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夢の中
ぽちゃーん。ぽちゃーん。
水が落ちる音がただ響き渡る。
ここはどこ。真っ暗で何も見えないよ。
「日葵!氷雨!! どこ!? どこにいるの!?」
『ふふふ。やっときてくれたね。あとちょっとだよ』
「だれ!? ここから出して!!!」
『それは、できないなぁ。ほら、はやくこっちにおいで』
なんなの、もぅ、やだよ……怖いよ……
何も見えない。ただ男の子の声が響いてくるだけ。
『こっちにおいで。』と。
それは、まるで蛇のように絡みついて私を翻弄させる。
男の子が『こっちにおいで』と手招きしている。
なんてきれいな男の子なの。
目が切れ長でこっちをじっと見つめている。
この暗闇を照らす光のようだ。
「だめ、そっちにはいけない」
そっちに行ったら二度と戻れないような気がする、
そっちに行ってはだめだと全身が訴えている。
『まぁ、まだ今は待っていてやる。』
『それまで死なないでね』
死ぬ?なんで?あなたは誰なの?教えてよ
なんでそんな寂しそうな目をするの・・・?
お、し、え、て……
『今はまだその時じゃないみたいだね。その時まで待っていてあげるよ。』




