4人とも一斉に真野の方を向く。


真野は落ち着くために一旦深呼吸をした後、大声で叫ぶように言った。


真野「い、1億円と引き換えにメンバーに加わることになりました真野美沙です!!1億円の投資の期待を裏切らないよう精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします!!」


1億円と引き換えに真野を入れたという事実と1億円という金額に3人はものすごく驚いた。


森「一体1億円なんて大金どこで手に入れたんや!?」


風谷「まさか強盗して手に入れたのか!?」


アスラ「違う。もらったんだ。真野を手に入れるために必要だと言ったらな」


この時、3人はさらにその事実について深入りしようとしたが三崎に制止された。


風谷「な、なんで止めるんだ?」


三崎「たとえ強盗であろうと脅迫であろうと私たちが何を言っても聞くような相手じゃないわ」


中山「そうだけど気にならない?誰から1億円もらったのか」


三崎「それを知ってどうするの?もしアスラ兄ちゃんが人を殺して1億円を手に入れてたら?みんなは気にしないで野球をやれる?美沙だってその事実を知ったら野球なんてやれないと思うわ」


中山「た、たしかに・・・」


三崎「私たちは余計な詮索(せんさく)をしないで美沙を歓迎するだけでいいと思うの」


三崎の意見に3人も同意し、4人で真野を拍手で歓迎した。


アスラ「さて今日から三崎と真野、そして風谷、森、中山の2組に分かれて山登りをやってもらう。ただし3人は今日から時間制限を設ける。それと縄の数はどんどん減らしていくから今後は周りをよく記憶しながら頂上を目指せ」


風谷・森・中山「えぇぇぇっ!?」


アスラ「三崎と真野は時間制限なしの山登りだ。さっそく始めろ」


アスラの掛け声とともに5人は森の中へ走り出した。


その頃、1億円という大金を投資したことを知った校長は理事長室を訪れていた。


校長「理事長、1億なんて大金を無条件で渡したって本当なんですか?」


理事長「ええ。ですが、これまでに甲子園優勝のために投資してきた金額に比べれば安いものですよ」


校長「それは・・・そうですが」


理事長「それに無条件というわけじゃありませんよ」


校長「え?」


理事長「あの後、洩矢監督とちょっとした約束をしましてね」


校長「約束?」


理事長「来年の夏に行われる愛媛大会で優勝すると私に約束してくれたんですよ」


校長「えぇっ!?愛媛には、あの今治リトルがいるんですよ!!」


理事長「ええ」


校長「いくらなんでも創設して1年足らずのチームが全国大会常連の今治リトルを破って優勝なんて絶対無理ですよ!!」


理事長「面白そうじゃないですか。洩矢監督の手腕に期待しましょう。それに私が1億円を投資した選手が来年の大会でどれほど活躍するのか楽しみですしね」


窓の外を眺めながら嬉しそうに話す理事長。


しかし、自分が1億円を投資した選手が女の子であるという事実を理事長はまだ知らない。


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