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フェロモンの香り15

【キラリン美少女を探せ の巻】





先輩バンド【ブービートラップ・ファンキーマガジン】の演奏は最高だった。


他のバンドとは一線をひくグルーブと演奏



何といっても

ギター兼ボーカルの瀬川さんの声が独特の雰囲気で、聴く側を巻き込んでいく


もちろん、的確にそして安定感のあるベースの中島さん

女性なのにパワフルで音抜けのいいドラムの小林さんが脇を囲んでいるからなのは

言うまでもない。




演奏終了後、先輩たちと少し会話をして

ライブハウスを後にする。


このまま打ち上げに、なだれ込みたかったが

帰ることにした。



アルコールを飲む年齢じゃない僕らには、別世界の空間に思えたからだ。





ガッキーニも含め、鈴原のおごりで4人で食事することに。


「おごりってマックかよ 鈴原ぁ〜」


「あんたたちが、もっと早く助けに来たらモスにしても良かったんだけどぉ」


そう鈴原が言った後

ガッキーニがマックの良いところを演説なみに解説し始めた。


さすが、マック バイト暦3年




「ところでさぁ〜、ムジテレビに誰か書類送ってなかったかしらぁ」

顔を伺う様に、鈴原が淡々と喋ると、正徳の表情が微妙に変わる。



「やっぱりっ まさ君ねぇぇーっ!!」



鈴原は怒って、立ち上がると、正徳は興奮して

「きっ キラリン美少女を探せ!! ホントに書類審査っ通ったのかっ?!」

正徳も席を立って鈴原の手を握る。



「なんか そんな手紙が届いてたわよぉね〜」


あまりにも興奮して喋る正徳に、呆気に取られ、ぼぞぼそとかえす鈴原




「何だそりゃ キラリンびしょびしょ・・・???」


「拓都ぉ 聞いて驚くなっ あのムジテレビの超人気番組・・・」




この後、書ききれないほど【キラリン美少女を探せ!!】の書類審査を突破する難しさ

最終合格者のCM・ドラマの起用率など、くどくどと力説されてしまう。


鈴原も僕も正徳の勢いに押された感じで

口を挟むどころではなかったことを書き添えておく。



ただ、ガッキーニだけは正徳の演説?!をニコニコしながら聞いていられたことが奇跡だった。



正に愛の力なのだろうか・・・・・・・・・?




「言っておきますけどぉ わたしは絶対行きませんからね」


「えっ マジでぇ勿体ない!! 最終審査にあの如月英治や坂本あけみが居るんだぜ」


「ふ〜ん そうなのぉ? 興味なぁ〜い☆」


正徳の鼻息の荒い喋りとは裏腹に、そっけない鈴原



TVドラマを数本かけ持ちしている如月英治は、僕でもわかる売れっ子俳優

最近は、月9などで色男ぶりを見せつけている。


坂本あけみは、昨年発売された携帯オーディオプレイヤーのCMに起用された

バックダンサー【ミルク・ザ・Dカップ】の一人

4人いるダンサーの中で、飛びぬけた人気ぶりだ。


「うわぁー凄いじゃないですかぁ 鈴原さん」

二重の瞳を更に大きくしてガッキーニが羨ましそうに喋る。



「その二人を見に行くだけでも最終審査に行く価値あるんじゃねーのぉ」

フライドポテトを頬張りながら僕が口を挟む。


「拓都にまで薦められると思わなかったわ」不機嫌な口調でかえす鈴原




この時 僕は


最終審査に行くように薦めたことを、あとで後悔するとは思わなかった。


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