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私たちの監督は14歳で、かなりヤバいっ!!  作者: フムフム竜
小学生編
19/61

第19話 メイドカフェ崩壊危機? 真野、命懸けのお給仕

真野「お待たせしましたぁ~」


ニコニコしながら真野は、アスラたちの座るテーブルまでやってくる。


ゼラ「待っていたぞ」


アスラ「それでは結果を聞こうか」


真野「魔法の国での審議の結果は~」


その時、真野の身体に異変が起きる。


真野「(な、何これ・・・身体が動かない。そ、それに・・・い、息が苦しくなってきた)」


2人の殺気が真野の動きや呼吸を妨げていた。


真野自身もなんとなく直感ではあるが、2人の殺気が原因であることを感じ取っていた。


真野「(そ、そんな・・・睨んだだけでこんなことができるなんて・・・)」


足がガクガク震え、立っているのがやっとの真野。


だがそれでも小学生とは思えない驚異的な精神力で必死に耐えていた。


真野「(こ、ここで倒れるわけにはいかない。私は、ここのメイド。ご主人様を満足させるお給仕をすることが役目)」


真野は意を決した表情でアスラたちを見る。


そして最上級の笑顔を2人に向けた。


この笑顔に席に座っていた5人は、雷が落ちたような衝撃を受けた。


オタクたちは顔を赤らめ大興奮。


アスラとゼラの2人は信じられないといった表情を見せた。


真野「ふ、2人とも無事に認定されましたぁ~」


必死に絞り出した声で真野は、アスラたちに結果を伝えた。


アスラとゼラは驚いたまま真野を見ていた。


結果を伝えたのと同時に先程の息苦しさや身体の硬直は嘘のように消えていた。


真野はこの時、2人の殺気が原因であると確信した。


少し呼吸を整え、真野は持ってきた認定証を読み上げる。


アスラは驚いた表情から一転して笑みを浮かべた。


アスラ「これは想像以上の逸材だぞ。最強の野球選手を目指すには十分だ」


ゼラ「た、たしかに・・・コイツの精神力は認めざるを得ないようですね」


アスラは認定証を読み上げる真野に、いきなり詰め寄った。


アスラ「おい」


真野「ひっ!?」


先程の殺気のこともあり、何かされるのではないかと真野はかなり怯える。


しかしアスラからは意外な言葉が出て来た。


アスラ「合格だ。最初は保留にしようと思っていたが予定変更だ。今から、お前はオレの配下になってもらう」


真野「えぇっ!?」


いきなり合格宣言をされたかと思うと今度は配下宣言をされて意味が分からなくなる真野。


するとオタクたちが、さらに話をややこしくする。


オタクA「そんなこと言わなくても認定証を貰うと自動的にミイちゃんは、メイドさん・・・つまり配下になってくれるんですよ」


アスラ「なんだと?」


オタクB「ですからミイちゃんは、もうあなたのメイドさんなんですよ」


アスラ「そうだったのか」


ゼラ「これは思わぬ拾い物ですね」


アスラ「ああ」


完全にヤバい方向に話が進んでいる思った真野は、適当に話を切り上げて三崎の方へ助けを求めに行った。


真野「な、な、成美(なるみ)先輩!!」


三崎「美沙・・・」


真野「な、なんなんですか、あの2人は!?」


森「だから注意しろって言うたやん」


真野「あんなバケモノだなんて誰も思いませんよ!!それに手から変な光が出てたし空気もすごく歪んでました!!それに配下になるってことで話が進んじゃうし!!」


真野の目に徐々に涙が溢れ出て来る。


真野「もうどうしたらいいか・・・私・・・あの人たちに本当に殺されるかもしれません」


真野はその場で泣き出してしまった。


三崎「だ、大丈夫よ美沙・・・アスラ兄ちゃんには私から言っておくから」


森「とにかく涙を()いた方がええで」


風谷「ほら」


真野「す、すみません」


中山「今日はもう休んだら?」


真野「だ、大丈夫です。それに今、私が抜けるわけにはいきません」


真野は、目を真っ赤にさせながら持ち場へと戻る。


中山「すごい根性だよ。とても小学4年生とは思えない」


三崎「美沙は、引き取ってくれた叔母にものすごく恩義を感じてるから・・・」


風谷「しかし、アスラ兄ちゃん達のことがわかった以上、プレッシャーは今までの比じゃないぞ」


森「言葉一つのミスが許されない。まさに命懸けのお給仕やな」


真野は頼まれていたオムライスを手にし、席へと戻ってきた。


真野「お待たせしましたぁ~、ご主人様」


オタクA「ミイちゃん、早くオムライスに萌えパワーを注入して~」


オタクB「早く萌えパワーをチャージいないとボクたち死んじゃうよ~」


オタクC「ボクたちはこの瞬間のために店に来たんだからさ~」


真野「それでは、このオムライスに萌えパワーを注入しますね~」


アスラ・ゼラ「(ついに来たな!!)」


萌えパワーを見ようとアスラとゼラの目つきが鋭くなる。


真野は表情には出さなかったが、内心大声で悲鳴を上げたいくらいビビっていた。


真野「それでは、私が萌え~と言ったらご主人様たちも萌え~と言って続いてくださいね」


オタクたち「は~い」


真野は力を溜める仕草を見せる。


アスラたちはギラリと目を赤く光らせた。


真野「それでは・・・う~ん・・・萌えぇぇ~」


オタクたち「萌えぇぇ~」


アスラ・ゼラ「・・・・・・」


真野「は~い、私の萌えパワーがたっぷり詰まったオムライスの完成で~す」


真野とオタクたちは拍手をしながら完成を喜んだ。


一方のアスラとゼラは深刻な表情でオムライスを見ていた。


ゼラ「アスラ様・・・オレ、萌えパワーのオーラが全然見えなかったんですけど」


アスラ「オレもだ。アイツの手を見たり力を溜めている時の周りも注意して見たつもりだったんだが・・・」


ゼラ「もしかして萌えパワーなんて力は存在しないんじゃ・・・」


アスラ「それは有り得ない。アイツらを見ろ」


オタクたちは、真野の萌えパワーを身体中に感じると言いながらオムライスを頬張っていた。


ゼラ「あ、アスラ様!!なぜオレたちに萌えパワーが見えないんですか!!まさかオレたちには見えないように細工でもしてるんでしょうか・・・」


アスラ「仮にそうだとしても、その細工をしているオーラが見えるはずだ」


ゼラ「では一体何がどうなっているんでしょうか」


アスラ「それはわからん。だが面白い。この萌えパワーとやらがオレたちにどんな影響を与えるか楽しみだ」


そう言いながら、2人がオムライスを興味深く見ていると真野は続いて飲み物を持ってきた。


真野「お待たせしましたぁ~、フリシャカ萌え萌えジュースで~す」


目の前に現れた萌え萌えジュースを興味津々(きょうみしんしん)に眺めるアスラとゼラ。


真野「それでは、私がこのシェイカーを振ったらご主人様たちは萌えパワーがもっと、も~っと溜まるようにキュンキュンポーズをしながら私のあとに続いて下さ~い。それでは、みんなでこのシェイカーに萌えパワーを注入しましょう」


アスラ「萌えパワー・・・溜める?」


ゼラ「キュンキュンポーズ?」


よくわかっていない2人に真野は実際にキュンキュンポーズをやって見せた。


アスラ「そのポーズはわかったが、オレたちは萌えパワーを持っていないぞ?」


真野「大丈夫です。ここの店にはすでに萌えパワーが充満しています。ご主人様の身体の中にもすでに萌えパワーが宿っていますよ」


アスラ・ゼラ「!?」


アスラとゼラは顔を見合わせ、不敵な笑みを浮かべた。


真野はまた変な気を起こしたのではないかと思い、顔を引きつらせる。


アスラ「聞いたか?オレたちの身体の中にはすでに萌えパワーが入り込んでいるらしいぞ?」


ゼラ「そんな感覚はないし、身体にもなんら異変も起きていませんが入り込んでいるなら仕方がありませんね」


2人は一斉に立ち上がった。


真野は身体をビクつかせる。


アスラ・ゼラ「その身体にある萌えパワー・・・すべて出し尽くしてやる!!」


真野「ひぃっ!?」


今にも襲ってきそうな迫力に真野は情けない声を出してしまう。


アスラ「本格的に力を出すなんて久しぶりだな」


ゼラ「この世界はおろかすべてが無になってしまいますが、修復は神にやらせれば問題ないし思い切りやりましょう」


アスラは着ていた上着を脱いで半袖に。


それに続いてマントと上着を脱いでシャツ1枚になるゼラ。


真野「な、なんの真似ですか?」


ゼラ「さて準備はできた」


アスラ「それでは始めようではないか、萌えパワーの注入とやらを」


真野「いぃぃぃっ!?」


アスラとゼラの背後には明らかにオーラのようなものがハッキリ見えていた。


オタクたちや周りの人たちは、なにかのパフォーマンスだろうとまったく気にしていない様子。


いよいよヤバいと感じた4人は急いでアスラたちを止めに入った。


風谷「ちょっと待ったぁ~」


アスラ「なんだ?」


ゼラ「今、身体の中にある萌えパワーを出すんだ。邪魔するんじゃない」


森「そもそも萌えパワーのことをわかっとるんか?」


アスラ「わかってる。萌えパワーはオレたちの知らない未知のパワーだ」


中山「そういうことじゃなくて!!」


中山は萌えパワーやメイドカフェのことについて詳しく話した。


それを聞いて2人はなぜ自分たちに萌えパワーが見えなかったのかがわかり、すぐに納得した。


すべてが丸く収まったところで三崎が(つぶや)いた。


三崎「そろそろ時間・・・」


時計を見ると17時10分だった。


しかし、アスラは帰ろうとはしなかった。


森「なんで帰らへんの?」


アスラ「帰る前に目的を果たしてからだ」


風谷「目的?」


アスラ「オレは期間限定のケーキとやらを食いに来たんだ」


やっと帰ってくれると表情が明るくなっていた真野の顔が一転して青ざめていく。


真野は急いで三崎を厨房裏まで連れて行った。


真野「成美先輩!!期間限定のケーキは昨日で終わってるんですよ!!」


三崎「えぇっ!?」


真野「どうしましょう!!あの人のことだから不機嫌になってこの店を破壊しちゃいますよ!!」


三崎「だったら、普通のケーキを期間限定ってことにすれば?」


真野「普通のケーキだとすぐにバレちゃう気がするんですけど・・・」


三崎「でも時間がないしそれしか方法は・・・」


その時、真野はあることを(ひらめ)いた。


真野「あっ!?それよりもっといい手がありました」


そして・・・


真野「今日は時間がないということなので、特別にお持ち帰りということにさせて頂きます」


アスラ「そうか」


会計は店に残ったオタクたちに任せ、アスラはケーキを受け取り店を出て行った。


三崎「本当にあれで大丈夫なの?」


真野「はい。普通のケーキを出すよりも別の店の期間限定のケーキを出した方が絶対に良いと思います」


三崎「いや、そうじゃなくて・・・」


三崎の視線はアスラの持つケーキの箱に向けられていた。


真野「箱についても問題ありません。この店にお持ち帰りは存在せず別の箱で代用したことにすればいいんですから」


三崎「それならいいんだけど・・・」


真野「それより、あの人と成美先輩って一体どんな関係なんですか?」


三崎「え?」


三崎は、かなり間をおいて真野の質問に答えた。


三崎「あの人が・・・私たちのチームの監督なの」


真野「えぇっ!?そうなんですか!?でもあんな人と野球やってて大丈夫なんですか?」


三崎「ハッキリ言えば大丈夫じゃないわ。でもね・・・私はアスラ兄ちゃんのおかげで野球ができるようになったから」


真野「成美先輩・・・」


三崎「美沙も自分のやりたいことがあるならやって欲しい。できるだけ協力するから・・・」


真野「私は大丈夫です。成美先輩は私の分まで野球頑張ってください」


三崎「うん」


真野は手を振って三崎を送り出した。


真野「やりたいことか・・・できることなら私だって成美先輩と一緒に」


ボソリと真野は本音を呟いた。


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